2027年1月。高校3年生のまま、Jクラブのトップチームの選手になる子が出てきます。
FC東京はU-18の田中遥大選手について「2026/27シーズン(2027年1月)よりトップチームに昇格」と公表しました。モンテディオ山形の佐藤陸斗選手も2027年1月からのトップ昇格。鹿島アントラーズは鹿島学園高校3年の3選手を、2026/27シーズンからの昇格として出しています。発令はどれも年明けで、学年度の途中。
最初はこれを選手の話として読んでいた。似た形の一行を何度か見るうちに、家の側の日程表の話でもあると思うようになった。
ポーランドサッカー協会のページに、U-19代表がスロバキアで行われている親善の大会で初戦のスイス戦に0対1で敗れたことが載っていました。9月25日、ドゥナイスカー・ルジュナー。次の試合は月曜で、相手は大会の開催国。
月曜。18歳や19歳が週の頭に国の外にいて試合をしている。学校の一週間とは別の線の上を歩いている、ということ。日本の高校3年生にも同じ種類の線が引かれる日付ができた、それが1月ではないかと。
卒業式まで、あと二か月
1月の高校3年生には3学期がある。授業があり、進路の書類があり、卒業式まではおよそ二か月。そこへトップチームの選手としての最初の日が重なる。
4月に入団する形なら、卒業式と入団のあいだに春休みが丸ごと入っていた。住むところを決めて、荷物を運んで、学校のものを片づけて、それから新しい所属の初日が来る。順番が一本だった。
1月付けの昇格では、その順番が並行になる。学籍は高校にあり、選手としての所属はトップチーム。卒業までの二か月を両方抱えたまま過ごす。今週どちらを先にするかを決めているのは、学校でもクラブでもなく家の中ではないかと。
高校の名前とクラブの名前が同じ選手に並ぶこと自体は新しくない。2種登録の選手に高校名が併記されていた話のように、高校生年代のチームに籍を置いたままJの公式戦に出る道は先にありました。違うのは、2種登録が籍を動かさないのに対して、1月の昇格は籍そのものが動くこと。
12年のうしろについた日付
田中選手は2008年6月11日生まれ。経歴は瀬田SC(2015-2020)、FC東京U-15深川(2021-2023)、FC東京U-18(2024-)と並んでいます。
2015年に始まって、2027年1月に昇格。12年。前半の6年は街のクラブで、送迎も用具も費用も家が持つ区間。クラブのジュニアユースに入ってからも、平日の夜に行き先が増えるだけで、送り出す側の仕事は減らない。
この12年を、家の側はずっと4月で区切って数えてきた。学年が上がるのが4月、チームが変わるのも4月、進学も4月。年度の頭で全部がそろう前提で、道具を買い替え、送る先を変え、その一年の費用の見当をつけてきた。
その最後に、1月という日付がついた。12年ぶんの段取りの、いちばん終わりだけが年度の途中に置かれている。
二か月ぶんの段取りは誰の手元にあるか
クラブが公にしている一行に並ぶのは、昇格の日付とシーズンの表記。1月から3月までのあいだに、通学をどう続けるのか、住む場所が変わるのか、制服とスパイクが同じ週にどう並ぶのか。そこから先は各家庭の中にある。
進路の話をするとき、どうしても出場機会や契約の区分に目が行く。ただ、卒業式の二か月前にプロの所属になるという一行がもたらす負荷は、選手本人より先に、送迎と手続きを担ってきた側に落ちる。しかもそれは12年続けてきた4月起点の並びが、最後の一手で崩れる形で来る。
次にこの形の案内を見たときは、昇格の日付の横に卒業式までの日数を書き足して、その二か月を誰がどう持つのかを一つずつ確かめる。
出典: www.pzpn.pl(2026-09-25)