このたびの平成28年熊本地震により、亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対し心よりお見舞い申し上げます。
熊本県で起きたような大震災は、いつどこで誰の身に降りかかるかは予測できません。
すでに余震の回数では阪神淡路大震災や新潟県中越地震を上回っているようです。
そしてJリーグは、この熊本地震の影響により、4月16日と17日に開催予定だった6試合を中止することを発表しています。対象の試合は、九州地方で開催される5試合およびロアッソ熊本のアウェー戦1試合となっています。
試合が開催されなければ、シーズン最後の順位にも影響が出てきます。Jリーグはこのような状況に対して、どのような対策を講じて乗り切るのでしょうか。
BCPとは
被災地ではサッカーの試合だなんて言っている場合ではありません。
自宅や実家が被災して県外に避難した選手がいるほか、ロアッソ熊本に所属する巻誠一郎がフェイスブックで物資を送るよう呼びかけるなど、支援活動に取り組む選手もいるのが現状で練習の再開自体が難しい状況だからだ。
こんな状況で、Jリーグはいったいどのようにしてリーグ再開の目処を立てるのか。今、御茶ノ水では、毎日緊急対策を練る会議が開催されているだろう。
BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
出典:http://www.chusho.meti.go.jp/
何かあってから考えて対策するのは時間を有し、制限や制約が多い中での意思決定を行わなければいけません。
JリーグのBCP
2013年の事業計画書では「事業継続計画(BCP)の策定と体制の確立 」という項目があるが、それ以降に関しては収支報告が中心となり、BCPについて明言している資料が見つかりませんでした。
JリーグのBCPについて記載されている文章は以下の通り。
激甚災害等の予期せぬ出来事の発生により、限られた経営資源で最低限の事業活動を継 続、ないし目標復旧時間以内に再開できるようにするための事前計画の策定と体制の整備を行う。
出典:http://www.jleague.jp/
1日でも早いJリーグの通常開催を願うばかりである。
予測と準備の大切さ
組織の中で毎日顔をあわせるのにも関わらず、互いの電話番号や連絡先を知らないことは多いでしょう。
経営者側は属する人の住居や連絡先を把握しているのは当然ですが、緊急連絡が出来る体制にあるとは思えません。
いつ何時、誰の身に降りかかるかは予測できない災害等に対し、万全の準備や体制を整えておく必要があります。
試合でも同じです。チームメイトの誰かがイエローカード2枚もらって数的不利になるような状況はいつでも起こり得るのです。
もしかしたらその選手がチームの攻撃を担う中心選手かもしれません。その時、どう対応するかを事前に考え準備しておけば、慌てて急造のフォーメーションにせざるを得ない状況を回避出来るかもしれません。
このような観点からも、BCP対策はどんな組織にとっても必要不可欠なことでおり、出来るだけ早い対応ができる体制をいつでも保たなければなりません。
あなたのクラブや組織には、計画的なBCP対策がありますか?