ここ数週間、都道府県サッカー協会のサイトを片端から開いています。女子の育成年代がどう動いているかを知りたかったからで、Jクラブのニュースだけを追っていても、女子の中学生・高校生年代の一年がどう組まれているのかが見えてこない。
代わりに目に入るのは、代表候補に選ばれたという告知でした。サンフレッチェ広島レジーナは、U-16日本女子代表候補の国内トレーニングキャンプ(8月31日〜9月3日・岡山/美作ラグビー・サッカー場)に島津羽音選手、中川奈南選手、近藤音々選手の3名が選ばれたと公表しています。同じクラブの石田ひなは選手は、FIFA U-20ワールドカップポーランド2026に臨むU-20日本女子代表に入っていました。男子ならクラブユース選手権の決勝スコアも、プリンスリーグの節ごとの結果も流れてくる。女子は、代表に呼ばれた日にだけ選手の名前が外へ出る。育成の実態を、選出から逆算して読むことになっている。
そのポーランドの大会は9月5日に開幕します。スペイン女子U-20代表はラス・ロサスのシウダー・デル・フットボールで4日間の合宿を終え、日曜に最後のトレーニングを行ってからポーランドへ発ちました。マドリードから空路でクラクフに入り、そこからバスで一次リーグのベースキャンプ地カトヴィツェへ。グループFでナイジェリア、ニューカレドニア、中国と当たり、初戦は9月7日のナイジェリア戦。その前日にカナダとの親善試合が組まれています([rfef.es](https://rfef.es/es/noticias/el-ultimo-y-nos-vamos-ultima-sesion-en-la-ciudad-del-futbol))。
同じ名前の制度が、別建てで置かれている
JFAの選手育成のページを開くと、女子には男子と同じ名前のものが並んでいる。ナショナルトレセン女子U-14、JFA ガールズ・エイトU-12 トレセンプログラム。特別指定制度も「JFA・Jリーグ」「JFA・なでしこリーグ」「Fリーグ」が別々のページで運用され、2026/27年のJFA・WEリーグ特別指定選手として米口和花選手(慶應義塾大)が認定されています。
名前が同じなので比べやすい。ただし中身の量は別。海外短期留学の「育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD」は2023年度から動いていて、レアル・ソシエダード、バイエルン・ミュンヘン、フラムFC、リバープレート、ロサンゼルス・ギャラクシー、UANLティグレス、コモ1907、アヤックス、オリンピック・リヨン、アイントラハト・フランクフルトと行き先が並ぶ。ここに女子が入ったのは2025年度で、バイエルン・ミュンヘン女子への8月15日〜30日・4名が最初でした。2026年度もU-17日本女子代表の4名をバイエルンへ送る。マイナビ仙台レディースユースの樋口らら選手、INAC神戸の北村礼選手が含まれています。
男子が年に4回も5回も回してきた3年のあいだ、女子は1年目に4人。「日本の女子は海外経験が足りない」と一般論で言う前に、年に何人分あるのかという数がもう出ている。
県協会のページに、始まった年が書いてある
県のサイトを見ると、女子の育成が何年目なのかがそのまま置かれている。
福岡県サッカー協会は女子トレセンU13・U14・U15・U17の2026年間計画と、参加承諾書兼同意書をサイトに掲載している。KYFA九州トレセンマッチ女子U13・U14への派遣と選考結果もそこに並ぶ。県で選び、九州へ送る。この段どりは男子と変わらない。
群馬県サッカー協会は、2026年度より女子サッカー普及・育成プロジェクトを始めたと書いたうえで、9月19日のGuFA U-12女子スキルアップ練習会 in フットステージ新前橋の参加者を募集している。対象は小学生で、呼びかけは「もっと上手くなりたい」「チャレンジしてみたい」。選抜ではなく普及として設計されている。トレセンより手前に入口を置いたということ。
茨城県サッカー協会が8月28日に出したのは「第22回茨城県U-15女子サッカー選手権大会 兼 第31回関東女子ユース(U-15)サッカー選手権大会 茨城県予選」。県が22回で、関東が31回。9回分ずれている。地域の大会が先に立ち上がり、県単位の予選が後から整えられた順序ではないかと。山口県サッカー協会は「JFA 第30回 全日本U-18女子サッカー選手権大会 山口県予選会」の結果を掲載していて、主管は山口県サッカー協会の女子委員会。実務が男子とは別の部署に置かれている。
男子の側の数字と並べると差が見える。全日本U-12は第50回で、YKKが46年、花王が21年、日清オイリオグループが20年と協賛が続く。クラブユース選手権U-15は第41回。半世紀と40年に対して、女子U-18の全国は30回、県のU-15選手権は22回で、県の女子トレセンの年間計画はいま書かれている最中。
数えることから始める
女子の育成年代を語るとき、指導論や強化論より先に数えられるものがある。その大会が何回目か、トレセンが県と地域と全国の何段で組まれているか、海外へ出る枠が年に何人分か、県協会のどの委員会が主管しているか。ここを飛ばすと、代表の結果だけを見て「もっと育てるべきだ」と言うことになる。
代表選出のニュースしか外に出てこないのは、現場に何もないからではない。福岡には年間計画と同意書があり、群馬には小学生の練習会があり、茨城の県予選は22回目を数えている。出方の問題であって、量の問題ではない。逆に言えば、そこを見にいく人が増えれば、女子の育成年代は代表以外の日にも名前が出るようになる。
石田ひなは選手がポーランドで何分ピッチに立つかと同じ関心で、群馬の練習会に何人が集まり、茨城の県予選が第23回、第24回とどう続いていくのかを、県協会のページを開きながら追っていきたい。
出典: rfef.es(2026-08-30)
