国際親善マッチは、1試合では足りない。そう思うようになった理由を書きます。
セルビアのU-17代表がスロバキアと1-1で引き分けた。2027年の欧州選手権に向けた予選1次ラウンドの準備として組まれた、2試合のうちの1試合目。0-0で折り返し、52分に先に失点して、64分に追いついている。65分にはセルビア側に退場者が出た。2試合目は9月30日の午前11時、同じスタジアムで、同じスロバキアと。
3日後に、同じ相手と、同じ場所で。1試合目で65分から一人少なくなり、その状態で残り時間を戦った。そこで起きたことを、同じ相手にもう一度当てて確かめられる。1試合目が「1回目のテスト」と番号で呼ばれているのは、2回目の日付がもう決まっているからで、番号が振れるということは日程が二つで一組になっているということ。
前半1-1、後半に2つ
日本の同じ年代を見ます。清水エスパルスジュニアユースU-14がFC Barcelonaと対戦しました。8月27日19時キックオフ、会場はCiudad Deportiva Joan Gamper。結果は1-3。前半18分に篠崎凌良選手が先に決めて、20分にPKで追いつかれ、後半7分と18分に失点している。前半を1-1で折り返して、後半に2つ。
この数字だけを置くと、読む側にできるのは感想を言うことだけ。後半の入りで何が変わったのか、相手が何かを変えてきたのか、それとも走る量が落ちたのか。答えが出るのは同じ相手ともう一度当たったときで、1試合しかなければ「強度が違った」「判断が速かった」というところに収まる。海外から戻った選手の言葉が毎回似た場所に落ちるのは、相手と一度しか当たっていないからではないかと。以前遠征の報告書の書式をひと通り並べたときにも、結果とコメントは残るのに、次にいつ同じ相手とやるのかを書いた行だけが無かった。
名前の後ろに付いている言葉
この試合の名前は「Glico チャレンジツアー国際親善マッチ」。徳島ヴォルティスジュニアユースのU-14がベトナムへ行った遠征は「POCARI SWEAT × TOKUSHIMA VORTIS Football Dream Project」。頭に企業の名前が付いていることは、この年代の国際試合が代表活動の外側にも定期的に立っている証拠で、否定する話ではありません。ナショナルトレセンU-14に名前が載る人数を思えば、選抜だけで国際経験を配れるはずもない。海外に出る枠が何名ぶん用意されているかを数えたときの人数も、そう大きくはなかった。
引っかかるのは名前の後ろのほう。ツアー。プロジェクト。どちらも、出発して、やって、帰ってくるまでで一つになる言葉。行き先が海外である以上そうなるのは当たり前で、3日空けてもう一度同じ相手と、という組み方は最初から入っていないのではないかと。
清水は【育成だより】を①②③と続けて公表しています。記録のほうは連続している。連続していないのは対戦のほう。
逆算する先があるかどうか
セルビアのU-17が2試合組めているのは、予選1次ラウンドという日付が先にあって、そこから逆算しているから。準備の数は、逆算する先が何かで決まる。
日本のU-14が夏に海を渡って戻ってきたあと、次に立つのは国内の週末。この年代の子が翌年に迎えるクラブユース選手権U-15は、8月の終わりに決勝が置かれている。国内の大会からは逆算できても、8月に一度だけ当たった海外のクラブの名前は、その逆算のどこにも出てこない。
だから、1-3という点差より、1という試合数のほうが気になる。強い相手を一度見せるところまでは、企業もクラブも金を出してきた。次に値段が付くべきなのは、その3日後の1試合。
出典: fss.rs(2026-09-27)