ナショナルトレセンU-12、ナショナルトレセン女子U-14、JFA ガールズ・エイトU-12 トレセンプログラム。JFAの選手育成のページを上から順に開いていくと、こういう名前が縦に並んでいます。U-14のものもU-15のものもあって、タウンクラブと中体連のトレーニングキャンプがまた別に立っている。名前は違うのに、中でやっているのは選考と合宿。同じ形のものが、年代と性別と所属の種別の数だけ並べ直されて置かれている。
コロンビアのサッカー協会のページに、日曜の予定が一行だけ出ていました。20歳以下のフットサル男子代表が、南米の大陸大会の初戦でウルグアイと当たる。会場はベネズエラのバルキシメトにあるドモ・ボリバリアーノ、キックオフはコロンビア時間の午後3時。
目が止まったのは相手でも会場でもなく、その代表に20歳以下という線が引かれていること。サッカーの年代別代表の話の続きとしてフットサルが出てくるのではなく、フットサルという競技の側に、年齢で区切った代表と、そこが出ていく大陸の大会が最初から立っている。日本で同じものを数えるとどうなるか、と思ってさっきの並びに戻りました。
宛先が三つある
日本の場合、はっきり三つに割れているのは入口ではなく出口のほう。特別指定制度が、Jリーグ向け、なでしこリーグ向け、Fリーグ向けと、別々に置かれています。一人の選手が所属を動かさないまま上のカテゴリの公式戦に出るという同じ考え方を、男子のプロリーグ、女子のリーグ、フットサルのリーグの三方向に、それぞれ別の文書として用意してある。
これは小さいことではないと思っています。制度が一本しかなければ、その一本が想定していない競技や性別の選手は、そもそも申請する先を持たない。三つあるということは、フットサルの側にいる10代が、サッカーの制度のおまけとしてではなく、自分の競技の名前が付いた入口から上へ行けるということ。コロンビアの一行を読んで、日本にも同じ考え方の書類が三通あるのを思い出した、という順番でした。
名簿に載ることが、位置になる
トレセンの並びに戻ると、この国のやり方がもう少し見えてきます。ナショナルトレセンはU-12、U-14、U-15と年代で割れ、女子U-14が別に立ち、ガールズ・エイトU-12がさらに別に立つ。U-15はタウンクラブ・中体連という所属の種別でもう一度割られ、U-16はキャンプという名前で置かれている。
つまり日本の育成年代では、子どもがいまどこにいるかが、どの名簿に名前が載ったかで表される。どのトレセンに呼ばれたかを見れば、その子が制度の上でどの層にいるかが分かる。逆に言えば、名簿の立っていない種別にいる子は、うまいかどうかとは関係なく、制度の上での位置を持たない。中体連やタウンクラブのキャンプが別建てで立っているのは、クラブの名簿に載らない子を数えるための線を、わざわざ一本引いたということではないかと。
女子が別建てで置かれていることも、同じ読み方でいい。以前女子の大会名の頭に振られた回数を並べたときにも思いましたが、別建てで用意されるというのは、後から追いかけて同じ形を一つずつ作ってきたということでもある。作られた順番が、名前の中に残っている。
複製は速いが、行き来は書かれない
同じ形を必要な数だけ複製していくやり方は、進みが速い。一つ雛形ができれば、女子にもフットサルにも中体連にも同じものを置ける。日本がこの十数年やってきたのは、新しい思想を持ち込むことよりも、うまくいった書式を横に増やすことだった。
ただ、複製で増えるのは箱の数であって、箱と箱の間の道ではない。三通に分かれた特別指定の書類は、それぞれの中でなら手続きが完結する。けれどサッカーのトレセンに名前が載っている中学生が、フットサルの側の入口をどう使えるのか、あるいはその逆は、別々に立った文書を一枚ずつ読んでも出てこない。一人の子どもは一人しかいないのに、その子を載せる名簿は競技と性別と所属の数だけある。
南米の大陸大会に20歳以下のフットサル代表が出ていくという一行を、日本の側から読み直すなら、注目すべきは代表の強さではなく、その競技に年齢の線が引かれていること自体だと思う。線が引かれているところには名簿ができ、名簿ができると、そこにいる子の位置が外から見えるようになる。
次に開くのは、Fリーグ向けの特別指定で名前が出た選手の所属欄で、そこに中学や高校のサッカー部が並ぶのか、フットサルのクラブが並ぶのかを見れば、三本目の入口が子どもの側まで届いているかが分かる。
出典: fcf.com.co(2026-09-27)