メニュー 閉じる

堂安律が日本サッカーの中心となる可能性


ガンバ大阪ファン、育成年代の指導者やコアなサッカーファンであれば、すでに日本の至宝となり得る選手「堂安律」をご存知だろう。


初めて堂安のプレーを見たのは2014年12月23日に行われた「2014Jユースカップ 第22回Jリーグユース選手権大会」の決勝戦である。


テレビで見た彼の印象は、正直「⁈」であった。120分の試合で実力を出し切れていなかったように思えたからだ。


それもそのはず、今思えば18歳のカテゴリーで頂上決戦をしている試合に16歳で出場していたからだ。


堂安律とは

1998年6月19日生まれの彼は、育成時代は西宮SSからガンバ大阪ジュニアユース、ガンバ大阪ユースという経歴である。


ジュニアユース時代ではU-15年代で史上初となる、「JFAプレミアカップ」「日本クラブユースサッカー選手権」「 高円宮杯全日本ユース選手権」の全国3冠を達成しており、代表歴もU-16日本代表で頭角を現してからは、U-17,18,19と順調に選出されている。


U-16では左サイドバックとして出場した記録があるようだが、基本的なポジションは攻撃的MFであり、ドリブル、パス、シュートのどの能力も持ち合わせたレフティである。


レフティ特有である独特の感覚を持ち合わせているが、どちらかと言うと「剛」と表現出来そうな選手である。すなわち、フィジカルが強いことがプレーを見ていてうかがえる。


似たような選手を探すとするならば、同じガンバ大阪ユースの出身で、現在大宮アルディージャに所属している家長昭博のようなスタイルだろうか。


17歳になる2015年にトップチームに2種登録され、強化合宿にも参加している。その勢いは衰えることなく、同年4月7日のACLブリーラム戦では初のベンチ入りを果たし、5月27日のACL決勝トーナメント1回戦では、FCソウル戦で16歳344日で公式戦デビューを果たした。


記録はまだまだ更新され、6月3日のJ1第10節の鹿島アントラーズ戦で、先輩である宇佐美貴史の記録を塗り替える16歳11カ月18日でのクラブ史上最年少リーグ戦デビューを果たした。長谷川健太監督からも「戦力」とみられている。


クラブに所属する選手や監督の去就が注目される11月には、2016年シーズンからのトップチーム昇格内定が発表されており、この飛び級でのトップチーム昇格は、稲本潤一、新井場徹、家長昭博、宇佐美貴史、井手口陽介以来の6人目となった。


家長昭博のリベンジと考える

決して家長昭博が失敗というわけではない。むしろ、いまでも日本代表の中心として活躍すべき選手だと考えており、どちらかと言うとガンバ大阪を含めた日本サッカー界全体が日本サッカーの至宝の育て方について、改めてリベンジする機会だと考えている。


言ってしまうと、家長昭博は本物のサッカー選手であったが、彼を取り巻く指導者やサッカー環境=「育て方」は失敗だったと見ている。


堂安律がどのような選手になるかは、本当にこれからの育て方にょって大きく変わってくるだろう。


これまでの育成年代で培ってきた彼のサッカー感は、すでに育成年代においては、教える側よりも教わる側の方が結果的に優っていると言える。


ただ、17歳の彼にとって、もう1つ上のカテゴリー(プロ)であれば、また成長する環境が整うはずだ。なぜなら、周りは全員アマチュアであるユース選手に囲まれているのではなく、プロフェッショナルとして日本を代表する選手も中に入るからだ。


彼らから何を学び何を吸収するかは堂安律の個人が感じることに任せればいい。しかし、彼のプレーする環境はまだ自分一人でのし上がれるほどではないがために、周りがどのようにしてベースと階段を用意することができるかが焦点だ。


登る力はある。しかし、登れない状況であればどうしようもない。


家長昭博のリベンジは必ず返したい。堂安律に日本のサッカーを背負うキャパがあるかどうかは別問題だが、誰もが認めるポテンシャルを活かせるような環境作りをしてほしい。


2回目の観戦で感じた堂安律

堂安律のプレーを生で見た。舞台はJ3で突風が吹き荒れる中での試合観戦だった。風がプレーに影響していたのは間違いない。


一言で言うと「剛」。聞いていた、見ていた、テレビで見て思ったよりも、はるかに大きく見えた。


ガンバ大阪が発表している公式プロフィールの中では、身長が172cm、体重が70kgとなっている。


ただ、フィジカルが強いのにも関わらず、相手の激しいコンタクトに対し、意外と簡単に倒れていた場面が何度かあった。


おそらく、あの身体つきを遠くから見る限りでは、フィジカルの強さで言うとJリーグの中でもそこそこの位置につくだろう。


ただ、本人がコンタクトに対し倒れない、倒れたくないといった意識がなければ、もちろん倒されてしまう。踏ん張りすぎると前十字靭帯や後十字靭帯をいわしてしまうが、いわさないためのスキルを身につける必要がある。


次に堂安律のプレーを生で観る機会があれば、是非その倒れない堂安律に期待したい。

こちらもおすすめ