小学生のサッカー練習メニューは、学年によって適切な時間・人数・ねらいが変わる。日本サッカー協会(JFA)はキッズプログラムとガイドラインで、年代ごとの練習時間や試合形式の目安を示している。ここでは公開資料に基づく数値と方針を一覧にまとめ、現場で組み立てる際の判断材料として整理する。
年代別の練習時間・人数の目安
まず押さえるのが1回あたりの練習時間と休憩の頻度、そして試合形式の人数である。低学年ほど短時間・少人数が基本になる。
| 学年区分 | 推奨プレー人数/試合形式 | 1回あたりの練習時間 | 休憩の目安 |
|---|---|---|---|
| U-6・U-8 | 4対4等のミニサッカーを推奨 | 45〜60分程度(休憩を含む) | 15分に1回は休憩・水分補給 |
| U-10 | (U-8と同様の少人数制ゲームが基本) | 60〜90分程度(休憩を含む) | 15分に1回は休憩・水分補給 |
| U-12 | 8人制(8対8)サッカーを推奨 | (JFA公式資料に時間の明記なし) | (JFA公式資料に明記なし) |
出典:静岡県サッカー協会「JFAキッズ(U-8)ハンドブック」 https://www.shizuoka-fa.com/old/pdf/kids_u8.pdf / 日本サッカー協会「ガイドライン」 https://www.jfa.jp/documents/guideline/
練習頻度の考え方
同資料では練習は週1〜2回とし、U-6・U-8は休憩を含め1回45〜60分程度、U-10は1回60〜90分程度までとされている。15分に1回の休憩・水分補給を挟む前提で、メニューは短く区切って設計すると資料の目安に収まりやすい。
| 項目 | U-6・U-8 | U-10 |
|---|---|---|
| 練習頻度 | 週1〜2回 | 週1〜2回 |
| 1回の上限目安 | 45〜60分程度 | 60〜90分程度 |
| 休憩の挿入 | 15分に1回 | 15分に1回 |
| 推奨する試合形式 | 4対4等のミニサッカー | 少人数制ゲーム |
出典:静岡県サッカー協会「JFAキッズ(U-8)ハンドブック」 https://www.shizuoka-fa.com/old/pdf/kids_u8.pdf
年代別の指導方針・ねらい
メニューの中身を決める前に、その年代で何を優先するかが決まっている。JFAの資料では段階ごとにテーマが整理されている。
| 学年区分 | 方針・ねらい |
|---|---|
| U-6(6歳以下) | サッカーをやってみよう!の段階として、大人のサポートのもとでボールに親しむことを重視 |
| U-8・U-10 | 「サッカーを楽しもう!」を掲げ、8歳以下・10歳以下それぞれの発達段階に応じたトレーニングのポイントを提示 |
| U-12以下共通 | 試合でのグリーンカード使用を推奨し、フェアプレーを促進 |
| U-12 | スキルのより効果的な習得のために8対8を推奨し、一人ひとりがボールに触れる回数・プレーに関わる回数を増やすことを重視 |
| U-12以下共通 | 限られた人数だけでなく多くの選手に出場機会を与え、日頃のトレーニングで力を伸ばすことを重視 |
| U-12 | 育成の土台として重要な年代と位置づけ、年間を通じたリーグ戦を軸とする8人制サッカーへ移行 |
出典:日本サッカー協会「U-6」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/u6.pdf /「U-8・U-10」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/u8u10.pdf /「ガイドライン」 https://www.jfa.jp/documents/guideline/ /「8人制サッカー」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/8system.pdf
方針から読み取れるメニュー設計の優先順位
- U-6はボールに親しむ時間を確保し、大人が補助する形で進める。
- U-8・U-10は「楽しもう!」が軸で、発達段階に合わせたトレーニングポイントが置かれている。
- U-12は8対8を前提に、ボールタッチ数とプレー関与回数が増える設定を選ぶ。
- 全年代で、一部の選手に偏らず多くの選手が力を伸ばせる構成にする。
練習メニュー例
年代とねらいが対応した具体例を挙げる。人数と用具が決まっていると、限られた練習時間でも回転よく進められる。
| メニュー名 | 対象年齢 | ねらい | 実施人数 | 用具 |
|---|---|---|---|---|
| 運べ運べ | 8〜10歳(U-8〜U-10) | バランス能力・反応能力 | 3〜5人のグループでリレー形式 | ボール3個、フラフープ |
出典:ジュニアサッカーを応援しよう! https://jr-soccer.jp/2019/10/04/post115650/
練習時間への当てはめ
U-8であれば1回45〜60分程度、U-10であれば60〜90分程度という枠の中に、15分ごとの休憩を挟みながらメニューを配置する。3〜5人のグループで行うリレー形式は待ち時間が短く、ボールに触れる回数を増やすというU-12の方針とも方向性が一致する。
制度・形式の背景
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キッズプログラム | 2003年度より開始し、U-6・U-8・U-10の子どもたちに良い環境・良い指導を提供するためのガイドラインを提示 |
| 8人制サッカー | U-12年代主催大会が8人制へ移行し、年間を通したリーグ戦を基軸とする改革が行われている |
| グリーンカード | U-12以下の試合で使用を推奨し、フェアプレーを促進 |
出典:日本サッカー協会「トレーニングシステム」 https://www.jfa.jp/youth_development/elite_programme/training_system.html /「8人制サッカー」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/8system.pdf /「U-8・U-10」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/u8u10.pdf
学年別の組み立て早見
| 学年区分 | 試合形式 | 時間の目安 | 中心テーマ |
|---|---|---|---|
| U-6 | 4対4等のミニサッカー | 45〜60分程度 | ボールに親しむ |
| U-8 | 4対4等のミニサッカー | 45〜60分程度 | サッカーを楽しもう! |
| U-10 | 少人数制ゲーム | 60〜90分程度 | サッカーを楽しもう! |
| U-12 | 8人制(8対8) | — | ボールに触れる回数・プレー関与の増加 |
出典:静岡県サッカー協会「JFAキッズ(U-8)ハンドブック」 https://www.shizuoka-fa.com/old/pdf/kids_u8.pdf / 日本サッカー協会「ガイドライン」 https://www.jfa.jp/documents/guideline/ /「U-6」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/u6.pdf /「U-8・U-10」 https://www.jfa.jp/youth_development/players_first/pdf/u8u10.pdf
記録の残し方
週1〜2回という頻度のなかで、どのメニューを何分行い、誰がどれだけプレーに関わったかを残しておくと、多くの選手の力を伸ばすという方針を実際の配分で確認できる。練習計画と実施記録をまとめて管理する機能ページは https://newji.jp/features/practice-management/ から確認できる。