サッカー界で交渉力を高める方法「基本概念編」の続編です。
皆さんこんにちこんばんは。「進化系サッカーメディアNEWJI」の立案者ryujinです。大江戸線と長堀鶴見緑地線の車両はなぜあんなに狭いのか気になっています。
説得方法には5つの簡単なテクニックがあります。交渉は2人以上の当事者が互いに異なる立場から合意できるポイントまで動くプロセスだと「基本概念編」で述べました。
交渉で大きな成果を出すためにも、是非5つのテクニックを覚えてください。交渉の実践でも、一度頭の片隅に入れておけば、いざと言う時に使えるかもしれません。
5つの説得テクニック
今からちょいと論ずること…
▼説得法の5つのテクニック
▼まず感情でアピールしまくる
▼感性価値と知性価値
▼「感情」と「論理」の組み合わせが最強で最高
▼味方になる方が有利、敵になる必要は全くない
▼まずは自分の論理主張から
▼データに語らせる
▼威嚇を使う場合は遠まわしに
▼実行する覚悟がない威嚇は使うべからず
▼ 手持ちカード
▼多くのカードを用意する
▼良い駆け引き
▼価値の相関関係
▼後出しジャンケン
▼フリンチ
▼相手への対応
▼我慢する必要はない
▼最後の手段
うん、完全にちょいとではない。
離脱する方は離脱した方がいいが、向上心ある選手・指導者・クラブの方は一読した方がいい。学んで悪いことはないはずです。
▼説得法の5つのテクニック
一方通行のアクション
①感情・情動
②論理
③威嚇
双方向のアクション
④駆引き
⑤妥協
説得する方法として、上記のように5つのテクニックがあります。
それぞれどんな感じなんか見て行きましょう。
▼まず感情でアピールしまくる【感情・情動】
感性価値は少量でも確かな効果を発揮する。感性価値を活用しない手はない
感性価値とはなんや…?
例えば、実績や経験、知識やノウハウ、ブランドや誠意、やる気に努力に向上心、人徳かもしらんし人脈かもしらん。可能性でもいい。下でその定義を述べますが、要するにあなたのバックボーンを活用しない手はないということ。
とにかく使えるもんは使っとけ精神で交渉に臨むべし。(特に初対面の)相手には何が響くか分からないから。
▼感性価値と知性価値【感情・情動】
感性価値=金額換算が難しいもの
知性価値=客観的に見て金額換算できるもの
そのまんまです。サッカー界で言うと、その殆どが感性価値となるでしょう。Jクラブが販売しているグッズなどは知性価値と言うことができます。選手が育ってきた環境や経歴は感性価値と言えるでしょう。
▼「感情」と「論理」の組み合わせが最強で最高【感情・情動】
協力してもらうのには感情が必要
理解してもらうのには論理が必要
要は感情だけでモノ言うててもあきませんよ、論理だけでモノ言うててもあきませんよ。ということ。交渉にはこの感情+論理の2つを組み合わせるのが最強で最高です。
▼味方になる方が有利、敵になる必要は全くない【感情・情動】
人間には返報性がある
味方には行為の返報性を、
敵には悪意の返報性を返すもの
味方には理解とサポートを期待できるが、敵からは痛手を受けることがありますよね。だから、交渉相手とは味方になる方が得なのです。
▼まずは自分の論理主張から【論理】
先手必勝
※但し、後に論ずるフェーズによる
まず自ら論理立てて話すことで、そこには事由・事情・原因・根拠がついてきます。そういった「理由」があれば、相手は主張や要望をしづらくなります。
▼データに語らせる【論理】
自分の正当性を主張するには、データに語らせる
クラブがスポンサーを獲得するには、おそらく企業の広報担当が窓口からの、その企業が持っている広告費を動かせる(決定権のある)部署にアプローチすることでしょう。
はっきりいって、その部署で働いている方々が採用を決定する根拠はデータです。そしてむしろ、データがなければ判断すらつきません。逆に(良質な)データがあればJ3でも大学クラブでもスポンサーは取れるのです。データに語らせることで、相手は喰いつくのは間違いありません。
そして、彼らも社内の決済(上層部のおじいちゃん連中)を受けるには根拠となるデータが必要なのです。彼らが承認を受けやすいようなデータを用意してあげることが一番です。
▼威嚇を使う場合は遠まわしに【威嚇】
優秀な交渉者は威嚇と思われるような使い方はしない
例え話や感情と組み合わせることで、遠まわしに使うことができます。間違っても自分の生真面目さが前面に出過ぎて直球勝負をしてはなりませぬ。
日本人で威嚇を使うのは裏の方か弁護士ぐらいでしょうが、海外では当たり前に使ってきます。まずボーン!と威嚇してから相手がひるんだところを、グイグイ攻めてくる感じです。日本人が相手ならば、オブラートに包んだ状態で威嚇することが効果的です。
▼実行する覚悟がない威嚇は使うべからず【威嚇】
立ち去られて後の祭りになるな
もし自ら威嚇を実行するという場面に遭遇したら、本当に実行する覚悟がない限り使わない方がいい。威嚇をすることで、相手は立ち去る可能性の方が十分高いと考えれられるからである。そうなると、交渉そのものが決裂することになるのです。
▼ 手持ちカード【駆引き】
交渉は時にGive&Take。Giveできるだけのネタが必要
交換条件で交渉が固まることはしばしばあります。しかし、手元に交換するカードが無ければ元も子もありません。
▼多くのカードを用意する【駆引き】
カードをより多く用意した方が交渉の成果が大きくなる
絶対に譲れない戦いがそこにはあるかもしれませんが、実は絶対に譲れる戦いもあるのです。自分には価値のないものでも相手にとっては非常に価値の高いものかもしれません。
今までそっぽ向いていた監督に、「自分、実はFK10回蹴れば8回は決める自信があります」と言った瞬間に興味を示すことでしょう。とりあえずベンチの座は奪うことができるかもしれません。
サッカー選手のカード
身長/利き足/ポジションのユーティリティー/空中戦/足の速さ/ボディーバランス/セットプレー/コーチング/視野の広さ/パススピード/自信/プレーの正確さ/言語数/ドリブルなどなど
サッカー指導者のカード
サッカーの理解度/経験/フォーメーションの多様性/危機管理能力/リーダーシップ/カリスマ性/決断力/忍耐力/言語数などなど
考えればカードは結構でてくるもんです。
▼良い駆け引き【駆引き】
その小柄なボディーを有効に使っています。
自分にとって価値の低い、手間やコストのかからないものを与えつつ、本当に勝ち取りたいものを得ることが、いい駆引き、すなわちいい合意ができたと言えます。
なので、あなたにとっては価値のないモノが、交渉相手をねじ伏せる驚きの決定打になる可能性もあるので、とにかく自分が持っているカードは過小評価せぬように。
▼価値の相関関係【駆引き】
価値は同じではない
自分には大きい価値でも相手には価値かもしれません。その逆もしかりです。身長が低いからといって嘆く必要はありません。あのメッシも低いです。むしろ、その小柄なボディーを有効に使っています。※あんまり例えになっていないが悪しからず…
▼後出しジャンケン【駆引き】
相手に言わせる
自分から何かを提示することは、それ以上(場合によってはそれ以下)のことを放棄しているようなものです。
例えば、競技場内の広告看板を販売する商談の中で、値段を決める交渉の場で…
あなたは営業マンだとした場合。
営業「この場所の看板は露出が多いので300万でどうでしょうか?」
この時点であなたは300万円以上で売ることを放棄しています。本来であれば500万で売りたいところですよね。
営業「この場所の看板は露出が多いので、いくらなら購入してくれますでしょうか?」
スポンサー「うーん、300万かな。」
この時点で300万円以下で売ることはなくなりました。後は値段を釣り上げていくのみです。
▼フリンチ【駆引き】
提示された金額や条件にショックを受けたような表情や動作
所謂、「No」のメッセージを言葉ではなく表現する手法。大阪人であれば自然と大げさなリアクションを取ることは習得しているでしょうが、頭を抱えるもよし、天を仰ぐもよし、急にポルトガル語を話すもよし、相手に「No」のメッセージを伝えるリアクションをしましょう。
▼相手への対応【駆引き】
提示された金額や条件でフリンチとサンク&バンクを使い分ける
想定外やリスクを負いそうな場合はフリンチで対応し、次なる手を考える時間を少し稼ぐ。配慮のある条件であった場合、一旦感謝してちょっと間を置いてから更なる手を加える。
▼我慢する必要はない【妥協】
性急に妥協しない。最初から半分で我慢する必要はない
相手にも主張・要望があるはずです。でなければ自分の主張・要望が100%通るでしょう。最初からあなたの要望と相手の要望の中間点で折り合いをつける必要はありません。
半分半分で折り合いをつけ、手っ取り早く交渉を終わらせることで、これまでの活動や今後の活動に支障が少なからずでるかもしれません。そもそも、そんな簡単に終わらせてしまうことで、後々双方どちらも結果に不満を感じることでしょう。
▼最後の手段【妥協】
最後の手段として妥協を使う
最初から妥協するなんてナンセンスです。合意に至るまでに自分の主張や要望をどれだけ通すことができるか、その成果の大小は今後の活動に大きく影響してきます。
まずは、感情と論理で、次に遠回しの威嚇、駆引きを経て交渉が決裂しそうであるならば、妥協をしても合意に至ることも選択肢の一つになる。
妥協して交渉を成立させることなんて誰でもできるのです。あなた(モノ)に価値はありますか?さすがに0円ではないでしょう。ありとあらゆる手段を活用しない手はありません。