相手のフォーメーションを把握して、自分に与えられたポジションの役割を全うできれば、自分たちのフォーメーションはなんでもいいのかなと。
最近はどうやら攻守でフォーメーションを変えるクラブが増えているらしく、選手は今までよりも戦術理解力を求められる時代になってきています。
監督の言うことがそもそも理解できなければ選手として淘汰されることが、より顕著になってきたような感覚です。
ブラジル代表のフォーメーションについて
ブラジル代表は最近でこそ4-2-3-1をネイマール中心で展開するようになりましたが、どちらかと言うと昔からずっと4-4-2のフォーメーションを採用し、両サイドバックがやたらと攻撃参加しているような印象ではないでしょうか。
いつの時代が全盛期か分かりませんが、ロベルトカルロスが左サイドバックでカフーが右サイドバックの時は、見ていて非常に面白いサッカーをしていたように思います。
両サイドバックである彼らは、とにかく攻撃の時には最前線にまで顔を出しており、もはやサイドバックではないではないかと言いたくなるような、そんな超攻撃的なサイドバックでした。
今思えば、当時のブラジル代表は4-4-2だと言う固定概念があっただけで、実は攻撃時にフォーメーションを巧みに変えていたのかもしれません。
もしくは、状況や時間帯によっても変えていたかもしれません。
むしろ自分の中で最近「攻守でフォーメーションを変える」ことが流行っていること(流行りかけている?)と聞いていなければ、今でも頭の中は4-4-2のブラジル代表から変わることはありませんでした。変えているかもしれないと言う疑問すら生まれなかったかもしれません。
頭の中の考えを柔らかくすることが如何に大事か、物事を違う角度から見ることの大事さを、改めて痛感させられました。
フォーメーションを理解する力と意図を読み解く力
監督はなぜそのフォーメーションを使っているのか考えたことはあるでしょうか。
相手や選手を見てフォーメーションを使い分けれるような育成年代の指導者はごく僅かかもしれません。
しかし、同時にそのフォーメーションを使っている意図を理解し、求められていることを十分にアウトプットできる選手も多くはありません。
フォーメーションの変化で自分がどのようなプレーをするべきか、そして与えられた役割と求められている仕事をきっちり全うできるか。
4-4-2であれば何をすべきか、4-2-3-1では何をすべきか、3-5-2では何をすべきか。フォーメーションが変わることで自分の役割も変わるのはもちろん、監督によって同じフォーメーションを使ったとしても求められることは違うかもしれません。
また、ポジションが変われば求められることが変わることは言うまでもありません。
そのようなことを考えると、フォーメーションを理解する力、監督が意図することを読み解く力がなければ、いずれスタメンから外され、気がつけばスタンドで自分のクラブを応援しているかもしれません。
逆に、上記の2つの力があれば、実はフォーメーションなんてそこまで気にすることもないかもしれません。
フォーメーションはサッカーの目的を果たすための1つの手段であり、攻撃はゴール、守備はゴールを守る、その2つの目的を果たすためにしかれた1つの手段なのです。
そもそも、フォーメーションを理解する前に、サッカーの目的を理解しなければ始まらないのです。
外国語の壁をブチ破る
宇佐美貴史がドイツで大きく成功していない理由として、言葉の壁がありました。
初めてのベンチ外、レンタル移籍と、彼自身が味わった屈辱を忘れていなければ、おそらく今頃彼は英語もしくはドイツ語を達者に操ることができているでしょう。
日本で海外の監督を経験することは多くありませんが、もし自分が海外へ出てサッカーをするならば、そのほとんどの監督は自分から見て外国人でしょう。
日本であろうが海外であろうが、対話する相手が外国人であれば、コミュニケーションツールとして、どちらか一方がどちらかの言語、もしくは世界共通語としての英語を使って互いの理解を深めなければなりません。
通訳がいるからいいやなんて言っているような助っ人は、エムボマのような規格外の選手か、ドゥンガのような相手を蹴散らすことができる強烈なリーダーシップを持った選手でしかないでしょう。
そのどちらもズバ抜けたサッカーの才能があるからこそ、言葉の壁をもぶち壊すことが可能なのです。
サッカーはフィーリングだ、感覚でやるものだ、本能には逆らえないと言っているような選手はすでに自分一人では抜けることのできない暗闇で彷徨っているのかもしれません。
一度、そのようなふざけた概念を捨て、暗闇から抜け出すためにも、近くの居酒屋でアルバイトもしくはボランティアで働くことをお勧めします。
サッカーの目的をブレることなく持ち続け、与えられたフォーメーションの役割を深く理解し、監督の意図する奥の奥まで読み解く力があって、初めてグローバルに活躍出来る選手へと成長できる可能性があることを知るまで、お皿洗いをしながら酔っ払い相手に働き続けてください。