サッカー界ではFIFA主催の大会であるFIFAクラブワールドカップ2012の、サンフレッチェ広島vsオークランド・シティで、ゴールラインテクノロジー(ゴール判定システム)が初めて使用されました。
現在FIFAでは、ゴールラインテクノロジーの「ホークアイ(Hawk-Eye)」「ゴールレフ(GoalRef)」「カイロス(Cairos)」「ゴールコントロール4D(GoalControl-4D)」の4つを採用しています。
最後に判断するのは紛れもなくその試合の審判ですが、近年こうした最新技術によりサッカー界が変わろうとしています。
本日は、サッカー界で最新技術はどのような技術があるかを把握し、その技術を駆使して自身のサッカーを分析し、サッカー選手としての能力を高めることについて考えたいと思います。
Jリーグトラッキングシステム
意識の低いJリーがーからしたら非常に迷惑な話かもしれませんが、意識の高いJリーガーからすれば、こんなサービスは使わなければ勿体無いぐらいに思うでしょう。
2015シーズンのJリーグでは、リアルタイムトラッキング動画や選手の動きをアニメーション化するJリーグトラッキングシステムが導入されました。
このシステムにより、チームのデータとして、得点・ボール支配率・走行距離・スプリント回数などがデータで取得することが可能になります。
また、選手の個人データとして、トップスピード・走行距離・スプリント回数・フィールド上のヒートマップなどがデータで取得できるようになりました。
スプリントの回数とありますが、スプリントの定義としては、時速24キロメートル以上の走りのことを指し、50メートル走に換算すると、約7.5秒ぐらいの速さとなります。
Jリーグメディアプロモーションとデータスタジアムが協働で導入したこのサービスは、最新技術を使ったサッカー界における革命サービスと言っても過言ではありません。
サッカーの仕事がそこにはある、サッカーに関わる会社を大公開でデースタジアムさんを取り上げていなかったので、こちらで勝手にご紹介。
株式会社データスタジアム
東京都世田谷区三宿1-13-1 東映三宿ビル
https://www.datastadium.co.jp/
Jリーグトラッキングシステムでは、以下のようなデータを誰でも閲覧することができるようになっています。
2015年6月7日16:03KO
J1 1stステージ第15節
等々力陸上競技場
川崎フロンターレvs湘南ベルマーレ
出典:http://www.jleague.jp/
そもそも、このJリーグトラッキングシステムを導入した目的として、Jリーグは以下のように定めています。
Jリーグ全体の競技力の向上(クラブの戦力分析・強化・育成、審判の技術や規律の向上)
試合中継、ニュース番組、Webコンテンツ等ファン・サポーター向けサービス(観戦方法)の拡充
参考:http://www.jleague.jp/
なるほどですね。確かに競技者にとって、こんなデータを取得できて分析にいかせるならば、これ以上ないサービスであり、自クラブだけでなく相手クラブも丸裸状態となるわけですか。
そんなサービスがアマチュアの世界でもあれば…
EAGLE EYE
株式会社アップパフォーマ
京都市下京区烏丸仏光寺下ル 大政所町680番地1
http://www.upperforma.com
そうなんです。実はアマチュア向けのトラッキングシステムはサッカー界に現れようとしているのです。
以前から注目していたサービスですが、社長はもともと野球人とのことで、当初は野球に関するサービスを展開しようとした様子。しかし、ビジネス上サッカーの方が可能性があるとしてサッカーを選択したようです。
アマチュアのサッカークラブを対象とし、Jリーグトラッキングシステムとほぼ同等と言っても過言ではなく、選手の動きを感知・分析し、フィールド上での動きを可視化することができるそうです。
そして、まさに今、2015年7月〜9月を目処に、開発が終わり次第クラウドファンディングに出し、本格参入するようです。
販売価格予想としては、本体一個15,000円程度で購入することができ、データ解析などに月額800円ぐらいのランニングの料金設定を予定しているようです。
近い将来、本体を無料提供することも考えているようです。
ただし、まずはサッカーが世界で一番熱いヨーロッパからの販売、そしてアメリカの西海岸、そして言うてる間に国内販売へと落とし込む戦略があるようです。
また、アップパフォーマの山田社長はFC今治の岡田監督と面識があるようです。ですので、国内ではFC今治でのテストマーケティングなども考えられます。
トラッキングして戦略を立てねば意味がない
トラッキングシステムは一体何のために導入するのでしょうか。
日本サッカー界ではJリーグがシステムを導入することによって、所属する全てのクラブがデータを利用できるだけでなく、導入の目的の通り、ファンやサポーター目線からでも、新しいサッカーの楽しみ方を提供することができているのではないでしょうか。
一方、データの元となる選手の目線で考えると、自分のデータはどのような数値かを知ることができます。
自分はJリーグ全体の中で比較した時、どれぐらいのポジションに位置するのかが明確になり、これもまた自分のサッカーにいかさずにはいられません。
ただ、データを見て「もう少し走らねばなら…」「左サイドに流れなければ…」
こんな分析をする選手もいるかもしれません。しかし、そこで終わっていては分析もクソもありません。
その先に何があるのか、その先にどんな戦略を立てるのか、クラブでも選手でもデータと触れるのであれば、その先をどうするかを明確にする必要があります。
そうでなければ、単なる傍観者と同じで、折角のデータを利用する機会を損失しているとしか思えません。
NEWJIでは、WEBとマーケティングを駆使してサッカーに貢献できるよう努めていますが、サッカーで成長するプロセスは一般社会やビジネスで用いられるマーケティング戦略によく似ていると考えています。
マーケティングの基本プロセスは、分からないことを可視化して、課題を整理することです。さらに、その課題を整理し、対策を考えると、それが戦略となるのです。
サッカー界も様々なところで日進月歩の最新技術が採用されています。まずは自分の能力を可視化することから始めてみてはいかがでしょうか。