効果絶大!ハーフタイムの過ごし方


ハーフタイムの過ごし方は、選手それぞれ違います。

たいていの選手は、水分を補給し、ストレッチやマッサージを受けるなど、前半で消耗した身体を回復させながら、監督やコーチの指示を受けて後半に備えます。ガンバ大阪時代の遠藤保仁がハーフタイムにシャワーを浴びてリフレッシュしていたことは、サッカー人の間では有名な話です。

けれど、ハーフタイムが実際に何分あるのか、競技規則でどう定められているのかを正確に知っている選手は、意外と少ないものです。

ハーフタイムとは?何分あるのか

サッカーの競技規則第7条2項では、ハーフタイムのインターバルについて次のように定められています。

競技者には、15分間を超えない範囲でハーフタイムのインターバルを取る権利がある。延長戦のハーフタイムのインターバルでは、短時間(1分間を超えるべきではない)の水分補給時間を取ることが認められる。競技会規定には、ハーフタイムのインターバル時間を規定し、それは主審の承認があった場合にのみ変更できる。出典: JFA サッカー競技規則2025/26 第7条2項

つまりハーフタイムは「最大15分」。大会規定によってはもっと短く設定されることもあります。

ただし、実際に選手が自由に使える時間は15分より短いのが現実です。ピッチからロッカールームへの移動、監督からの指示、後半に向けたウォーミングアップを差し引くと、自分のために使える時間は数分程度。この限られた時間をどう使うかが、後半のパフォーマンスを大きく左右します。

なお、かつて公式戦の交代枠は3人が主流でしたが、現在の競技規則では5人交代制が正式なルールになっています(同競技規則第3条2項)。各チームは通常45分×2の間に最大3回まで交代の機会を使えますが、ハーフタイムでの交代はこの3回のカウントに含まれず、追加で行うことができます。とはいえ11人中6人以上は90分間戦い続けるわけで、ハーフタイムでの回復の重要性は変わりません。

体力の回復を重視する

まず、消耗した体力の回復が必須です。ただベンチに腰掛けて休憩しているだけでは、限られた時間内で体力を戻すことはできません。

基本は3つです。1つ目は水分と電解質の補給。前半で失った汗の分を、水やスポーツドリンクでこまめに補います。2つ目は糖質の補給。後半のエネルギー源として、バナナ、エネルギーゼリー、スポーツドリンクなどで吸収の速い糖質を摂るのが定番です。3つ目は身体を冷やし固めないこと。軽いストレッチで筋肉の張りをほぐし、後半開始前には再度身体を温め直してからピッチに戻ります。

季節への対応も忘れてはいけません。夏場は氷や冷たいタオルで首筋や脇を冷やして深部体温を下げることが後半のパフォーマンス維持に直結しますし、冬場は逆に、身体を冷やさないように上着を羽織って保温するのが基本です。また、興奮して頭に血が上っているときほど、水分を摂りながら一度深呼吸して心拍を落ち着ける。身体だけでなく頭をクールダウンさせることも、ハーフタイムの大事な仕事です。

昔ながらのユニークな回復法たち

回復法には、酸素吸入、アミノ酸ドリンク、蜂蜜レモン、泡玉(シュワシュワするアメ)といった昔ながらのユニークなものもあります。蜂蜜レモンの丸かじりは今も部活の風物詩ですし、試合前と同じ味のアメをハーフタイムに頬張ってリラックス状態を思い出す、という自己暗示めいた方法にも一定の理はあります。ただし食べ過ぎは禁物です。レモンを男気で丸かじりした先輩が試合中にトイレへ駆け込んだのを、筆者は見たことがあります。

前半にできていないことを確認する

試合が始まると、試合前のミーティングで確認したことができていなかったり、頭から抜けてしまったりすることがあります。緊張やストレスを感じているときはなおさらです。ハーフタイムは、それを立て直す唯一のまとまった時間です。

マークの確認

相手の出場選手やフォーメーションが事前の想定と違うことは多々あります。マークが浮いてしまうことや、セットプレーで相手をフリーにしてしまうことは、失点に直結します。基本的には試合中に選手同士で解決することが望ましいですが、ハーフタイムでより細かくマークの確認をすることが求められます。逆に言えば、自分たちの配置やフォーメーションを変更することで、相手を混乱させることもできます。

セットプレーの確認

特に、攻撃セットプレー時の守備の確認が重要です。セットプレー後のカウンターは、どんな国のどんなクラブでも失点パターンの定番だからです。フリーキックやコーナーキックでは、守備の要となる長身の選手が攻撃参加します。その間の守備は普段より脆くなっているため、誰が残り、カウンターの一本目を誰が潰すかを整理しておく必要があります。守備側から見れば、相手のセットプレーこそ最大のチャンスに変えられる場面でもあります。

プレッシングの位置を確認

プレッシングをかける位置、ファーストディフェンスを仕掛ける位置は、チームのレベルや相手との力関係で変わります。相手が格上なのに高い位置からプレッシングをかけると、簡単にかわされてディフェンスラインの裏を使われてしまいます。逆に、押し込まれ続けているなら、プレスの開始位置を下げてブロックを固め直すのも選択肢です。前半の45分でうまくいかなかったなら、その位置設定をハーフタイムに再確認しましょう。

相手の弱点を確認

どんなに良いチームにも、スタメンやポジションのどこかに必ず弱点があります。前半のうちに相手のウィークポイントを見つけられていれば、後半はそこを起点に攻めるだけでチャンスの回数が増えます。ハーフタイムに「どこを突くか」をチームで共有できているかどうかが、後半の攻撃の質を決めます。

サッカーの目的を思い出す

相手との実力差を感じているわけでもないのに、一向にゴールを奪えなかった経験はありませんか。そういうときこそ、ハーフタイムに原点へ戻ります。サッカーの目的はゴールを奪うこと。そのためにはシュートを打たなくてはいけません。前半のシュート数を思い返してみてください。

10本以上打てているなら、足りないのは精度です。後半はコースを狙うことを意識してゴールを目指しましょう。5本前後なら、まだシュート数が足りません。アタッキングゾーンでプレーする回数を増やし、まず打つこと。ほとんど打てていないなら、ボールを持ちすぎているか、シュートの意識そのものが薄れています。「最後はゴールを奪う」という共通認識をハーフタイムで取り戻しましょう。

身体を張った競り合いで後半に勝ちたい方は、フィジカルコンタクトの基準と当たり負けしない身体の使い方の記事もあわせてどうぞ。

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