平均的なJリーガーだと思っていました。だから、すごい話を期待されても困りますよ。ただ、私は普通のサッカー選手がしないような経験を無数にしてきました。
そう言ったのは、Jリーグで活躍した元サッカー選手だ。本内容は元Jリーガーが語ったことを編集してまとめたものです。
「リスク」とは避けるものではなく、自ら取りに行くものである。
平凡だからこそリスクを冒すべきである
自分に周りを圧倒できるようなサッカーセンスがあるのであれば、技術も身体能力もなくても、なんとかエリート集団の1人として名を上げるチャンスを伺ったかもしれません。しかし、私には格別の能力は何もありませんでした。
これまで住み慣れた街や周囲の人と別れを告げるというハイリスクを冒してでも、自分の可能性を追求したいと考えたわけです。
もちろん躊躇する気持ちもありました。しかし、「持たざる者」であることが、自分の最大の強みであると気づいたのです。ハイリスクを取れるのは、「持たざる者」の最大の武器だと気付いたのです。
「ハイリスク」と「無謀」の違い
本田圭佑がなぜ石川県の星稜学園を選んだのかは知りません。ただ、私は「戦う場所」を決める上で、かなりの調査とそのクラブについての研究をしました。
ある程度の候補からあるクラブを見極めてから、貯金をはたいてグラウンドの近くのホテルに泊まり込み、実際にクラブの練習に参加して、そのクラブを理解しようとしました。
実際にプレーして見なければ分からないことはたくさんあります。
実際にプレーするなかで、グラウンドの環境、トレーニング施設の充実さ、指導者の考え方、選手の意識のレベルを肌で感じ、「このクラブでやっていける」という判断がどんどん腹に落ちてくるのです。
このように、あらゆる観点からその地方クラブを分析した上で、このクラブを自分のサッカー人生を賭ける「場所」にすると決断しました。慎重に検討したうえで、「勝算あり」という自分なりの答えを導き出したのです。
だから、決して「無謀」な選択をしたわけではありません。「ハイリスク」と「無謀」は全く異なるものです。可能性とリスクをじっくりと検証したうえで、許容できる最大限のリスクを取る。これが「ハイリスクを取る」ということなのです。
リスクを取れば必ずリターンはあるのです。逆に言えば、リスクを取らなければ、決してリターンを得られないと言うことです。