平均的なJリーガーだと思っていました。だから、すごい話を期待されても困りますよ。ただ、私は普通のサッカー選手がしないような経験を無数にしてきました。
そう言ったのは、Jリーグで活躍した元サッカー選手だ。本内容は元Jリーガーが語ったことを編集してまとめたものです。
「未来」を心配するより、「今」に全力を尽くしなさい。
サッカー人生とは「想定外」のものである
ある日突然、所属していたクラブがなくなる。そんなことだってあり得るのです。
また、どんなに事前にリスクを量っても、その通りにいくなどとはありえない。むしろ、「想定外」のことが起きるのが人生である、と言う方が正しいでしょう。
振り返ると無謀だったなと思うこともあるかもしれません。結果オーライで、後々に後悔せずに済んだこともあるかもしれません。何か異変の事態が起こった時には、その人自身の受け取り方によっても見方や感じ方や、次への進め方も変わってくるかもしれません。
どんな事態が起きようと、自分のサッカー人生を理想に近づけるために成長し続けなくではならないのは言うまでもありません。
「リスク」×「時間」×「努力」=「成長」
この公式の本質が見え始めた頃、自分の成長曲線は急激に右肩上がりとなるかもしれません。
どんな理想の自分になるにしても、「今」を全力で戦う以外、方法はないのです。
何事も「中途半端」に終わらせてはならない
初めて年代別の日本代表を経験した時のことをまだ覚えています。日本サッカー協会からクラブに選手の招集に関する連絡が入ったのです。当然、私は直接協会から聞くのではなく、監督からの呼び出しで突然報告を受けました。
今度、北海道で世代別の代表合宿があるんだが、その合宿に参加する選手リストにお前の名前があった。頑張ってこいよ。
当然、代表合宿となると所属クラブとは違い気合も十分入るわけですよ。しかし、国を背負って戦うようなことまで頭が回りませんでしたが、なにか一喜一憂して本来の自分のプレーを出し切ることが出来ないままに、次回からの招集の声がかかることはなかったのです。
そんなもんだから、練習でのモチベーションはかなり下がって、逆に日本代表を経験したことで自分のあるべき姿を見失い、少しの間どうしていいかわからなくなりました。やっぱり子どもでしたねあの頃は。
ただ、考えてみると所属クラブで戦っている「今」を投げ出してしまうと、明るい「未来」なんて絶対やってこない。そう気付けたのが比較的早かったので、なんとか自分を中途半端な状態から立ち直らせることが出来ました。
引退する時のこともしっかりと覚えています。
自分の中ではサッカーを完全にやりきった感は正直なかったです。身体が動く限りは現役でと言うことでは、若くして引退した私はカズさんや中山ゴンさんに頭が上がりません。
ただ、あの引退を決意するまさにその瞬間は、こんなことを考えていました。
私のサッカー人生、サッカー選手としては完全に終わりにしよう。中途半端に続けても意味がない。サッカー今までありがとう。
清々しい気持ちでしたよ。毎日大きなプレッシャーと戦っていて、自分との戦いにも絶対に負けてはならない気持ちだったので、そんな重圧から解き放たれた感覚を覚えています。
ただ、そこから歩みだした「道」は、結局は「その時その瞬間」の積み重ねでした。私が今こうして大富豪と呼ばれるようになったのも、あの時あの決断、中途半端な状態を作らずに、その時正しいと信じた「今」を全力で戦ったからだと思います。
決断に迷う方は是非こんな言葉を思い出してください。
諦めなければ無限の可能性、潔く止めれば無数の可能性
中途半端な「今」は何も生み出すことはできません。他人の意見ではなく自分の納得いく決断と歩みを続けるしかないのです。
みんなそれぞれ自分のサッカー人生なのですから。