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Jリーグのピッチに立てなかった本当の理由③


失敗と後悔!嗚呼、俺様のサッカー人生


登場人物
僕=筆者。光明台JSC-ガンバ大阪堺ジュニアユース-ガンバ大阪ジュニアユース-ガンバ大阪ユース-関西大学体育会サッカー部。16年間のサッカーキャリア。現役引退後は毎日サッカービジネスを妄想中。


前回までのストーリー
序章(少年期①)~サッカーの楽しみを知る~
序章(少年期②)~サッカー以外はワクワクできない~


序章(少年期③)〜ただ今成長中、むしろピークを迎えたか〜


JFAのナショナルトレーニングセンター制度


高学年になって、地元の泉北トレセンの選考会に参加した。僕のクラブからは5名参加して、5名とも受かった。何をしたかは全くと言っていいほど覚えていない。小学生の地区トレセンなんて、そんなものだろう。ただ、その地区トレセンに参加しなければ、その上のカテゴリである大阪トレセンに参加できなかった。飛び級という制度は認められていなかったようだ。


泉北トレセンの指導者は、大阪府サッカー協会から派遣されているか、もしくは泉北地区の代表をつとめている指導者、または泉北地区のクラブで監督をしている指導者など、サラリーマンがメインのおっちゃん指導者から、協会に属するおっちゃんまで、色んな人がいた。


僕たちの頃のトレセンは、トレセン制度が始まって数年しか経っていなかったので、指導者も運営側も探り探りの様子で活動していた。今でいうナショナルトレセンという名前も制度も整っていなかったような気がする。


泉北トレセンはともかく、その上のカテゴリである大阪トレセンには強烈なインパクトがある。僕のクラブと言うよりも、泉北地区で大阪トレセンの選考会で通ったのは、僕を含め2,3名だけだったかもしれないからだ。泉北を代表する…なんてそんなことは思っていなかったが、大阪府下の小学生を選抜し、50名弱のメンバーに残れたことは非常にうれしかった。


大阪トレセンの選考会では、形式上か本当の実力を見定めているのか分からないが、色んなテストがあった。それこそ、50m走や長距離走、リフティングからミニゲーム、大ゲームといった感じで、まさに至れり尽くせり、選手の能力を測って選考しているようだった。


選考会だけでも感じていたが、まぁ大阪全土となると同じ年齢でも上手い選手が多いこと。僕は左利きだったので、ライバルが少なくてかなり得をしたけど、とにかく最終選考が終わって50名弱の大阪トレセンのメンバーの一員となることができたのだ。


トレセンは指導者の意向がかなり強いが、そんな大人の事情を打ち下すほどの実力を身につけるか、アピールすることができれば入ることが可能だ。決して臆病になってはいけない。自分の力を120%出せれば結果は自ずとついてくる


ただ、それはそれで僕の家族にはそこそこの迷惑をかけた。なぜなら、大阪といっても北から南まで、距離にするとかなり縦長である。僕の地域は南に位置していたが、当時大阪トレセンの指導者や練習場所は北に位置していた。トレセンの指導者=練習場所と言う図式が成り立っている中で、大阪トレセンの練習会に参加するには、南から北まで約1時間半~2時間かけて通う必要があった。


大阪トレセンの道
出典:https://www.google.co.jp/maps


僕の家は共働きだったので、当時から僕のサッカーを応援してくれていた婆ちゃんが送り迎えをしてくれた。今考えれば毎回高速で堺インターから吹田インターまで移動し、練習時間はどこかで時間をつぶしているか、練習をみているか。そして練習が終われば車で帰る、そんなパターンであった。ただ、当の本人である婆ちゃんは、他のトレセンの親御さんとかなり仲良くなっていて、話し好きの婆ちゃんは楽しんでいたようなので、まぁよかったのかなと。


婆ちゃん
出典:https://www.pakutaso.com/


また、トレセンといっても大阪トレセン専用のジャージやユニフォームの購入、試合や遠征費なども家計を圧迫した。今思えば試合なんてビブスでいいだろと思うこともあるが、当時はそのジャージやユニフォームが大きなブランドとなり、自分の宝物となった。ジャージを着ていると自然と自信も持てたし、何より誇らしげに振る舞うことができた。


トレセンに入ると家計を圧迫することになるが、それ以上に子どもが得ることは大きい。まさにプライスレスな経験だ


大阪トレセンの練習会を、僕は一度も休まなかった。当時から練習を休むことに人一倍危機感を感じていて、練習を休んだら周りに置いて行かれる、そう考えるようになっていた。そして、そんな気持ちは引退するまでずっと変わらなかった。


サッカーのパフォーマンスはプロアマ問わず、気持ちに左右されやすい。メンタルが本田圭佑なみに強くなければ、自分に休息を与えてあげた方が良い。メリとハリ、オンとオフ。自分で気付いていなければ、周りが休息を促すようにした方が良い。例えサッカーを楽しんでいても、子どものストレスは無意識に蓄積するだろう

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