川上哲平選手に学ぶ!サッカーにおける「泥臭さ」の価値と成功への準備術

川上哲平(かわかみ てっぺい)は、横浜創英高校で主将を務めたフォワードです。横浜F・マリノスジュニアユース追浜の出身で、高校3年時の2024年にチームを関東大会Bグループ優勝へ導き、全国高校サッカー選手権の神奈川県予選では準優勝。この記事は、当時この記事が「これから」と書いた決勝の結末と、そこから先の進路を、確認できた資料だけで追いかけます(2026年8月16日更新)。

まず、この記事の来歴を書いておきます。この記事は2024年11月5日、つまり選手権神奈川県予選の決勝(11月10日)を控えた時点で公開され、「決勝が楽しみだ」で終わっていました。その決勝の結果は、もう出ています。予告して終わった記事が結末を書かないのはおかしいので、そこから始めます。

2024年の決勝はどうなったか

神奈川県サッカー協会(FAKJ)が公開している大会結果によれば、令和6年度 第103回全国高校サッカー選手権大会 神奈川県予選の決勝は、2024年11月10日(日)13時05分キックオフ、Uvanceとどろきスタジアム(U等々力)で行われました。

ラウンド 日付 スコア
3回戦 2024年10月19日 横浜創英 31 横浜隼人
準々決勝 2024年10月26日 横浜創英 30 相模原弥栄
準決勝 2024年11月4日 桐光学園 02 横浜創英
決勝 2024年11月10日 横浜創英 0-2 東海大相模

結果は0-2。横浜創英は準優勝で、全国大会には届きませんでした。スコアの内訳は前半0-1、後半0-1です。

この記事はここで一度止まっていました。「リベンジ心がチームの力になるだろう」と書いて、その先を書いていなかった。予選を勝ち上がった過程まで含めて事実で残しておくほうが、当時のチームにとっても記録として意味があると思うので、上の表を置いています。

川上哲平とはどんな選手だったか——「泥臭い」の中身

この記事にたどり着く検索語で最も多いのは「川上哲平」という名前そのもので、次が「サッカー 泥臭い選手」です。ところが以前のこの記事は、彼の基本情報を1つも書いていませんでした。ここから埋めます。

出身は横浜F・マリノスジュニアユース追浜。横浜創英高校では3年時に主将を務め、背番号11のフォワードでした。Jクラブの下部組織から高校の部活動へ進んだ選手ということになります。

本人の言葉——「みんなみたいに上手くない」

横浜創英高校サッカー部の公式サイトがメディア掲載情報として紹介している記事(ゲキサカ・2024年5月30日)に、本人の言葉が残っています。取り上げられているのは2024年5月27日、関東高校大会Bグループ決勝の成徳深谷戦(0-3で横浜創英が勝利)の1点です。

得点の場面はこうです。相手DFの裏へ抜けたボールをGKがキャッチしようとしたところへ、プレッシャーをかけていた川上が、ブロックするDFの前に右足を出す形でシュートを決めた。本人の説明はこうでした。

「FWとしてはああいうところは逃したらいけないところだから、しっかりボールを追って押し込むことができた。GKがちょっと出るの迷ってるなっていうのがあったんで、自分の中では『ここ、いける』と思っていました。最後まで諦めないようなプレーでやってるんで、しっかりそれが結果に結びついてよかったです」

そして、自分自身についてはこう言っています。「みんなみたいに上手くない」。技巧派の多いチームの中で、自分の役割をこう定めていました——「点のところもそうですけど、絶対タフにやるだったり、諦めなかったり、盛り上げたり、泥臭いところやったりっていうところでチーム引っ張って、こうやるんだよっていうのを背中で、声で見せていけたら」。

この記事は以前、「泥臭い」を「持って生まれた勘」と説明していました。それは本人の説明と食い違います。本人が言っているのは勘の話ではなく、役割を引き受けるという話です。

「泥臭い選手」とは何か——観測できる行動に分解する

「泥臭い」は便利な言葉ですが、そのままでは真似できません。川上哲平の実際の得点を見ると、共通する行動が取り出せます。

同じく学校公式が紹介している記事(高校サッカードットコム・2024年4月30日)は、2024年4月28日、令和6年度関東高校サッカー大会神奈川予選の準々決勝・日大高戦(2-1で横浜創英が勝利)の2得点を、こう伝えています。

  • 1点目(50分)——左サイドから仕掛けてペナルティエリア内の混戦、そのこぼれ球に反応し、体勢を崩しながらシュート。
  • 2点目(55分)——CKのボールをニアサイドに走り込み、頭で流し込む。

本人のコメントも具体的です。「1点目は選手たちの声や周りも見えていましたが、ここで自分が決めてやるという強い意思を持って感覚で打った。2点目はCKでいつも練習していて、ニアかファーなんですけど、キックを信じて自分のところに来いと思ってました」。

ここから「泥臭い」を分解できます。

抽象語 実際にやっていること 練習でできること
こぼれ球に強い 混戦でシュートが打たれた瞬間にすでにゴール前へ動いている 味方のシュート後に詰める動作を反復する
ニアに強い CKでニアかファーかをあらかじめ決めて走り込む キッカーと入る位置を約束しておく
最後まで諦めない GKが処理を迷った一瞬に足を出せる距離まで走っている 相手の”処理が終わるまで”追うと決めておく
体を張る 体勢を崩しながらでも枠に飛ばす 崩れた体勢からのシュートを練習に入れる

★どれも「勘」ではありません。事前に決めておけること、走る距離、崩れた体勢で打つ技術です。「泥臭い」と呼ばれるプレーの正体は、準備してある行動を、期待値が低い場面でも省略しないことだと言えます。本人が「ボールを追って押し込む」という言い方をしているのはそういうことです。

技巧で違いを作るタイプとの対比で見ると分かりやすくなります。同じフォワード寄りの選手でも、家長昭博のようにボールを持って局面を壊すタイプとは、価値の出し方がまったく違います。どちらが上ということではなく、チームの中で自分がどちらで数字を出すかの問題です。

監督は誰だったのか——旧版の「宮澤さん」について

この記事は以前、「監督の宮澤さんも言ってる通り」という一文を、出所を示さずに書いていました。調べたところ、監督は実在します。上記のゲキサカ記事の中で、川上本人が「泥臭いところでやっていかないといけないなと。そこを(宮澤崇史)監督も買ってくれるので」と語っています。

つまり「監督が泥臭さを評価している」という趣旨は、本人の口から出た言葉として確認できました。ただし旧版が書いていた「泥臭いゴールへの嗅覚はただの偶然じゃない」という監督発言そのものは確認できていません。この記事では、確認できた引用だけを載せています。

なお同じ準々決勝の後、宮澤崇史監督は「前半からボールを握れていたので、そんなに(見ていて)心配していなかった。試合内容は及第点。失点がなければ合格点だった」とコメントしています。

その後の進路——大学サッカーへ

高校卒業後、川上哲平は大学サッカーへ進んでいます。ゲキサカが公開している國學院大の選手一覧に、川上哲平の名前が掲載されています。

ここは正直に書きます。大学の公式サイトで選手一覧を確認しようとしましたが、この記事の執筆時点で、部員名簿を掲載した大学公式のページに到達できませんでした。「大学サッカーを続けていることは確認できたが、学年・背番号・出場記録は一次資料で確定できていない」——ここまでが、この記事が責任を持って言える範囲です。

生年月日・身長・体重についても書きません。選手名鑑系のサイトには数値が出ていますが、クラブや連盟が公表した原文で裏が取れないものは載せないという方針です(過去に、検索スニペットの数字がクラブ公式の原文と食い違っていた例があったため)。

高校から大学を経てプロを目指すという道

川上哲平がたどっているのは、高校卒業と同時にプロ契約を結ぶのとは違うルートです。どちらが有利かという話ではなく、時間の使い方が違います。

大学経由がどれくらい現実的なのかは、数字で見るのが早いです。関東大学サッカー連盟が公表している「2025年度卒業生(または2026年加入選手)・進路先(クラブ)一覧」には、97人がJクラブ等への加入者として掲載されています(J1が27人、J2が34人、J3が35人、海外が1人/24大学)。関東の連盟だけでこの人数です。

一方で、これは加盟校の部員数から見ればごく一部でもあります。「大学に行けば見てもらえる」ではなく「見てもらえる場所で、選ばれる一部に入る」という話です。大学ルートの入口(サッカー推薦の出願条件や時期)については、サッカー推薦で大学へ行く前に考えることをまとめた記事に、実際の入試要項を開いて整理しました。

対になるルートも見ておくと比較しやすくなります。高校在学中にプロ契約を結んだ西原源樹選手高卒でトップ昇格しスペインへ渡った杉浦誠黎(スギウラ ミレイ)選手——同じ年代でも、通る道はこれだけ違います。

この記事で確認できた範囲(と、確認できなかったこと)

確認できたこと。選手権神奈川県予選の全ラウンドの結果と日程・会場は神奈川県サッカー協会の公式ページ。川上哲平のプレー内容と本人・監督のコメントは、横浜創英高校サッカー部の公式サイトがメディア掲載情報として掲載している2本の記事(ゲキサカ/高校サッカードットコム)。大学サッカーを続けていることはゲキサカの選手一覧。大学経由の進路の実数は関東大学サッカー連盟の公式一覧です。

確認できなかったこと。

1つ目、大学での学年・背番号・出場記録。大学公式の名簿ページに到達できませんでした。

2つ目、生年月日・身長・体重。上記の理由により書いていません。

3つ目、旧版が書いていた監督発言の原文と、「怪我から復帰」の時期・部位。どちらも出所を特定できなかったため、この記事からは落としています。

また、この記事は競技上の情報だけを扱います。大学生の選手なので、学業や私生活に関わることは書きません。

まとめ

この記事が2024年11月に「楽しみだ」と書いた決勝は、0-2で終わりました。横浜創英は準優勝。全国には行けませんでした。

ただ、この記事に残す価値があるのは結果より中身のほうです。「みんなみたいに上手くない」と言った主将が、こぼれ球に反応し、ニアに走り込み、GKが迷った一瞬に足を出して点を取った。そのどれもが、勘ではなく決めておける行動でした。

「泥臭い選手」で検索してこの記事にたどり着いた人へ。真似すべきなのは気迫ではなく、上の表の右列です。期待値の低い場面で走るかどうかを、走る前に決めておくこと。それだけです。

継続監視。大学公式または連盟公式で出場記録が公開され次第、この記事に追記します。

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