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第2ピークを迎えた選手が国内移籍をしないのはなぜか


第2ピークを迎えたJリーグクラブに所属している日本人選手で、圧倒的な結果を残し国内移籍を果たした選手がいるだろうか。


前例を見ると、大型移籍の例から見ると前園真聖を思い返すことができる。しかし、彼の移籍は第1ピークだった。当時横浜フリューゲルスからヴェルディ川崎へ移籍金騒動にも発展したのだが、移籍金3億4000万円で最終的に合意。日本人のサッカー選手として当時過去最高の移籍金となった。


阿部勇樹もしかり大型移籍の1人だった。ジュニアユース時代から在籍した当時ジェフユナイテッド千葉から浦和レッドダイヤモンズへの移籍を発表。国内最高額といわれる移籍金推定3億5000万円で正式契約を結んだ。しかしこれも、第1ピーク時の移籍にすぎない。


第2ピークを迎えた選手が活発に国内移籍を果たすことが多くなれば、日本サッカーの盛り上がりと底上げになると感じるのだが、その考え自体に筋が通っているのか考察したい。


大久保嘉人とFC東京の移籍を見習うべき

3年連続得点王の偉業を果たした大久保嘉人が川崎フロンターレからFC東京へ移籍した。


1982年生まれの彼を初めてみたのは中学3年生。高円宮杯第9回全日本ユース(U-15) サッカー選手権大会のベスト8で、ガンバ大阪ジュニアユースvs国見町立国見中学校(現雲仙市立国見中学校)に出場して対戦相手のFWだった。


その時ガンバ大阪ジュニアユースでキャプテンをしていたDFがゴリゴリ系で、見事に大久保嘉人をおさえ込み(あまりにも激しくぶつかり合い、迫合いの際に大久保嘉人を流血させた)、2-1でガンバ大阪が勝利しベスト4へ進出した。


その試合を見ていた小嶺忠敏氏が、大久保嘉人をおさえ込んだDFを国見高校にスカウトしたが、彼は国見高校のトレーニングに耐えられるほど強いメンタルはないと丁重にお断りしていた。


そんな当時から抜群のセンスを見せつけていた大久保嘉人が、3年連続得点王、その後のシーズンも日本人最多得点を叩き上げ、かねてラブコールを受け続けていたFC東京へ移籍した。


まさに第2ピーク(第1ピークはセレッソ大阪時代)の真っ只中での移籍だ。本人もまだまだ挑戦したいと言う気持ちを語っている。


プロサッカー選手として、とても充実した毎日を過ごせています。でも、その環境に甘えるというか、あぐらをかいて過ごすのは、オレらしくないし、今までも常に挑戦する気持ちを持ち続けてきたから、これからも挑戦し続けたい。自分でいろいろ道を作っていきたい。その気持ちが何より強くなりました。


大久保嘉人のように、年齢は34であってもまだまだ上へ挑戦したいと言う気持ちがある選手が、今のJリーグにどれぐらいいるだろうか。一般的なな考えでいうと、34歳であれば今所属しているクラブで最期を迎えるか、またはカテゴリーを落として選手生活を続ける。


しかし、FC東京はラブコールを投げ続けた。34歳の彼に。お互いに先行きは不安かもしれないが、本当に実力がある選手を獲得するクラブ、また、そのラブコールに応える選手。なかなか見られないノリに乗っている選手の第2ピークの国内移籍だ。


この移籍にはかなり注目したいところだ。他クラブや他選手は見習うべき事例ではないだろうか。その本当の答えは今シーズンと来シーズンに結果として見せてくれるだろう。


安定志向の選手と挑戦志向の選手

誰もが同じクラブに長く在籍したいと思うかもしれない。もちろん、クラブで結果を残し、コンスタントに試合にも出場し、選手によっては代表にも呼ばれるかもしれない。


そんなピークを迎える選手が目指すのは海外移籍。なぜならサッカーのレベルがはるかに高いこと、そして報酬面でもJリーグよりもはるかに高いことが挙げられる。


国内でピークを迎えた選手が、他クラブからオファーを受けて移籍することはそこまでないように思える。国内移籍の多くは、出場機会を求めて次のクラブへ移り変わることが多い。そして、連鎖的に玉突き移籍が始まる。特にゴールキーパーなんて、その代表例だ。


結果的にクラブを追い出されるネガティヴ移籍と、自ら上のカテゴリーへ挑戦するポジティブ移籍の後者を考えるのだが、なぜ、安定志向の選手が多いのか。


もはや活躍をするとそのクラブの顔とも言われてしまう。スポンサーとの契約にも選手を起用する事の条件を突きつけられるかもしれない。


世界では、過去にバルセロナに所属したルイス・フィーゴがレアル・マドリードへ移籍するなど、国内トップクラブ間の禁断の移籍を果たした。もちろん、観客はクラシコで信じられないほどにブーイングを浴びせる。だが、ルイス・フィーゴは移籍した。


Jリーグ国内移籍でもこのような積極的とも言える移籍があってもいいのではないだろうか。要するに、ビッグクラブからビッグクラブへの移籍だ。


あえてJリーグでこのような移籍を考えるとすると、浦和レッズ、鹿島アントラーズ、ガンバ大阪のクラブ間で選手の移籍がもっと活発になってもいいと感じる。


一方、挑戦志向の選手にクラブ愛がないと言えばそうでもない。所属したクラブにはそれなりの愛着が湧くのは当然である。しかし、自らの成長と高い意欲がさらなる上のステージへ挑戦させる。


これはもはや選手の生まれ持った性だろう。挑戦志向の選手は周りから何を言われようと挑戦するのだ。そして、自分がどんな状況でも満足することなく上を目指すのだ。


清武弘嗣の移籍をどう感じるか

日本代表でも香川真司のポジションを驚かす存在となっている。彼はまさに今第2ピークの真っ只中だ(第1ピークはセレッソ大阪8番時代)。


そんな清武弘嗣がなんと今冬の移籍先として古巣のセレッソ大阪を選択し、4年半ぶりにJリーグ復帰を果たすことになる。


まだまだスペイン以外の他のリーグでもできるのでは?と感じているサポーターやファンも多いだろう。


スペインで所属しているクラブのセビージャでは、フランス代表のナスリを獲得するまではよかった。ただ、清武弘嗣が日本代表の活動に参加している間に、レギュラーの座を奪ってしまうと言う厳しい世界だ。


まさに、サッカー素人が見ても、最近の日本代表は清武弘嗣がいいと言う声が上がり始めたばかりだったのだが、その代償は大きかった。


これから第2ピークが加速し始める初速の段階で、予期せぬ出場機会を失い、セレッソ大阪への移籍を決めたわけだが、スペインからドイツへの復帰もあった中で、Jリーグを選択したのは正解と考えていいのではないだろうか。


清武弘嗣の場合はネガテイブな移籍とは捉えていない。確かに出場機会が減ったのは事実ではあるが、全体的に見て清武弘嗣の調子が下降気味な訳ではないからだ。


海外から第2ピークを迎えた清武弘嗣が国内復帰することで、周りの選手や日本サッカー界にどのような影響を及ぼすのか。


セレッソ大阪を彼1人の力でビッグクラブにするのは難しいが、フロントは彼中心のチーム作りとチーム編成を考えたいところだ。


今シーズンのJリーグは、大久保嘉人や清武弘嗣を中心に、家長昭博、中村俊輔、大前元紀など、前クラブで主力選手だった国内移籍のその後に注目したい。

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