『キャプテン翼』は現実にあらず。“攻撃的サッカー”で4失点…日本に欠ける守備への理解。育成年代から改革を
普段から色んな記事を目にしますが、基本的に誰が書いてる記事かなんて、これまで全く気にしていませんでした。
Ciao a tutti!「進化系サッカーメディアNEWJI」の立案者ryujinです。大学ではスペイン語を第二外国語で専攻し、イタリア語を独学で勉強した結果、案の定、訳わからんくなりました。
冒頭の記事を読んでいると、この筆者は誰やろう?と気になりました。調べてみると、チェーザレ・ポレンギ。
チェザーレ・ポレンギはイタリア出身だが、既に日本人化している件
チェーザレ・ポレンギ。イタリア出身、1994年4月4日初来日。日本に滞在して既に約20年となる。日本サッカーに精通する外国文化を有したサッカー人として貴重な存在。パンツェッタ・ジローラモではない。
出典:http://s.ameblo.jp/cesarepolenghi/
自身のブログでは日本のサッカー活動の様子を綴っている。テレビのサッカー番組に出演したり、現場で選手にインタビューをしているようです。
今はフットボールチャンネルのマネージングエディターに就任しており、当面の目標を下記のように掲げています。
日本でのフットボールにおけるナンバーワンウェブサイトにすることと、日本のフットボールの成長と国際化の原動力のひとつにすること。
出典:http://s.ameblo.jp/cesarepolenghi/
イタリアサッカーから見た日本サッカー
冒頭の記事で、ズバズバと日本サッカーに対し、愛のあるご指摘をしています。日本サッカーの欠点や課題、更には修正点や持論を展開し、日本サッカーはそのように評価されているのか…と。
「変革期!堅守速攻日本サッカーの未来」では、ブラジル代表の現役選手の数名が日本の守備をそれなりに評価してたことを述べています。しかし、チェザーレ・ポレンギは、日本の守備に対し育成年代から改革をする必要があると述べています。
そのこと自体論点のズレはありません。ブラジル人とイタリア人、もしくは日本人と言う枠に囚われず、人によりサッカーを観る視点が違うことはあるでしょうが、日本サッカーの守備に賛否両論あることは確かです。
このようにピッチ上の評価と観客席からの評価と、それぞれ真逆の評価があることを、どう捉えればいいのでしょう。
チェザーレ・ポレンギは、カテナチオ思考から脱却すべき
冒頭リンク先の記事の文中に、以下のような表現が記載されています。
オフェンスの選手が徹底して攻撃的にプレーすることで世界の強豪と渡り合えると考えていた。しかし、そのような戦術は恐ろしいほどに間違いだったと言えるだろう。
この戦術を用いたことが間違いではないと思います。サッカーはゴールを決めることを目的とするスポーツであり、オフェンスの選手はゴールを決めることが仕事だからです。
例えばオフェンスが守備をしなかったことが原因で4点決められたとしても、オフェンスは攻撃に専念して5点決めれば勝てるのです。
間違ってはいけません。サッカーは失点を0に抑え、守れば勝てるのではありません。相手より多くのゴールを決めれば勝てるのです。だから、オフェンスの選手が徹底して攻撃にプレーする戦術は否定できません。オフェンスは仕事に専念しているのですから。
また、こうも述べています。
イタリアは、2006年のドイツでベストチームではなかった。しかし、彼らには最高のディフェンスがあった。計7試合において、彼らは2つの失点しか許さなかった(オウンゴールとPK)。そして、彼らはW杯を制したのだ。
確かにそうかもしれませんが、2006年以降はどうでしょうか。イタリア代表のワールドカップの成績は下記の通りです。
[table “3” not found /]そう、2006年はイタリア代表のカテナチオが機能し、得点力もあったから優勝できたのであり、得点力に乏しかったドイツ大会以降は、2大会連続で予選敗退を喫しているのです。
守れば勝てるのがサッカーではありません。ゴールしてナンボがサッカーです。そこを履き違えては日本サッカーに未来はありません。
何をすれば勝てるのか、日本サッカーのベクトルはいずこへ
「世界基準からは程遠いJリーグの守備陣」や「育成年代で長身DFの発掘を」とチェザーレ・ポレンギは述べています。
内容には触れませんが、そもそも日本サッカーが何をすれば世界で勝てるのか、どういうサッカーを目指すべきなのか、どんな育成体制を整えるのか、まずは全体のベクトル(目標や日本の方向性)を定めるべきではないでしょうか。
先日、ナビスコカップで優勝したガンバ大阪に在籍しているアカデミー出身の選手を見ていました。
ガンバ大阪はJリーグクラブの中でも「育成指導」には定評があります。しかし、現メンバーを見てみると、FW(ストライカー)として期待できるのは宇佐美貴史だけです。
出典:http://www.gamba-osaka.net
岡崎慎司、本田圭佑、香川真司、彼らは現在日本代表のオフェンス陣で代表チームを牽引しています。しかし、このメンバーで勝てないことはブラジルワールドカップで証明されました。
結局はボールを持ってゴールを期待できるストライカー、強いて言えばオフェンス陣が今の日本代表にはいないのです。世界のトップリーグで常にゴールランキングの上位に食い込む選手がいないのです。
「サッカー界では11月が繁忙期です」や「ブラジルW杯ベストイレブン発表! 」で取り上げたように、今後の日本サッカーでは本格派のストライカーを育てるべきです。
これまでの日本代表でストライカーと呼べる人材は、釜本邦茂、キングカズ、高原直泰、佐藤寿人、大久保嘉人、そして…
出典:http://s.ameblo.jp/cesarepolenghi/
大黒将志。継続的に結果を残している選手がストライカーと呼べるのです。岡崎慎司も海外では継続して結果を残しています。
「変革期!堅守速攻日本サッカーの未来」でもご提案しましたが、日本サッカーは堅守速攻を選択しようがしまいが、守備を強化しようがしまいが、サッカーはゴールを決めるスポーツなので、ストライカーの育成をするべきです。
今は、武藤嘉紀が化けるのを待つか。もしくは、宇佐美貴史を早急に日本代表に呼ぶことが、日本サッカーの未来を描けるのではないでしょうか。※追記:もう宇佐美貴史は代表に入っています。
チェザーレ・ポレンギに期待すること
兎に角、セルジオ越後と「日本の守備」について徹底討論して欲しい。その結果がどうであれ、是非、フットボールチャンネルでの実現を期待。