年代別代表は種目の数だけ立っていて、日本ではその本数が種目と性別で違う

8月の終わりになると、各クラブが出す告知をまとめて読むようにしています。選出、認定、2種登録、加入内定。並ぶ言葉は似ているのに、どの統括団体から出た告知かで中身がまったく違う。U-15の選手が「選ばれました」と書かれていても、JFAのナショナルトレセンなのか、日本クラブユースサッカー連盟のメニコンカップ東西対抗戦なのか、JリーグのU-15 Jリーグ選抜ブラジル遠征なのかで、行く先も、誰が指導するかも別。メニコンカップはEASTの監督が横浜F・マリノスジュニアユースの梅津博徳さん、WESTがサンフレッチェ広島F.Cジュニアユースの岡本知剛さんで、クラブの監督がそのまま選抜を率いる。同じ月に同じ書式で出てくるので、まとめて流すと全部ひとつに見えてしまう。

その最中に、コロンビアサッカー連盟が出した一本を読んでいました。サンティアゴ・アルサテ率いるコロンビアのU-20男子ビーチサッカー代表が、ペルー・リマで南米選手権の準決勝を戦い、パラグアイに1-6で敗れています。8月30日にはリマのエスタディオ・プラヤ・アグア・ドゥルセで、同じパラグアイと3位決定戦。掲載されていた先発は、GKのケビン・アンヘルを含めて5人でした(fcf.com.co、2026年8月29日)。

「U-20代表」はひとつではない

5人という並びで、これが11人制の話ではないと気づきました。ビーチサッカーにもU-20の南米選手権があり、専任の監督がいて、代表として国名を背負って準決勝まで来ている。年代別代表は、サッカーの種目の数だけ立っている。

そう思って日本に戻ると、JFAの選手育成のページの並びが違って見える。ナショナルトレセンU-12、U-14、U-15、U-16トレセンキャンプ、U-15タウンクラブ・中体連トレーニングキャンプ。その横に、ナショナルトレセン女子U-14とJFAガールズ・エイトU-12が別に置かれている。特別指定制度も、JFA・Jリーグ、JFA・なでしこリーグ、Fリーグが別々のページで運用されています。ナショナルトレセンにもJFAガールズ・エイトにも、選考して集めて合宿するという同じ形が置かれていて、名前の付け方まで揃っている。

同じ名前で並んでいても、回数と歴史が違う

男子の11人制を年代順に数えると、切れ目がほとんどない。小学生年代には第50回を数える全日本U-12があり、YKKが46年、花王が21年、日清オイリオグループが20年と協賛が続いている。中学生年代には第41回のクラブユース選手権(U-15)。高校生年代にはプリンスリーグがあり、そこにトップチームの2種登録が乗る。大学や高校に籍を置いたままJの公式戦に出る特別指定は、Jクラブが毎週火曜の正午までに申請し、JFA技術委員会が木曜に認定する週次で回っている。2026/27シーズンからはU-21 Jリーグが始まり、18歳から21歳の「トップに絡めない期間」にも公式戦が置かれました。それでも出場時間が足りなければ、育成型期限付き移籍で下のカテゴリへ出す道がある。海外短期留学のJFA アディダス DREAM ROADは2023年度から動いていて、行き先はレアル・ソシエダード、バイエルン・ミュンヘン、フラムFC、リバープレート、ロサンゼルス・ギャラクシー、UANLティグレス、コモ1907、アヤックス、オリンピック・リヨン、アイントラハト・フランクフルト。年に4回、5回と出ている。

女子を同じ順で数えると、まだ薄い。DREAM ROADで女子を対象にした最初の海外留学は2025年度、バイエルン・ミュンヘン女子へ8月15日から30日までの4名。2026年度もU-17日本女子代表の4名がバイエルンへ行きます。年に一度、4名。男子が3年で十数回まわしてきたものと、始まって2年目のものが、同じDREAM ROADという名前で並んでいる。

外に出てくる情報の形も違う。サンフレッチェ広島レジーナの島津羽音選手、中川奈南選手、近藤音々選手の3名が、U-16日本女子代表候補の国内トレーニングキャンプ(8月31日〜9月3日・岡山/美作ラグビー・サッカー場)に選ばれた、という告知は出ます。ところが、その3人が普段どのリーグで何試合に出ているかは、男子ほど流通していない。育成の実態を、代表に選ばれたという一報から逆算して読むことになる。情報の出方そのものが男女で違っているのではないかと。

数えるのは選手ではなく、出られる大会の本数

日本の育成年代の話は、誰が上手いか、どのクラブが強いかに寄りがちです。ただ、8月の告知を並べて見えたのは、選ばれる子の話の前に、全日本U-12、クラブユース選手権U-15、プリンスリーグ、U-21 Jリーグと、出場できる大会が何本並んでいるかという話が先にあるということ。この本数は、その子の努力とは無関係にあらかじめ決まっている。男子の11人制はU-12からU-21まで途切れずに積んである。女子とフットサルには同じ名前の制度が用意されてはいるが、回数と歴史が違う。

コロンビアのU-20ビーチサッカーがリマで準決勝を戦っていたという事実は、日本の育成年代を語るときに男子11人制の数字を全体の数字だと思い込んでいないか、という点検になる。男子の本数をそのまま女子に当てはめると外す。だから8月の告知を読み続け、種目と性別ごとに大会とトレセンが何本置かれているかを数え直し、その差が進路のどこで効いてくるのかを追っていきたい。

出典: fcf.com.co(2026-08-29)

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