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二川孝広の挑戦、36歳の決断と復活の兆し


ガンバ大阪の背番号10番を長期にわたり身にまとっていた二川孝広は、今季J3でプレーすることが多かった。ガンバ大阪U-23でJ1とは大きな実力差を感じながらプレーしていたに違いない。


これまで二川孝広の去就次のステージに相応しいクラブを勝手に予想していた。


二川孝広が最終的に選んだクラブはかつての名門クラブ「東京ヴェルディ」であったが、その選択その決断は、36歳となった天才的パサーを復活させる環境であるのだろうか。


二川孝広が残した軌跡

二川孝広はご存知の通りガンバ大阪のユースからトップ昇格を果たし、17年半もの間で大きな功績をあげている。ユースの3年間をプラスすると20年間だ。


ユース時代は寡黙なキャラクターだからこそキャプテンに指名され、クラブユース選手権(全国大会)では日本一の成績もおさめた。プロに入ってからはすぐに頭角を現し、在籍5年目に背番号10番を西野朗体制にて背負うことになった。そして2005年にはJリーグ制覇の立役者となり、2006年には日本代表にも召集され、そこでも背番号10番を背負うことになった。


2008年には世界のビッグクラブであり、当時クリスティアーノ・ロナウドも在籍していたマンチェスターユナイテッドと世界大会のCWCで対戦するも、アデレード戦で負傷してしまった二川孝広の出番はなかった。


仮に二川孝広がマンチェスターユナイテッド戦で出場していたならば、もしかしたら3-5のスコアが5-5になっていたかもしれない。


もしかしたらその試合でマンチェスターユナイテッドのスカウトに目が止まり、香川真司よりも先にマンチェスターユナイテッドと契約を結んでいたかもしれない。


二川孝広があの試合に出場していたら、日本サッカーの歴史も変わっていたかもしれないぐらいに、世界大会での真剣勝負でその実力を十分に発揮して欲しかった。


ただ、サッカーの神様はその機会を二川孝広に与えることはなかったが、それでも申し分のないサッカー人生を送り、誰もが認める実力を持っていた。


しかし、そんな二川孝広も2014年からは出場機会が減ることとなり、2015年シーズンはわずか2試合の出場、2016に至ってはJ1でプレーすることはなくなり、ガンバ大阪U-23の一員として若手とJ3で戦うことになった。


そして、20年以上も在籍したクラブを離れる決断をした二川孝広は、レンタルではあるが東京ヴェルディで36歳の復活を果たすことが出来るのか、これからの半年間という時間は、二川孝広のサッカー人生を大きく変えることになる。


やはりプレーすることが一番か

出場機会が激変した2014年頃から二川孝広の去就が噂され、そして同時に現役引退の言葉に現実味が出てきた。


2014シーズンを最後に現役引退を果たしたガンバ大阪ユースの先輩である新井場徹は、サッカークラブの代表を務める一方、二川孝広の仲介人としても尽力していた。20年間活躍した二川孝広を外のクラブに出すのではなく、ガンバ大阪で華やかに引退できる環境を密かに整えていた。


その選択肢として、当然ながらクラブフロント、スタッフ、アカデミーコーチなど、ガンバ大阪で第二の人生も働ける環境ではあったのだろうが、本人はプレーする環境を選んだということだろうか。


サッカー選手は元日本代表の選手であれ、自分の出場機会が減ったのであれば、カテゴリーを落としてでもプレーする環境を選ぶ人と、潔く引退する人に分かれる。


見方によっては前者が自分の価値を下げる行動で、後者はサッカー選手としての本質的な行動であると感じる。


二川孝広の行動や決断は、もし上記のような見方ができるのであれば、生粋のサッカー選手であることが証明されたのではないだろうか。


サッカー選手のプレーしたいと言う意欲はいつまでも衰えない。


東京ヴェルディの二川孝広

聞きなれない、似合わない、想像できない、それが二川孝広への印象だ。背番号は32を選んだようだ。ガンバ大阪プロ1年目の背番号と同じ数字であり、初心を大事にし新たな気持ちで挑戦していることがうかがえる。


東京ヴェルディと言ってもほぼ神奈川県のクラブだと感じているが、試合は東京がホームである。


東京に二川孝広のファンやサポーターが何人いるかは分からないが、彼の出場する試合は観ておいたほうがよい。サッカー選手を目指すのであればなおさら観て絶対に損はない。


既に「二川孝広 ヴェルディ」で検索すると緑のユニフォームに袖を通した二川孝広の画像などがインターネット上にはアップされている。


相変わらずのマイペースぶりで、二川孝広を知る誰もが新しいチームメイトと上手く会話できているのか心配をしているだろうが、プレーした途端に溶け込むのは間違いない。


日本人、外国人関係なくピンポイントで合わせてくるあのパスを受けることができるヴェルディのストライカーは度肝を抜くだろう。


これからの東京ヴェルディと二川孝広からは目が離せない。

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