45分の座学が入る場所が、高校サッカーの一年の日程表には見当たらない

春季大会、高校総体、新人戦、選手権。青森県サッカー協会のサイトに置かれている2026年度のハンドブックを開くと、年間カレンダーのあとにこの四つの要項が順に綴じられている。更新は8月20日。鑑があって、高体連サッカー専門部の役員名簿があって、確認事項のまとめがあって、それから大会参加申込書。県の高校生の一年が、この一冊でだいたい決まる。

南米の連盟が、20歳以下のフットサルの大会に出ている10チームに向けて、ドーピングについての話をしたと出していました。選手とチームスタッフを合わせておよそ200人。各代表団が泊まっているホテルで対面でやった回と、オンラインの回がある。1回の長さは45分。扱った中身も並んでいて、禁止物質と禁止方法の一覧、サプリメントや食品の汚染にまつわるリスク、違反と、罰則や健康や周囲への影響、検査の手続き、選手とサポートスタッフの権利と義務、治療目的使用に係る除外措置、居場所情報の要件。

45分、という長さに引っかかった。一時間でもなく、半日の研修でもない。授業一コマぶんを、大会に来ている200人全員に、宿舎で通した。つまりこれは「大会の日程の中に入っている」ということ。移動日でも試合の合間でもいいから、45分だけはどこかに差し込める、という前提で組まれている。

四本の要項に、座学の行はあるか

それで手元のハンドブックに戻った。春季大会要項、高校総体要項、新人戦要項、選手権要項。要項に書いてあるのは、参加資格、日程、会場、競技規則、審判、申し込みの締切、表彰、そのあたり。大会に出るために何を揃えるかは、どの県のものを開いても細かく書かれている。選手本人が座って誰かの説明を聞く回が、そこにどう置かれるのかという行は、四本のどれにも定型として見当たらない。

誤解のないように書いておくと、高体連が何もしていないという話ではない。確認事項のまとめというページがちゃんとあって、そこに大人が守ることや注意することは積まれている。ただ、それは要項を扱う側、つまり監督や引率が読むための紙です。あの45分は、聞き手が選手本人だった。

日本の高校生がこの手の話を自分の耳で聞く機会が、年に何本あるのか。県の四大会の日程を上から下まで追っていっても、そこに本数として立ってこない。全国の舞台まで行けば監督会議や代表者会議はあるけれど、座るのは大人のほう。

高校生は、もうJの公式戦の名簿に載っている

これがただの精神論なら、あとでいいという話にもなる。ならない理由が一つある。高校に在籍したままJの公式戦に出る経路が、いま実際に開いているからです。2種登録でユースの選手がトップの登録に足される。特別指定で、高校や大学に籍を置いたままJクラブの選手として公式戦に出る。高体連の高校の3年生が、夏に内定を発表され、その時点で2種登録と背番号まで付いている例も出ている。

公式戦に出るということは、検査の対象になる側に立つということ。居場所情報の要件という言葉が南米の資料に並んでいたのは、そういう意味。高校3年生が、学校の寮と練習場と試合会場を行き来しながら、Jの名簿に名前を置いている。その子に、禁止物質の一覧やサプリメントの扱いを45分で通した回が、どの日程のどこに入っているのか。県の一年が一冊のハンドブックに四本の要項として綴じられている話を追ったときにも、綴じられているのは試合の手続きばかりでした。

入れるとしたら、どこに入るか

現実的に考える。県の四大会のうち、新人戦の前は冬で、年明けの日程が立て込む。総体の予選は春から初夏で、ここも動かしにくい。残るのは、要項と要項のあいだ。高校年代の最上位リーグが前期と後期に割れていて、その谷間の夏に1か月の海外遠征を差し込んだ3年生がいる。個人の都合でそこまで動かせる隙間があるなら、県の単位で45分を置く場所も同じところにある。

もう一つは、国スポの少年男子。あれは都道府県の選抜で、高体連の複数校とJクラブのU-18が同じ登録メンバーに並ぶ。県によっては一つのアカデミーがほぼそのまま県代表になる。三つの団体に分かれた高校年代の選手が、県という単位で一度だけ同じ部屋に集まる。南米の連盟が代表団の宿舎でやったのと、形としてはよく似た場面が日本にもある。

選手を集めて45分座らせるのは、たぶん日程より面倒な話がついてまわる。誰が喋るのか。県協会なのか、高体連の専門部なのか、クラブなのか。喋る人を決めると、その人の分の日当と交通費が出てくる。要項に一行足すというのは、そういうことです。

それでも、高校生がJの公式戦の名簿に載る時代になったのに、本人が自分の身体のことを直接説明される回が年間カレンダーに一本も立っていないというのは、順番がおかしい。公式戦に出す器のほうは、この国はずいぶん丁寧に増やしてきた。器に入れた子に何を渡すかは、まだ要項の外に置かれたまま。来年度のハンドブックを開いたときに、四本の要項のどこかに45分ぶんの行が増えているかどうか、そこを見る。

出典: www.conmebol.com(2026-10-12)

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