高校サッカー界の注目株・オノボフランシス日華選手、高卒プロへの道と成長の秘訣

【対談コラム】サッカー × それぞれの視点 サッカーを軸に異なるフィールドで活躍する3名が集い、それぞれの視点から語り合う対談コラム。 育成年代の指導に最前線で携わる元プロサッカー選手・遠藤。 IT企業を経営しながら、年に一度だけピッチに立つ現役サッカー選手・生田。 サッカーに関心を持ち、サッカーを語ることを楽しむ女優・櫻井。 サッカーという共通のテーマを持ちながら、それぞれの立場や経験が異なる3人。 指導者の目線、経営者の視点、そしてサッカーを楽しむ側の感性。 交わることで生まれる新たな気づきや発見を、ぜひお楽しみください! 生田:遠藤さん、最近の高校生サッカー選手ってすごいですね。オノボフランシス日華選手が富士山カップでハットトリック達成したってニュース、読まれました? 遠藤:もちろん読んだよ、生田くん。彼は注目の選手だね。FC東京U-15出身で、高校サッカーでも成長を遂げているようだ。 櫻井:オノボ選手は身長も180cmあって、速さもすごいですね。初めてお名前を聞いたのですが、高卒でプロになりたいというのはすごく具体的な目標ですね。 生田:その目標を達成するために、ラインブレイクという強みを生かしてゴールを量産している。まるでサッカー版のスタートアップ企業みたいですね。新しい挑戦と視点を上手く活用している。 遠藤:確かに、ラインブレイクは彼の強みだ。スピードと1対1の強さ、それに彼の自信も大きい。プロでも重要な要素だから、それを高校生のうちに磨けているのは良いね。 櫻井:そういった強みがあっても、高校サッカーとプロの違いって大きいですよね?どんな障害があるのでしょうか? 遠藤:プロの世界では全てが段違いだ。相手も技術や経験豊富だから、一瞬の判断が求められる。フィジカルやメンタルも強化する必要があるね。 生田:確かに、それは企業も同じで、競争の激しい業界では常に自己革新が必要です。でも、オノボ選手はそのプレッシャーの中でも「自信がある」と言っているのが印象的です。 櫻井:それにしても高校生でこれだけ名前を知られているのに、まだ「自分のプレーに納得していない」っていう姿勢があるのがすごいです。 遠藤:サッカー選手にとって、成長への渇望は大切だ。周りに満足せず、目の前の課題に取り組む姿勢がプロでの成功に繋がる。 生田:その点で、自分の技術不足を認めて成長を目指しているのは、素晴らしいビジネスマン精神ですね。弱点を知った上でどうカバーし、どう伸ばすかを考えている。 櫻井:目標に「高卒プロ」と「年代別日本代表入り」も掲げているって、彼の野心を感じます。実現するための戦略としてどういうトレーニングが必要なのでしょうか? 遠藤:技術的には確かに課題があるが、彼のスピードと強さを生かせるような、実践的なトレーニングが必要だね。また、フィジカルの強化とメンタルコンディショニングも重要だ。 生田:トレーニングを通じて、彼自身が持っているスピードと技術を最大限に生かす方法を見つけることが、プロへの道を切り開く鍵になりそうですね。 櫻井:今後の彼の活躍が楽しみです。そして、モデルケースとして他の選手たちにも影響を与えそうですね。 遠藤:そうだね、若い選手たちにとって、彼のような成功に向かう姿勢やプレーは非常に良い刺激になるはずだ。 生田:最後は決断と行動、スタートアップ精神をもって挑むことが、どんな分野でも成功の秘訣ですね。オノボ選手には、それを思いきり体現してほしいです。

高校から大学へ、その後のオノボフランシス日華選手

生田:遠藤さん、あの対談からしばらく経ちましたが、オノボ選手はその後どうなったんでしょう。高卒プロを目標に掲げていましたよね。

遠藤:彼は高校卒業後、プロ契約ではなく山梨学院大学へ進んだんだ。ただ、それを「目標未達」と片づけるのはもったいない選択だと僕は見ている。

櫻井:えっ、意外です。あれだけ得点を量産していたのに。何があったんですか?

遠藤:高校最後の一年は、光と影がはっきり分かれた一年だった。数字で見てもらったほうが早いかもしれないね。

直近のキャリア推移を数字で振り返る

オノボフランシス日華選手のキャリア推移(直近1〜2年)
時期所属・大会主な結果・出来事
2024年11月頃山梨学院高(選手権県予選)3試合連続2ゴールで大会通算6得点、チームは7年ぶり8強
2025年1月全国高校サッカー選手権県予選準決勝での一発退場により3試合出場停止、決勝・全国大会2試合に出場できず
2025年8月全国高校総体(インターハイ)大会通算7得点でベスト8進出、優秀選手に選出
2026年春(1年生)山梨学院大学(関東大学リーグ3部)大学進学前にJ1クラブへ練習参加、リーグ開幕から3試合連続ゴール

出典:ゲキサカ「山梨学院FWオノボフランシス日華(3年)_3戦連続2発で次は代表CB擁する神村学園」/ゲキサカ「出場停止でピッチに立てず…スタンドで高校サッカーの終わりを迎えた山梨学院FWオノボフランシス日華『本当に情けない』」/サッカーダイジェスト「『情けない』ベスト8敗退の悔しさを胸に。圧巻7発の山梨学院FWオノボフランシス日華が示した“別格の存在感”【総体】」/ゲキサカ「[関東3部]入部前はJ1クラブに練習参加…山梨学院大・規格外ルーキーFWオノボフランシス日華が開幕3戦連発」/ゲキサカ 選手名鑑「オノボフランシス日華」

退場という「想定外のコスト」

生田:これは経営の現場で言う、プロダクトは強いのに社内体制でつまずいた状態ですね。県予選準決勝での一発退場で3試合の出場停止。決勝と全国大会2試合をスタンドで迎えたというのは、本人にとってはかなり重いはずです。

櫻井:いちばん見てもらえる舞台に立てなかったんですね。想像するだけで苦しいです。本人も「本当に情けない」と言葉を残していて、その悔しさが伝わってきます。

遠藤:高校年代のストライカーにとって、選手権の全国大会はスカウトの目が最も集まる場だ。そこでプレーできなかった影響はゼロではない。ただ、指導者として言えるのは、退場は技術ではなく判断とコントロールの問題で、そこは伸ばせるということなんだ。

生田:失敗の原因が「能力そのもの」ではなく「運用」にあるなら、改善はしやすい。むしろ早い段階で痛い目を見た分、学習コストとしては安かったとも言えますね。

総体7得点が示した地力

櫻井:でも、その後の全国高校総体では通算7得点でベスト8、優秀選手にも選ばれているんですよね。しっかり立て直しているのがすごいです。

遠藤:そう、ここが彼の評価が落ちなかった理由だ。全国の舞台で7点を取るというのは、相手が対策を立ててくる中での数字だからね。ラインブレイクという武器が、全国レベルの守備ラインにも通用すると証明した。

生田:以前の対談で僕らが「スピードと1対1の強さを生かせれば」と話していた部分が、きちんと結果として出たわけですね。仮説が検証された感じがして気持ちがいいです。

櫻井:それでも本人は「情けない」と口にしていたと。前回も「自分のプレーに納得していない」姿勢の話をしましたが、やっぱり変わっていないんですね。

遠藤:ベスト8で終わった悔しさを、得点数で埋め合わせようとしない。この基準の高さは、年代別代表を目指す選手に共通するものだよ。

大学進学という選択の読み解き方

生田:高卒プロを掲げていた選手が大学に進む。外から見ると回り道ですが、僕は資金調達のタイミングを一度見送る判断に近いと感じます。条件が整わないまま契約するより、評価を上げてから次のラウンドに臨む。

遠藤:まさにそうだ。しかも彼は大学入学前にJ1クラブの練習に参加している。つまり、プロの現場の水準を肌で知ったうえで、大学という強化の場を選んだということになる。この順番は大きい。

櫻井:行く前に見ておくのと、知らないまま進むのとでは、練習の意味が全然違ってきますよね。

遠藤:前回、僕はフィジカルとメンタルの強化が必要だと言った。大学サッカーは体ができ上がった相手と毎週戦う環境だから、その課題を潰すには適している。関東3部からのスタートというのも、出場時間を確保しながら伸びるという意味では悪くない。

生田:そして開幕から3試合連続ゴール。1年生でこれは、環境が変わっても武器が機能している証拠です。ステージが上がるたびに同じ結果を出せる選手は、再現性がある。

櫻井:高校でも3試合連続2ゴール、大学でも開幕3戦連発。数字の並び方が似ているのが面白いです。

遠回りに見える道のつくり方

遠藤:若い選手たちに伝えたいのは、プロになる入口は一つじゃないということだ。高卒で行く道もあれば、大学を経て行く道もある。大事なのは、その期間に何を積み上げるかだよ。

生田:目標の達成時期がずれたからといって、目標そのものを下げる必要はない。むしろ「懸ける思いはだいぶ強い」という本人の言葉に、それが表れていますね。

櫻井:退場で立てなかった舞台があって、総体で結果を出して、大学で点を取り続けている。物語として本当に応援したくなります。これからが楽しみです。

遠藤:僕は卒業を待たずに評価が動くと見ているよ。結果を出し続ければ、必ず見ている人はいる。

生田:失敗を織り込んで走り続ける。やっぱりスタートアップ精神そのものですね。

評価 :5/5。