『キャプテン翼』は現実にあらず。“攻撃的サッカー”で4失点…日本に欠ける守備への理解。育成年代から改革を
誰が書いた記事か、珍しく気になった日のこと
サッカーの記事は日常的に読みますが、誰が書いたかまで気にすることはめったにありません。ところが2014年11月、上に挙げた記事だけは違いました。「日本サッカーに欠ける守備への理解」という切り口に引っかかり、筆者は思わず書き手の名前を確かめたのです。チェーザレ・ポレンギ。聞いたことのある響きでしたが、どんな人物なのかまでは知りませんでした。
チェーザレ・ポレンギとは何者か
調べると、イタリア・ミラノ生まれで、1994年に来日した人物だと分かりました。以来、日本を拠点にサッカーを取材し続けています。
フットボールチャンネル公式のプロフィールによれば、シンガポールでGoal.comのアジア5カ国版の立ち上げと運営に携わったのち、日本に戻ってGoal Japanの編集長を務め、現在は同メディアのマネージング・エディターを務めているとのことです。上の記事も、そのポレンギ氏が書いたものです。
日本サッカーに足りない守備への理解
ポレンギ氏がその記事で指摘していたのは、日本サッカーが攻撃を評価する一方で、守備をきちんと語る文化を持っていないという点でした。当時の日本代表について、氏はこう書いています。
アルベルト・ザッケローニ監督は、オフェンスの選手が徹底して攻撃的にプレーすることで世界の強豪と渡り合えると考えていた。しかし、そのような戦術は恐ろしいほどに間違いだったと言えるだろう。
ゴールの多い試合がもてはやされがちな一方で、そうした試合の多くは守備に問題を抱えている。それがポレンギ氏の見立てでした。
攻撃と守備、どちらが正義か
筆者はこの見立てに全面的には同意しません。サッカーはゴールを決めることを目的とするスポーツであり、攻撃の選手の仕事はゴールを決めることです。守備で4点取られても、攻撃で5点取れば勝てるのがサッカーです。守ることだけが正しいわけではありません。相手より多くのゴールを決めれば、それで勝てるのです。
とはいえ、守備を軽んじてよいという話でもありません。ポレンギ氏は同じ記事で、攻撃力と守備力を両立させたチームの例も挙げていました。
イタリアは、2006年のドイツでベストチームではなかった。しかし、彼らには最高のディフェンスがあった。計7試合において、彼らは2つの失点しか許さなかった(オウンゴールとPK)。そして、彼らはW杯を制したのだ。
攻撃力だけでも、守備力だけでも足りません。両方を高いレベルで持つチームが、最後には勝ち切るということです。
育成年代からの改革に期待すること
ポレンギ氏は同じ記事の中で、育成年代からの守備改革の必要性を訴えていました。ディフェンスラインの連携を高めるコツやディフェンスのポジショニングを改善するためのトレーニング方法のような、現場の指導に落とし込む工夫の積み重ねが、その提言に応える一つの道だと筆者は考えます。
できることなら、セルジオ越後氏とポレンギ氏で「日本の守備」について徹底的に議論する場を見てみたいものです。結論がどちらに転んでも構いません。フットボールチャンネルで、そんな企画が実現することを筆者は期待しています。
