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超一流は、結果が出なくても「頑張らなければならない」


本田圭佑の所属するACミランで、日本人のトレーナーがいることは、サッカー人の中では有名な話です。そのトレーナーとは遠藤友則氏。

私たちがまだ、イタリア(セリエA)は世界最高峰リーグと感じていた頃から、ずっと各国のトップスターの身体の面倒を見ていたようです。
※私の中で今の最高峰リーグはスペインと思っています。

超一流は、結果が出なくても「頑張らない」

サッカー界で世界基準(プレーの評価)のカテゴリに分類される超一流と呼べる日本人選手は、未だ現れていないような気がします。

本田圭佑や香川真司、岡崎慎司や長谷部誠など、有望な選手は海外リーグでも活躍していますが、トップレベルでコンスタントに結果を出し続けていても、超一流としての基準でもある「バロンドール」にノミネートはされていません。

過去に日本人選手でバロンドールにノミネートされた選手は、中田英寿、稲本潤一、中村俊輔の3人で、いずれも現在は引退しているか、Jリーグに拠点を戻したかになっています。

Jリーグからノミネートされるほど、まだ世界の注目を浴びていない日本のリーグですが、あえて超一流に一番近かった選手を取り上げるのであれば、プレーも日頃の行いも含め中田英寿だけではないでしょうか。

海外では外国人枠で起用される日本人選手の中で、超一流と呼ばれるためには、結果を出し続けて圧倒的な努力、すなわち「頑張る」ことは必須であることに間違いはありません。

並大抵の努力では超一流にはなれない

かつて日本人で本田圭佑ほどの努力をして成り上がった選手が他にいるでしょうか。

最近のローマとの試合では2アシストを記録して、その試合のMVPを獲得しています。

http://youtu.be/DIhG8zkZlPc

そしてイタリアサッカー界から、以下のような高評価を受けています。

素晴らしい知性。こんな精度の本田はみたことがない

出典:http://news.livedoor.com/

彼は最高に優秀だった。みんなの模範になる。

出典:http://news.livedoor.com/

ここ数ヶ月は本田圭佑に関する評価が低かったので、久々の記録にメディアもここぞとばかりに過敏反応をしているのかもしれません。

しかし、本当にここまでの評価を受けるほど活躍したのでしょうか。メディアが報じる結果だけをみれば本田圭佑はやっぱり素晴らしいと評価されるかもしれませんが、アシストは昨年9月28日のチェゼーナ戦以来の記録となり、得点に至っては昨年10月19日の2ゴール以降、1点も取っていません。

変革期!堅守速攻日本サッカーの未来

ちょうど上記の記事を公開した時期、本田圭佑の評価は結果とともにうなぎのぼりでした。上記のYouTubeを見れば感じるかもしれませんが、はっきり言って本田圭佑のローマ戦での活躍をそこまで評価するほどのプレーをしているようには思えません。

結果とプロセス。結果だけをみて評価されることはプロである以上避けることはできません。プロセス評価に至っては、自分でプロセスを評価してくれと言うのは論外で、周囲が結果が出なくてもプロセスは評価できると言うのが通例です。

しかし、超一流となるには結果もプロセスも一定以上の評価を受け続けなければなりません。

そして、プロセスに至っては、周囲を黙らせる程の、圧倒的な努力が必要となります。

改めて記述しますが、本田圭佑以上に努力をしている日本人選手は今のところ聞いたことがありません。

ただ、超一流と呼べるほどの結果をコンスタントに出せていないので、これまで以上の努力が必要不可欠となり、結果が出なくてもやっぱり「頑張らなければならない」ことが言えます。

中田英寿の主食はお菓子と言われているが

有名な話ですが、日本代表の中心として長年プレーしていた中田英寿は、代表合宿やワールドカップでスーツケースにお菓子やカップラーメンを持参していたといいます。

超一流と呼ばれるには、自己管理能力が備わっていなければなりません。

一般的に考えると選手の食する食べ物に関して、お菓子や偏食はタブーとされていた時代に、当時代表の中心で一番世界基準であった中田英寿は、そのタブーを貫いていました。

好き嫌いはある、お菓子は食べまくる、日清ラ王を好む、こう言ったタブーとされていた常識を覆したのは、紛れもなく中田英寿でした。

遠藤友則氏のブログでも記載されていますが、

世界のトップクラスの選手が、何を食べているか関心がある人は多いと思うが、そんなに凄いものは食べていないというか、そんなに管理はされていないということである。これは サッカーというスポーツだからかも知れないし、野球とかはもっと自由かもしれない。みんなコーヒーに山ほど砂糖を入れるし、ジェラ―ト(アイス)もたくさん食べる。

出典:http://tomendo0001.blogspot.jp/

要するに、自己管理をしてトップパフォーマンスを発揮することさえできれば、多少の常識を逸脱した非常識を自ら作り出すことは、サッカー界でも許される範疇であることが言えるかもしれません。

超一流を目指すが故に、自ら常識に対して何の疑いもなく忠実に縛りや決まりごとを律儀に守るのではなく、自分が信念を持って取り組むことが必要なのかもしれません。

超一流の定義が何か分かりませんが、自己管理を迷いなく遂行することが初めの第一歩かもしれません。

様々な世界で現れる超一流

超一流とは自分がそうであると主張するものではありません。当たり前ですが、結果とプロセスを見た周囲の人間があなたを超一流と評価するのです。

サッカーで初めて立つ大舞台では、足が地面についていない感覚を味わうかもしれません。しかし、中田英寿も20歳から代表で活躍していますが、試合前は緊張したと公言しています。

http://youtu.be/XMJcQ60GoL0

自分の調子がいいか悪いかは、試合終了後に改めて周囲の反応をみて自己評価をすることがありますが、それはあくまでもあなたの評価です。

冒頭の本田圭佑のようにメディアは高評価を与えるものの、筆者のように、その評価に異議を唱える人間もいるのが事実です。

本田圭佑がどう感じたか、そこに尽きると思います。ローマとの試合で2アシストの結果を残して、周囲は自分を囃し立てる。そこで自分はどう感じるかです。

本田圭佑の言葉を借りると、そこで満足してしまうのであれば、それ以上の成長は見込めません。いつも通りに、高評価を受けても何かが足りないと自己評価をしているならば、伸びしろがあるかもしれません。

どんな世界でも自己評価と周囲の評価に乖離があることは否めません。それは人が違えば評価が違うことは当然のことだからです。

満足しているということは、自分の見えている世界が小さいかもしれませんし、本当の意味でトップパフォーマンスを出し切った結果だと言うことです。

サッカー界の指導者も同じです。自分がどれだけいい指導をしているか自分で評価をすることは、ある意味ナンセンスです。

プロでなくても結果を評価するか否かは、周囲がすることであって自分で評価をするものではありません。

例えその結果を出すまでの過程が良かったとしても、指導者はより高いレベルを求め、超一流の域を目指さなければなりません。

遠藤友則氏のブログでは、以下のように綴られています。

勝つためにチーム、選手を分析し、自分たちに必要な物を取り入れているのである。
間違ってはいけないことは、現代サッカーとかモダンサッカーとかと評し、トレーニングにも流行があるように錯覚するが、世界のトップの指導者は、自らのチームを研究し、医学的、戦術的ベースをもとに新しいもの、忘れられた物を取り入れていくのである。
分析できない指導者、他のチームがやっていることばかり気になる指導者 つまり、考えない指導者は、失格である。

出典:http://tomendo0001.blogspot.jp/

その通りだと思います。今の現状に満足してしまっている指導者が日本には多いかもしれませんが、そんなことはありません。

もっと上を見れば、より高い報酬を受けて指導している人や、より高いレベルのサッカーを研究している指導者は世界には溢れかえっています。

今週の試合結果がどうであったかを振り返る前に、自分の指導で導いた結果ぎどうであったかを振り返る必要があります。

指導者は指導者に最適な環境を整える必要があります。日本で指導している指導者は、Jリーグアカデミーであっても環境は整っているが、今はまだ指導者としての環境が整っているとは言い切れません。

より高いレベルを目指す、超一流を目指すためには、色んな意味でもっと高い要求事項を探さなくてはなりません。自分で探せないのであれば、誰かに探してもらう他ありません。

なぜなら、自分で自己評価をしてしまうとどうしても結果に対して甘い評価を与えてしまうからです。

どんな世界でも超一流は存在します。まずは他業界他業種で超一流と呼ばれる人がどのようなことを成しているか、どのような思考をしているかを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

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