次の試合をどう戦うかではなく、終わった試合のあとに何をするか。そちらのほうを先に見るようになった。勝った負けたの一行で終わってしまう告知が多いなかで、翌朝に何をしたかまで書いてあるものは少ない。
ガーナサッカー協会のページに、U-17のブラック・スターレッツが水曜の朝に1時間の回復トレーニングをやったと出ていました。ブルキナファソで行われているWAFU B U17選手権で、ベナンに3-1で勝った翌朝のこと。場所はサリタス・アカデミーの施設で、カシム・オカンセイ監督と技術スタッフが見ている。ベナン戦で鼠径部を痛めたオスマン・サイドゥ以外の全員が参加した、と名指しで書いてある。金曜の開催国ブルキナファソ戦が、グループ最後の試合になる。
引っかかったのは1時間という長さのほう。90分の試合をやった翌朝に、軽いジョギングと可動域の動きとストレッチで1時間を使う。その1時間が、大会の日程の中に当たり前のものとして置かれていて、しかも協会が外に向けて書いている。短い間隔で試合が続く大会では疲労を管理する必要がある、とわざわざ説明まで付けている。
1日に2試合、そのあいだの時間
日本の女子の育成年代で、試合と試合の間隔がいちばん詰まるのはどこかと考えて、地域トレセンの結果のページを思い出した。山口県サッカー協会が9月の終わりに出した2026年度の中国トレセンリーグU-16の女子の結果は、9月27日の広島会場・みよし運動公園人工芝で、島根県1-2山口県、鳥取県0-7山口県の二行。同じ日に、同じ会場で、二試合。
この形は女子の育成年代でよく見る。参加するチームの数が限られているから、県ごとに集まって1日で消化する。移動の回数も宿泊の数も減る。県協会の側から見れば、これは合理的な組み方です。1日に2試合を消化する地域トレセンの組み方を数えたときも、選考の場ではなく実戦を配る枠としてこれが置かれていることが見えた。
ただ、1日2試合のあいだに何分あるのか、その時間に何をしているのかは、結果のページには書かれない。書かれるのは点差だけ。鳥取県に7点差を付けた試合が1試合目だったのか2試合目だったのかも、二行からは読めない。
回復を見ている人は、そこに立っているか
ガーナの件で名前が出ていたのは監督と技術スタッフ。1時間の内容を決めて、誰を外すかを判断する人が、その朝のグラウンドにいる。鼠径部の負傷という部位の名前まで出ている。
日本の地域トレセンの会場に、同じ役回りの人が何人立っているか。県代表のチームを率いているのは、普段は別の場所で指導している人です。県協会の技術委員会や女子委員会が動かしていて、中国地区ならそこに各県から人が集まってくる。1日2試合の運営をしながら、1試合目で痛めた子を2試合目に出すかどうかを、その場で判断することになる。
帯同している医療の人がいるかどうかは、結果のページには出てこない。大会の要項にも、そこまでは書かれないことが多い。だから分かるのは、二試合が1日に並んでいるという事実だけ。
「1時間」を書くことで何が変わるか
ガーナの協会が書いたのは、特別なことをやったという話ではない。軽い有酸素運動、ジョギング、可動域、ストレッチ。中身はどこの国でもやっている内容です。それでも、やったと書いてあることで、この大会ではそういう時間が日程に入っていると外から分かる。
日本の女子の育成年代の告知は、ほとんどが選出の名簿と結果の数字でできている。誰が選ばれたか、何対何だったか。その手前と後ろにある時間は、書かれていないので数えられない。中国トレセンリーグの二行からは、山口県の子たちがその日に何分走ったのかは出てこない。
ここを責めても仕方がない面はあって、県協会のサイトを更新しているのは専任の広報ではないことが多い。試合をやって、結果を上げるだけで手一杯になる。ただ、1日に2試合という組み方を続けるのであれば、その日の二試合のあいだに何分の休みがあって、そこで誰が選手の体を見ていたのかは、どこかに残しておく値打ちがある。少なくとも、来年同じ会場で同じ組み方をするときの材料にはなる。
女子の育成年代は、年に何日ぶんの実戦が配られるかという話をずっとしてきた。日数を増やすのは難しい。だったら、配られた1日の中身の密度のほうを見るしかない。1日2試合という組み方は、実戦の本数を稼ぐ代わりに、回復の時間を圧縮している。その圧縮ぶんがどこへ行っているのかを、県の結果のページは教えてくれない。
次に中国トレセンリーグの結果が上がってきたら、点差ではなくキックオフの時刻を二つ並べて見る。その差が何時間あるのか。そこからしか、この年代の一日は読めない。
出典: www.ghanafa.org(2026-10-14)