日本の女子育成で数えるべきは代表の名前ではなく、その手前に何段あるか

県協会のサイトを都道府県ごとに開いて、女子の告知だけを順に読んでいます。男子のページと並べると、大会名も制度名もほとんど同じで、違うのは中に書かれている人数と回数のほう。ここ数週間、その差ばかり見ている。

コロンビアの女子U-20代表がポーランドでの合宿二日目を終えたという告知が出ていました。カルロス・パニアグア監督が選んだ選手たちはワンカという街に入り、そこへフランスからシンティア・カベサス選手が合流して18人になったと書かれています。8月29日は9時30分から11時30分までの2時間で、前半をビビアナ・カルドナ、後半をミカエル・フロレスと監督が受け持ち、動きづくりから戦術と技術の確認へ移ったとある。日報のような文面のなかで、18人という数字がそのまま置かれているのが目に残りました。

代表の段は、日本にも同じようにある

同じポーランドには日本も行く。FIFA U-20ワールドカップポーランド2026に臨むU-20日本女子代表には、サンフレッチェ広島レジーナの石田ひなは選手が選ばれています。8月31日から9月3日には岡山の美作ラグビー・サッカー場でU-16日本女子代表候補の国内トレーニングキャンプがあり、同じクラブから島津羽音選手、中川奈南選手、近藤音々選手の3名が呼ばれた。代表の合宿という一番上の段だけを見れば、日本とコロンビアで見え方はそれほど変わらない。

違いは、その手前に何段あるかのほう。JFAの選手育成には、ナショナルトレセン女子U-14、JFA ガールズ・エイトU-12 トレセンプログラムが男子とは別に置かれている。特別指定制度もJリーグ向け、なでしこリーグ向け、Fリーグ向けが別々に運用されていて、2026/27年のJFA・WEリーグ特別指定選手として慶應義塾大の米口和花選手が認定されています。名前が同じなので男子と比べやすい。ただし対象年代も、受け入れるリーグも、選ばれる人数も別。男子の数字をそのまま当てはめると外す。

県の段は、まだ年輪が浅い

福岡県サッカー協会は女子トレセンU13・U14・U15・U17の2026年間計画を出していて、6月27日から28日のKYFA九州トレセンマッチ女子U13・U14へ選手を送っている。県で選び、地域へ送る。この上り方は男子と同じ形。

年輪のほうが違う。茨城県の「第22回茨城県U-15女子サッカー選手権大会」は「第31回関東女子ユース(U-15)サッカー選手権大会 茨城県予選」を兼ねている。関東の大会が31回、県の大会が22回。地域の大会が先に立ち、県の大会が9年ぶんあとから整えられた順序がそのまま数字に出ている。全日本U-18女子サッカー選手権は第30回で、山口県予選会の主管は県協会の女子委員会。男子側の全日本U-12が第50回、クラブユース選手権U-15が第41回であることと並べると、女子の県予選という段はまだ二十数年目という若さ。

もっと下も動いている。群馬県サッカー協会は2026年度から女子サッカー普及・育成プロジェクトを始め、9月19日にフットステージ新前橋でGuFA U-12女子スキルアップ練習会を開くとして参加者を募集しています。選抜ではなく普及として設計されていて、「もっと上手くなりたい」層に向けて告知されている。県が小学生年代の練習会を直接開くところから始めなければならないという事情が、この一枚に出ている。

海外に出る人数は、年に4名という単位で決まっている

育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD は2023年度から動いていて、レアル・ソシエダード、バイエルン・ミュンヘン、フラムFC、リバープレート、ロサンゼルス・ギャラクシー、UANLティグレス、コモ1907、アヤックス、オリンピック・リヨン、アイントラハト・フランクフルトと行き先が並ぶ。多くは1回4名で、年に4回から5回。女子が入ったのは2025年度で、バイエルン・ミュンヘン女子へ8月15日から30日まで4名。これが初めてでした。2026年度は第2弾としてU-17日本女子代表の4名が同じバイエルン・ミュンヘンへ派遣され、マイナビ仙台レディースユースの樋口らら選手、INAC神戸の北村礼選手が含まれています。

「日本の女子は海外経験が足りない」と一般論で言う前に、この数字を置いたほうがいい。足りないのは意欲でも指導でもなく、年に何人分が用意されているかという数。男子が三年かけて増やしてきた回数を、女子は二年目で追っている最中にある。

だから、代表に誰が選ばれたかを追うだけでは、日本の女子育成年代は見えてこない。サンフレッチェ広島レジーナの選出報道のように、女子はリーグ戦の結果より代表選出のほうが外に出やすく、そのぶん手前の段が数字として流通しない。群馬のU-12練習会に何人が集まり、福岡の県トレセンから九州トレセンマッチへ何人が送られ、その先の年間4名にどう届くのか。上と下の両端から人数を数え、段と段のあいだで何人が消えているのかを追っていきたい。

出典: fcf.com.co(2026-08-29)

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