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育成と代表に足りないもの


あなたはどれぐらいサッカーを知っていますか?

攻撃ではトラップからシュート、そしてゴール。守備ではボジショニングからカバー、そしてスライディング。それぞれが自分のサッカー感を大事にしていることでしょう。

何が正解かなんて、サッカーに答えはありません。ただ、このような場面ではこうした方がいい、こう言うプレーの優先順位を考えた方がいい、モチベーションの保ち方はこうした方がいいなど、自分の中で意外と答えがあったりします。

ただ、それが正解かどうかは分かりません。

学ぶ意識を常に持ち、いつもと違う視点で見る

強いチームは理論と実践をバランスよく学ぶ

こちらのリンク元の記事を、読者の皆さんが自分なりにサッカーとリンクさせて読んでみてください。

さらに、ただ単に読むのではなく、あなたが選手の立場、指導する立場の2つの立場を意識して、読みながら自分のサッカー感に当てはめてください。

如何でしたでしょうか。いくつか重要かと思われる箇所を抜粋してみます。

チームが環境変化に適応できるだけの柔軟さ

【選手】
自分の調子が本調子でないがために、チームに迷惑をかけるのであれば、それを撃ち破るためのゴールで示すか、早々にベンチへ下がった方がチームのためになる。

【指導者】
本田圭佑のように、フリーキックを何度も蹴って何度も枠を外すのであれば、その試合だけでなく、大会を通じて適応できるだけの柔軟さが必要である。

環境の変化に適応することを拒み続けていては、そのチームは結果を出すことはできません

【選手】
開始5分で仲間が退場処分に。10人で戦わなければならない状況になった場合、皆が意識して10%いつもより多く走ることができれば、1人分の穴を埋めることも可能だ。

【指導者】
後半残り10分、先制した相手が10人も引いて守り始めた状況で、これまで通りどう崩すかを考えてはいけない。崩すことが目的ではなく、ゴールすることが目的であるため、崩さずにゴールを取る方法を考える必要がある。

環境変化に応じて新しいスキルや考え方をメンバーが学習していけるかどうかでチームの強さが決まります

【選手】
代表やトレセン、選抜から帰ってきた選手は、学んだこと、感じたことを、自分の中だけで消化することはナンセンスです。チームメイトと共有し、新しい考えをチームのものにすることで、自分のためになるのです。

【指導者】
新しいスキルや考え方は待っていてもやってきません。積極的に自ら新しいものを取得しに行くこと、失敗を恐れず新しいトライをすることで、初めて学習できるのです。

学んだことを実際に自分のチームでやってみようとした場合、すんなり導入できることは稀です

【選手】
スタジアムやテレビで観たプレーが理想であっても、いざ自分でプレーしようとすると上手くいきません。しかし、プレーすることが大事であり、そう言う意識でサッカーを見ることで、いずれは自分の武器に変わるのです。

【指導者】
バルセロナの試合を100回観ても、90分を通して選手たちに再現させることはできません。選手がバルセロナの試合を100回観るように指導した方がいいかもしれません。

理論だけでは頭でっかちで具体的な成果はほとんどでませんし、実践だけでは近視眼的になり局所解に陥る危険があります

【選手】
チーム、監督の理論を理解することが大事です。さらにそれをフィールドで表現できなくては意味がありません。どちらが欠けても成果につながる確率は低くなります。

【指導者】
練習でしたことが試合で出来ているか、試合で出来なかったことを練習で修正できるか、選手を使い成果を生むには、選手へのインプット(指導)が、選手からのアウトプット(プレー)であることを追求しなければなりません。

自分たちのチームで使うのであればどうすればよいか

【選手】
常に自分に置き換えてイメージする必要があります。チームでも個でも、自分のもの、自分たちのものにしなければ使うこともできません。

【指導者】
使う前に、自分のチームであればどうなるかを考える必要があります。イメージしてそのままを取り入れるのではなく、自チームで使えるように一工夫する必要があります。

メンバーが各々違った観点から知識をシェアできると、多様な知見がチームに集まりやすくなります

【選手】
仲間の気に入らないプレーもあるかもしれません。しかし、自分の観点を少し考え直すだけで、その気に入らないプレーも上手く利用できるかもしれません。要は自分がどう捉えるかです。

【指導者】
サッカーに正解がないことを前提に、チームとしてのテーマやビジョンを設定すれば、違った観点を持つ選手同士でもシナジー効果を生み出す可能性が高いです。ブレない目的を設定することが大事ですし、それに辿り着く過程に正解はありません。

サッカーは個とチームのスポーツである

個でもチームでも、理論的にサッカーを知ることが大事です。また、実践でしか得ることができないことも多いです。どちらもバランスよく学ぶことで、より良いプレーができる可能性が高くなります。

なぜ、あの選手はバックパスを選んだのか、なぜこの練習をしたのか、なぜ相手DFの間合いがこんなに狭いのか、なぜボールウォッチャーになるのか、なぜ前を向けなかったのか、なぜシュートを打たなかったのか、なぜフリーキックで壁に当たってしまったのか、細かく考えていくと様々な理由や要点を掴むことができます。

そして、学んだことを実際にプレーしてみると、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのかが追求できるかもしれません。さらに予想もしていなかったことに出会う可能性もあります。

個が一人一人、細かいところまで理解し実践できるようになることで、その集合体であるチームも同じ想いや考えを共有することができると、チームに変化が生まれるかもしれません。

育成と代表に足りないもの

育成では、自分さえ良ければ結果がどうであれ知ったこっちゃない選手がいるかもしれません。

代表では、自分を押し通すが故にチームの足かせになっていることもあるかもしれません。

試合全体でも、一つのプレーでも、目的を明確にすることで、ブレない強さを作ることが可能です。

まずはサッカーを徹底的に理論的に知ること、そして一つの目的をチームの中で共有しプレーすることで結果が伴うのです。フィールドの中で解決できなかったこと、外から打開策を導き出せなかったこと、2つも揃えば結果が伴わないのは当たり前です。

アジアカップを機に、何がダメだったのか、何でダメだったのか、何をどうしたらよかったのか、日本サッカー界全体で、育成選手から指導者全員が考える必要があるかもしれません。

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