クラブのページに上がってくる育成年代の結果を上から順に開いても、何人が見ていたかという行はどこにもない。得点者の名前も交代の時間も並んでいるのに、観客の数だけが抜けている。公式の記録に入っていないのだから当たり前で、長いことそこを気にせず読み飛ばしていました。
イタリアのサッカー協会が、U-21の欧州選手権予選の最終戦について、地上波で中継された番組を何人が見ていたかという数字を自分たちのサイトに出しています。同じ年代の予選の過去の試合と並べてどのあたりに来るか、前回の対戦のときはどうだったかという比較まで、一緒に置かれていました。
協会が、勝ち負けではなく見ていた人の数のほうを自分の記録として残している。日本で同じものを数えようとすると、数字が大きいか小さいかの前に、そもそもその行が立っていないところへぶつかる。U-21の公式戦なら、こちらにも2026/27シーズンから始まったものがあります。
呼ばれたのはスクール生だった
FC東京が、9月20日の日曜にあったU-21川崎フロンターレ戦の会場で、スクール生限定のホームゲームイベントを開いたと、クラブのスクールレポートに書いています。文中に「初の試み」と添えられている。リーグそのものについては「若手選手の育成・強化を目的に、Jリーグが2026/27シーズンから新たに創設したリーグ」と説明していて、その日はトップチームの選手とFC東京U-18の選手がピッチに立っていた。
引っかかったのは、招かれたのがスクール生だったこと。チケットを外に売って知らない人に来てもらったのではなく、すでにクラブの名簿に名前がある子どもと、その家族に声をかけている。新しいリーグの客席は、いまのところクラブの内側から埋まっている、ということではないかと。
動いているのもアカデミーの側ではない。スクール、つまり毎週子どもを集めている普及の部門が、同じ子どもを日曜の午後にもう一度呼んで、数歳上の公式戦を見せた。育成のために作ったリーグの観客を、育成の手前にある普及の名簿で用意したことになる。
見せている相手も効いている。その日ピッチにいたのはトップチームの選手とFC東京U-18の選手で、スクールに通う小学生から見れば、自分と同じクラブの名前が付いた数年先の人たち。よそのプロの試合を見に行くのとは、見え方が違う。普及の事業の側からすると、これほど説明のいらない材料もない。
入れられる人数が先に決まっている
U-21 Jリーグはスタジアム興行として立ち上がったわけではなく、クラブのグラウンドで回っている。以前会場の欄に練習場と町の運動公園が並ぶのを数えたときにも思ったが、育成年代の試合は、人をたくさん入れることを前提にした場所ではやっていない。入る人数が先に決まっているなら、誰に来てもらうかは、新しい客を探す話ではなく、どの名簿を開くかという話になる。
その判断自体はよく分かる。開いたページの向こうには、すでに毎週グラウンドに来ている家庭が並んでいて、日程も連絡の経路もクラブが持っている。売り込む手間がいちばん少ないところから埋めた、というだけのこと。
ただ、埋めた結果の数は外に出てこない。クラブユース選手権にもJユースカップにも回数は積まれているのに、結果を追っていて観客の数に出会った記憶がない。初の試みと書かれたあの日曜に何人が入って、次の節は何人だったのか。その二つが並んで初めて、スクールに声をかけたことが効いたのかどうかが分かる。クラブの中では当然集計されているはずで、ただ外には出ていません。
育成年代のリーグを「若手の出場機会」という一点だけで語ると、ここが落ちる。出場機会は作った。では、その試合を誰が見ているのか。見ているのが選手の家族と関係者だけなら、公式戦として積む意味は選手の記録の中にしか残らない。そこへ同じクラブのスクール生が入ってきたのが、一年目の秋に起きたこと。
次に見るのは、FC東京以外のクラブのスクールのページに、同じ案内が並ぶかどうか。
出典: www.figc.it(2026-10-06)