中学生の世界大会が8人制20分ハーフで組まれた日、日本のU-13はまだ11人制に上がったばかりだった

手元に、息子が小学生のときに使っていた8人制の大会の要項が残っています。コートの縦横が書いてあって、試合時間が書いてあって、交代の回数が書いてある。日本の小学生年代はこの紙でサッカーをしてきた。中学に上がると、この紙はいらなくなる。11人になって、コートが広がって、時間が伸びる。そういう順番で来たはずだった。

JFAが10月16日に発表したU-15日本代表のメンバーは14人。アゼルバイジャンで行われる「FIFA U-15ワールドカップ&フェスティバル アゼルバイジャン2026」に臨む。FIFAが新設したU-15年代の国際大会で、世界191か国が参加する。通常より小さいコートを使い、8人制の前後半20分ハーフで試合が行われる。日本は24日にソロモン諸島と初戦を戦う。

8人制。20分ハーフ。登録は14人。中学生の世界大会が、日本の小学生年代でおなじみの数字で組まれていた。

40分と14人が何を決めているか

前後半20分ハーフなら一試合40分。14人の登録で8人がピッチに立つなら、ベンチは6人。11人制で18人を登録して11人が立つときのベンチ7人と、数字そのものはそう変わらないように見えます。ただ分母が違う。8人のうち1人を替えるのと、11人のうち1人を替えるのとでは、ピッチの中で起きる変化の大きさがまるで違う。8人制は一人の交代が陣形の輪郭を変えてしまう。だから出す側は、誰をどこに置くかを40分の中で何度も考え直すことになる。

そして40分という長さは、一人の子が一日に複数試合をこなせる長さです。191か国を集めて日程に収めようとすれば、この数字以外に選びようがなかったとも言える。参加国を最大にするための設計が、そのまま「一人あたりの試合数を増やす」方向に転がっている。

日本のU-13は11人制に上がったばかりで、まだ県の中にいる

ここで日本側を同じ物差しで見ると、ちぐはぐなものが出てきます。

小学生年代の全日本U-12は第50回。半世紀続いていて、8人制で、年末の鹿児島に全国の代表が集まる。協賛企業も46年・21年・20年と長く並んでいる。日本の8人制は、資本も回数も揃った上で回っている文化です。

その上のU-13はどうか。長野のU-13リーグは第13回で、8月29日の第12節のあと、次の第13節は9月22日。三週間以上あいている。U-15には第41回のクラブユース選手権があり、U-12には第50回の全国大会がある。あいだのU-13だけが、県単位のリーグ戦として13年目を歩いている。11人制に上がった最初の一年は、全国の器を持たないまま、県の中で日程の隙間と付き合っている。

このU-13の日程が三週間あく話を数えたときに引っかかったのは、年代の谷という言い方で片付けられていることでした。谷なのではなく、8人制から11人制へ上がる設計を、日本は県ごとのリーグ運営に預けたままにしている。

上がった先に、もう一度8人が置かれた

FIFAが新設した大会の規格を見ると、日本の子にとっての順番が入れ替わります。小6まで8人制、中1で11人制、そして中3で世界に出るとまた8人制20分ハーフ。上がって、広がって、また戻る。

これを後退と読むのはたぶん違う。8人制は、一人がボールに触る回数と、判断を迫られる回数が多い形です。191か国を入れるために選ばれた規格が、結果として一人の子の関与量を上げる方向に効いている。日本の小学生年代が半世紀かけて積んできたのは、まさにその形でした。

問題は、日本の中1から中2にかけての2年で、その形が一度手から離れることです。U-13が県リーグとして13年目、全国の器がない。試合の間隔は三週間あく。11人制に上がった子が、広いコートで触る回数を減らしながら、日程の薄いところを歩く。そのあと中3で、またボールに触り続ける40分へ放り込まれる。

地域のU-13リーグが第13回まで積まれ、Jクラブの下部組織と街クラブが同じ参加表に並ぶ場所もある。だからU-13がどこにもないという話ではない。ただ、その2年で何人制の何分を何試合やったのかは、県ごとの日程表を開かないと誰も答えられない。U-12の全国大会は第50回、クラブユース選手権U-15は第41回と数えられるのに、そのあいだの2年だけが県の数だけ散らばっている。

何を数えておきたいか

代表に入った14人がアゼルバイジャンで何をしてくるかは、結果として出てきます。ただ、その14人が中1と中2の2年でどれだけボールに関わる形の試合をしてきたかは、どこにも集計されていない。

8人制で育った子を11人制に上げ、2年後にもう一度8人制の世界大会に送り出す。この往復の真ん中に、県ごとに形の違う2年がある。全日本U-12の第50回とクラブユース選手権の第41回という回数は、その2年の薄さをかえって際立たせる。

だから次は、長野のような県のU-13リーグの日程表を何県ぶんか並べて、第何節と第何節のあいだが何日あいているかを数えたい。40分を191か国で分け合う大会の規格より先に、中学1年生の一年に何日ぶんの公式戦が配られているかが知りたい。

出典: www.the-afc.com(2026-10-16)

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