11対11の紅白戦を一本組むのに、人は何人いればいいのか。
ゴールキーパーまで入れて22人。交代も怪我も勘定に入れず、ただ両方のチームを立たせるだけで22人が要る。代表の活動で登録されるのが23人なら、余りは1人しかない。ここが崩れるのは、そう珍しいことではない。
U-21日本代表がアジア競技大会に入るとき、海外組ら5人が所属クラブの事情と国際Aマッチウィークの影響で合流に間に合わず、16日のグループリーグ初戦・香港戦には18人で臨むことになりました。登録の23人がそろわないので、練習で11対11の紅白戦が組めない。
そこで何をしたか。14日から2日続けて、地元の若手選手が各4人、トレーニングパートナーとして練習に入っています。名古屋グランパスU-18の4選手が加わった。
ウェールズのU-21も、最終予選の最後の一戦を前に二人を欠いていた。片方は前の試合の前半終了間際、短い時間に警告を二枚もらって退場になったダン・コックス。監督のマティ・ジョーンズは、待機していた選手の中から誰も呼び寄せていないと言い、この二試合目を越えるだけの層は今いる選手の中にある、むしろ別の顔ぶれを試す機会になる、と話していました。
足りなくなった人数を、今いる名簿の中で処理するか、名簿の外から足すか。ジョーンズが「呼ばない」と言ったのと同じ種類の場面で、日本のU-21は外から足した。足されたのが名古屋グランパスU-18の4人です。
その2日は、本人のどこに残るのか
この4人がやったことは、トップ年代の代表の紅白戦で、おそらく相手側に立つこと。しかもその日かぎりではなく、2日続けて。
ただ、この2日は大会の記録のどこにも数字として乗らない。出場分数にならないし、2種登録のように登録の区分が変わるわけでもない。クラブが申請して技術委員会が認定する、という手順も踏んでいない。高校生がJの公式戦に立つときの火曜の正午に申請して木曜に認定という段取りとは、入り方そのものが違います。制度として置かれているものではなく、人が足りない日に現場が回して成立している。
だから、この日に呼ばれる条件も進路の評価とは別のところにある。プレミアリーグでの出場分数でもなければ、インターハイの優秀選手でもない。代表が合宿を張っている場所から近いか遠いか。名古屋グランパスU-18の4人がそこにいたのは、活動地のそばにそのクラブがあったからです。
高校生年代の選手がどう見つけられるかを語るとき、普段は全国リーグの累積か、短期の全国大会での露出か、という二本立てで話が進む。けれどこの4人が触れたのは、そのどちらでもない時間。選考も表彰も挟まずに、アジア競技大会に行く23人と同じピッチで90分近くボールを蹴った。
数えると、地理が効いている
年代別代表の活動は、招集のズレでいつでも人数が足りなくなる。海外のクラブに所属する選手が増えるほど、合流の日はばらける。つまり「足りない日」はこれからも定期的に来る。
そのたびに、近くのJクラブのU-18や大学のチームに声がかかる。逆に言えば、合宿地から遠いところにいる同年代の選手には、同じ強度の2日間が一度も回ってこない。学年でも、所属カテゴリーでも、リーグの階層でもなく、合宿地からの距離で配られている時間がある。
これを不公平だと言いたいのではない。前日に22人を立たせなければいけない現場の判断として、近いクラブに電話するのは当たり前です。ただ、育成年代の経験の総量を考えるとき、全国大会の出場校一覧や代表の名簿を見ているだけでは、この2日分はどこにも見えてこない。見えないまま、確実に積まれている。
ウェールズの監督は、若い選手を入れて次の予選に向けた準備をさせている、と自分のチームについて説明していた。日本の場合、その「入れている若い選手」の一部は、代表の名簿の外側から、その週だけ呼ばれて帰っていく。
次に「合流遅れ」「メンバー未到着」という代表の記事が出たら、18という数字の手前で、その週に同じピッチへ呼ばれた高校生年代が何人いて、どこのクラブから来たのかを先に探す。
出典: faw.cymru(2026-10-05)