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サッカー選手は17歳でプロへの第一歩を踏み出さなければならない


17歳は学年でいうと、高校2年生の年です。


今はまだ高校で友達と楽しい時間を過ごしながら、サッカーの時間は少し気持ちを切り替えてトレーニングをしているかもしれません。


ふざけ合いながらも切磋琢磨している選手もいるでしょう。既にサッカーをやめる決意をした選手もいるでしょう。また、世界のトップリーグで活躍する自分の将来像を描きながら、今日のトレーニングで何をするべきか、自分に足りないものや身につけなければいけないことが明確で、日々過ごしている選手もいるでしょう。


それはそうと、あなたは3年後の自分を描いたことがありますか。


3年後は20歳です。いわゆる成人を迎えているわけですが、自分がどこでサッカーをしているかイメージして見てください。


大学なのか、Jリーグなのか、イタリアやスペイン、イギリスやドイツのトップリーグなのか、引退なのか、そんな漠然と描くのもいいでしょう。


では、もう少し具体的に3年後の自分を想像して見ましょう。


明治大学で背番号10を背負って大学リーグの得点王を目指しているのか、Jリーグでベストヤングプレイヤーを受賞する活躍をしているのか、セリエAで世界のトッププレイヤーへピンポイントのクロスボールを供給しているのか。


あなたは自分の3年後をどう描いているのでしょうか。

U-17日本代表で見る3年後

U-17の年代で開催される「FIFA U-17 World Cup India 2017」の開催まで200日を切りました。


この年代では、まだまだ個の身体能力が高い国が優勝することができる年代です。裏を返すと、この年代では身体能力が高くなければ優勝出来ない年代でもあるのです。


絶対勝てないかといえば勿論そうではありませんが、いくら高い技術や高いチーム戦術を持って試合に挑んだとしても、個の身体能力の差でやられてしまう場面が多くなるのは目に見えています。


今のU-17日本代表のメンバーは、まだ比較的身体能力の高い選手が集まっているようにも思いますが、だからと言って今から短期的に個の身体能力を上げることは不可能なので、身体能力について語るのはやめておきましょう。


ここで言いたいことは、彼らにとってこの大会は何を意味しているのかと言うことです。


世界基準のモノサシで自分の実力やレベルを正確に測ることができる機会だと言うことを忘れてはいけません。普段、日本だけを視野に入れたトレーニングをしていては、この大会で世界との差に驚いて終わりを迎えるでしょう。


また、普段から世界を意識してトレーニングしている選手にとっては、この大会で3年後の自分がどのようなクラブで、どのようなポジションで、どのようなプレーをしているのか、具体的な自分の将来像とリンクして、より具体的に自分の3年後や未来を描けるようになるでしょう。


もはやJユース育ちだけがそのような貴重な経験を積めることになると言うことも少し考えなければなりません。


FIFA U-17 World Cup India 2017に挑む可能性の高い選手(今回選出されたメンバー)の出身クラブを、中学高校で確認して見ましょう。


GK1谷晃生(G大阪ユース-G大阪Jrユース)
MF2東俊希(広島ユース-FCゼブラ)
DF3小林友希(神戸U-18-神戸U-15)
MF4平川怜(FC東京U-18-FC東京U-15むさし)
DF5瀬古歩夢(C大阪U-18-C大阪U-15)
MF6喜田陽(C大阪U-18-C大阪U-15)
DF7菅原由勢(名古屋U18-名古屋U15)
MF8井川空(札幌U-18-プログレッソ十勝U-15)
FW9山田寛人(C大阪U-18-ホペイロJrユース)
MF10福岡慎平(京都U-18-京都U-15)
FW11宮代大聖(川崎F・U-18-川崎F・U-15)
GK12青木心(JFAアカデミー福島U18-JFAアカデミー福島U15)
FW13中村敬斗(三菱養和SCユース-三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)
FW14棚橋尭士(横浜FMユース-横浜FMJrユース)
FW15森海渡(柏U-18-柏U-15)
DF16監物拓歩(清水ユース-清水Jrユース)
DF17池高暢希(浦和ユース-SSSジュニアユース)
MF18椿直起(横浜FMユース-横河武蔵野FCJrユース)
DF19菊地健太(JFAアカデミー福島U18-JFAアカデミー福島U15)
DF20デューク・カルロス(川崎F・U-18-川崎F・U-15)


こうも世代別の日本代表がJユース出身となると、彼らがもしFIFA U-17 World Cup India 2017に参加したとしても、その3年後はどんな姿であるか容易く想像ができます。


U-17の日本代表に選ばれた選手でも、おそらくトップチームに上がって出場機会を求めて日々苦しんでいる選手がほとんどではないでしょうか。勿論、その中でも数名はクラブの中心選手として活躍するほどに成長しているかもしれません。


1つ懸念点があるとすれば、彼らJユース出身の選手が、トップチームに上がる時に気兼ねなく20歳で世界のクラブへ移籍できる環境や契約となっているかです。


なかなか自分が育ったクラブを離れて挑戦することには何かしらの勇気がいることでしょうが、一方で、初めから世界を意識してサッカーをしている17歳であれば、必ず自分を取り巻くJユース独特の弊害を感じることにもなるでしょう。

NEXT GENERATION MATCHで見る3年後

NEXT GENERATION MATCHが開催されました。これだけU-17ではJユース出身の選手が選出されているなか、同世代の大会の結果をみると、高体連の選抜チームに負けてしまうのです。


サッカーの魅力でもありますが、この世代ではこのように技術や戦術だけでは勝てない、メンタルや身体能力で結果が左右されるのです。


FUJI XEROX SUPER CUP 2017の前座試合として、NEXT GENERATION MATCHのU-18Jリーグ選抜VS日本高校サッカー選抜が対戦した結果、4-0で日本高校サッカー選抜が勝利しました。


高校選抜は、第95回全国高校サッカー選手権大会の優秀選手を中心に選抜された選手で構成するチームです。


この結果をもって過去も含め、Jユースに勝ち越しているのは高校サッカー選抜となりました。2010年から始まったこの試合の結果は以下の通りです。

FUJI XEROX SUPER CUP 2010
フレンドリーマッチ
U-18Jリーグ選抜1vs1日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2011
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜2vs1日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2012
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜3vs0日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2013
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜0vs0日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2014
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜0vs1日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2015
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜1vs2日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2016
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜1vs1日本高校サッカー選抜

FUJI XEROX SUPER CUP 2017
NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜0vs4日本高校サッカー選抜


キャプテン翼で出てきたリアルジャパンセブンのように、高校サッカー選抜を中心とした世代別の裏日本代表を作るプロジェクトを開始してもいいのではないでしょうか。


彼らを見ていると、3年後大きく飛躍しているのは勢いのある日本高校サッカー選抜のメンバーであるような気がしてなりません。


可能であれば、そんな彼らにも17歳時点で本気で世界と戦う機会を与えてあげたいところです。

中田英寿以来、現れていない本物。17歳の3年後とは

誰もがご存知の中田英寿。まずはじめに日本人の17歳に今後求められることとして、中田英寿のような「倒れない強さ」すなわち「世界基準のフィジカル」が言えるのではないでしょうか。


17歳の時点でJリーガーにも負けないフィジカルをつけろと言ったものではありません。17歳の時点で意識をし始める年齢ですよと言うことです。


フリーウェイトトレーニングやマシンを使ったガチガチの筋トレをする必要はありませんが、柔らかくしなやかな筋肉の上に鋼のような一枚板で覆われたような、そんな身体を作り始める意識をする年齢なのです。


まだまだ身長が伸びる年齢でもあるので、どちらかといえば身長を伸ばすためのトレーニングをすることが求められますが、身体のベースとなる部分のトレーニングは始めてもいいのではないでしょうか。


それはあくまでも3年後に自分がどのステージにいることをイメージするかで変わって来ます。


例えば3年後、Jリーグで活躍しているとイメージするのであれば、18歳で高校を卒業してからJリーグクラブへ入団した時点、すなわちメディカルチェックや初めてのキャンプが始まってからトレーニングをしても、決して遅くはないでしょう。


しかし、あなたが3年後にイタリアやスペイン、ドイツやイングランド、これからはアメリカや中国などといった世界のリーグで活躍するとイメージしているのであれば、少し早いタイミングで身体を自らの意思で作り上げなければなりません。


なぜか。日本ではある程度育成期間の延長として一定期間(21歳まで)は待ってはくれるでしょうが、あなたは海を越えた瞬間に外国人となり、例え18歳であっても20歳であっても即戦力の1人として見られるわけです。フィジカルが弱いのにスタメンフル出場で使い続けるなんて状況は非常に考えにくいと思いませんか?


圧倒的な技術があっても、プロフェッショナルの世界はフィジカルがなくてはなりません。とくに海外は以ての外でしょう。


中田英寿以降、海外へ挑戦した選手でフィジカルが世界の基準を超えているのは本田圭佑ぐらいで、その次に武藤嘉紀や岡崎慎司、長友佑都らが続くでしょう。


過去にスペインやドイツへ挑戦したJリーグ三年連続得点王の大久保嘉人はまた少し違ったフィジカルの持ち主です。どちらかと言うと、身体のの使い方、ボールの置き方がうまいのでフィジカルがより一層強く見えるのでしょう。


ただ、やはり中田英寿以降の選手でフィジカルだけではなく、サッカー選手としてホンモノは現れていないと感じてしまうのです。


17歳のあなたが3年後にどこでプレーすることをイメージするのかはあなた次第ではありますが、今のあなたのフィジカル(筋力の他に走力も含まれる)では、とてもプロフェッショナルの世界で戦えるとは思えないことを、自分で知る必要があります。


17歳のあなたがこれから一番伸びる時期と思ってもいいでしょう。その年齢こそが、まさしく第1段階の大人の階段を登るタイミングです。


アマチュアからプロフェッショナルのサッカー選手へ気持ちの面、身体の面、サッカーに対する全ての面において、意識を切り替えるタイミングなのです。

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