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サッカー指導者必見、QC七つ道具「特性要因図」で選手のプレーを分析してみよう


サッカーの指導者であるあなたは、毎日どのような方法で選手を分析していますか?


あなたがこのNEWJIのコンテンツにたどり着いた時点で、それなりにサッカー指導者として向上心がある方なのでしょう。


なぜなら、おそらくあなたはサッカー指導者としてどうするべきかを調べているうちにNEWJIにたどり着いた可能性が高いからです。


本日はそんなサッカー指導者で上を目指しているあなたに、ワンランク上のサッカー選手分析方法と題し、あなたが指導しているサッカー選手を分析するのに最も適した分析ツールをご紹介したいと思います。


新、サッカー選手の分析方法-QC七つ道具-

世の中には色んな分析の仕方があります。勿論、今もサッカーの分析方法で最新の分析の仕方!などと謳った書籍やセミナー、他の指導者からのお話にもあるかと思います。


サッカーを分析する場面を想像すると、簡単に思いつくのはスカウティングなどが当てはまるのでしょうか。


次の対戦相手のサッカーの試合を見て、フォーメーションから出場している選手、そしてコーナーキックの立ち位置やどこにボールが集まるか、そしてどのような攻撃パターンやディフェンスの抜け穴があるかなど、スカウティングで分析するポイントは多数あると思います。


そもそもスカウティングをしたことがないサッカー指導者はいないと思いますが、ただ単に試合を見てポイントを絞るだけでは本物の分析とは言えません。


その分析結果を次の試合に活かさなくては、ハッキリ言ってどんな分析結果も単なる数字や図と化してしまうでしょう。


当然、スカウティングした分析結果を次の試合に活かしているとは思われますが、今回このNEWJIで学ぶのは「新、サッカー選手の分析方法」です。


と言っても、ただ単に製造現場や生産工程で品質管理に使われる「QC七つ道具」をサッカーに置き換えて使うと言うだけなのですが…


QC七つ道具とは

日本の製造業を世界一の品質にした一番重要な手法で、おそらくこの分析ツールが無ければ、日本は世界一の品質にならなかったでしょう。
身の回りにある問題の95%は,QC七つ道具をうまく活用すれば解決できると言っても過言ではありません。
品質管理のための実情データを分析する「道具(ツール)」となります。


世界一の品質と評される日本の製造業を支えた品質管理分析ツールを、サッカー界の選手の分析ツールとして活用して見てはどうだろうかと言う内容となります。


もしかしたら、そのようなデータや数字が苦手なサッカー指導者が多いかもしれませんが、逆に言うと数字ほど正確で信頼できるものはありません。


分析対象はスカウティングのような対戦相手ではなく、自らが指導する教え子たち、すなわち自クラブのサッカー選手が対象となり、彼らの日々の活動(練習や試合)を管理し分析し改善し次に繋げて成長を見届けるのです。


では、その分析方法にはどのようなものがあるかを見てみましょう。


新、サッカー選手の分析ツール-特性要因図-

製造現場とほ全く無縁の方でも問題ありません。ただ想像するだけで結構です。


製造現場では、品質のバラツキを抑えるために日々試行錯誤を繰り返し、皆様の元へいつでも一定の範囲内におさまった品質の商品が届くように管理されています。


今回は、サッカー選手やチームの活動のバラツキ(問題を発見、原因を把握、解消の確認)を改善、安定させるためのツールとして目を通してください。


特性要因図は問題の要因を探る



出典:http://www.kaizen-link.com/


特性要因図は英語ではCause and Effect Diagramとか形状が魚の骨に似ている事からFishbone Diagramと呼称されます。ある事象(特性)に対する原因(要因)を系統的に整理して関連付ける事に使用します。


要するに、サッカーに置き換えると、問題となる「シュートがゴールに入らない」「ドリブルで相手を抜けない」「パスが思ったところに通らない」等の課題や問題があるときに、その事象に対する原因は何かを探すことになります。


例えば…
シュートがゴールに入らない


このような問題に直面した場合は、色んな要因を考えてひたすら思いつくままに書き込むことになります。ちなみに考えられる要因としては以下のようなことが考えられます。


利き足ではない足でシュートした
ディフェンスが見えていなかった
シュートコースが甘かった
シュートのタイミングが悪かった
余裕がなかった
ゴールが見えていなかった
冷静ではなかった
ゴール前で相手に競り負けた
ゴールまでの距離を見誤った
軸足の置く位置が悪かった
グラウンドが悪かった
最後までボールを見ていなかった
シュートする角度がなかった
ボールの下を蹴ってふかしてしまった


今簡単に取り上げただけでもいくつもの要因と思われる事象が確認できました。自分が指導している選手が「シュートを外した」「ゴールが決まらなかった」場面を、リアルに想像し客観的に見て、なぜ決まらなかったのかをサッカー指導者なりに分析して見てください。


そして、振り返って書き出したそれらの要因を、あなたの思うがままに特性要因図として作成して見てください。


おそらくシュートが入らないことに対する「要因」を整理することができて、本質的な課題や問題が何であったかを知ることができるでしょう。


新、サッカー選手の育成方法–

これから数回にわたり、このQC七つ道具をご紹介したいと思いますが、特性要因図はあくまでも最初の第一歩です。


まずはサッカー選手が抱えている課題や問題の要因が何かを特定し明確にする必要があります。


また、その因果関係を整理することで、多角的にかつ的確に選手へアドバイスや問題解決の道を示すことができるでしょう。ただ、この特性要因図だけでは問題解決には至りません。


そしてまた、サッカーと言うスポーツは絶対的な答えはありません。しかし、どんな場面でも確率の高い方を選択すること、より可能性のある方を選択すること、その確度を高めて行くことで、出来なかったことややりたかったことが出来るようになります。


ひたすら練習することも大事でしょう。ただ、闇雲に練習をするのではなく、整理された要因を一つ一つ解決するために、確実なデータを用いて、より効率的に確実に課題を解決し、選手の成長曲線を正しい方向へ導いてあげることが必要ではないでしょうか。


目の前の試合に勝つことだけを考えている指導者の時代は終焉を迎えています。


サッカー選手として大成させるためには、選手は絶対的に良き指導者の助言や指導が必要となります。


その良き指導者となるかどうかはあなた次第。選手一人一人の育成方法を考え、個の強さやうまさを高めつつ、チームとしても勝つ集団を作ること。そして、それらは全て数字として表された根拠の元、的確な指導をしていかなければならない時代が来ています。


先行く指導者は、おそらくこのコンテンツを見た時点で「QC七つ道具」と検索するでしょう。


まずは自分が知ることから始まり、それを選手たちに落とし込むために、少しだけ「QC七つ道具」を予習して見てはいかがでしょうか。

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