例えば東西線飯田橋駅で西船橋行きの1番前の車両に位置取ると、かならず大手町、日本橋で半袖スーツ(汗は既にかいている)のオジサンが密着マークしてくる。
駅でそのオジサンたちが雪崩れ込む前に、ゾーンプレスがかかっている車内で、視野を広げるためにルックアップし、オープンスペースをいち早く見つける必要がある。
ダイアゴナルランでバイタルエリアとなるそのスペースを有効に使いたいが、皆そのスペースを狙っているわけで、簡単には良い身体の向きでポジション取りはできないのが現実。
雨の日なんて状況は一変し、ただでさえスリッピーなピッチに、電車のカーブや急停車が加わることで、鍛えた体幹だけではまだまだオジサンたちの安定感には敵わないと、世界との差を痛感する。
そろそろ茅場町に着くとなると、流れを読めないオジサンたちがドシドシとパワープレーを仕掛けてくる。そんなに前に前に急いでも単調な攻めでしかないのに…。サイドからのオーバーラップで小柄でドリブルが得意そうな女性は巧みな身体の使い方で、相手と完全に入れ替わりドアの前で、ラインギリギリで虎視眈々とドアが開くのを待っている。
車内でどんなに混んでいても、スマホを弄るオジサン。
1人だけ明らかに身体の向きが違うオジサン。
朝なのにワイシャツがシワシワのオジサン。
明らかにカバンの肩掛けベルトのサイズが合っていないオジサン。
いい歳してLINEのスタンプを駆使しているオジサン。
脇汗ビッシリやのに腕を伸ばし切って吊革をようやく手にするオジサン。
普段からオフザボールの動きを意識して、如何に質の高い動き方を学ぶか。
サッカーは、普段の生活からでも学ぶことは非常に多い。