三苫薫がレンタル移籍中のベルギー1部リーグのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズで活躍中だ。
所属元のプレミアリーグ(イングランド1部)のブライトンとの契約期間は、2025年6月30日までの4年間。
川崎フロンターレで育った彼は、世界へと飛び立った。
三苫薫は東京オリンピックでもU-24日本代表メンバーとして選出されたが、
世界を驚かすような活躍はできなかった。
もっと言えば、その機会を与えてくれなかったと言ってもいいかもしれない。
川崎フロンターレ一筋で育ったへ三苫薫は、筑波大学在学中の強化指定選手も含め、
飛び抜けた活躍をしているのは誰もが周知のこと。
ドリブラーとして、ストライカーとして、ファンやクラブの期待をいい意味で裏切ることになるが、
ここまでの結果を残し続けている選手も珍しい。
とにかく、ずば抜けた活躍ぶりで、
日本のサッカー界に衝撃を走らせただけではなく、
世界からも注目を浴びる存在に短期的に成り上がった。
今育成年代の選手、監督、コーチは彼のプレースタイルに共感を持ち、
実際に真似をしてみたり、指導のお手本として取り上げたことがあるだろう。
おそらく、ここ数年では同世代で1つ下の歳である堂安律と比較しても、
タイプが異なるが、サッカーの実力は上回っている様に思える。
三苫薫のピッチ上の視点から色々分析してみたい。
ネイマールと同じ視野と視点を持つ三苫薫
三苫薫がドリブラーであることは言うまでもない。
そして、同時に高い得点力からストライカーでもあることが見て取れる。
実際に彼のプレーを生で見たことはないが、
映像で見る彼のプレーを見ただけでも相当な能力を持ってJリーグのピッチを弄んでいるように見えた。
三苫薫のプレーをはじめて見た時、
それまで見慣れたブラジル代表のエースであるネイマールのような視野、視点を持ってボールを前に運び、
目の前に現れる相手を次々に抜き去っているように見えた。
ネイマールのような視野、視点とはどのようなものか。
具体的には以下の通りである。
ルックアップした状態で、
①ボールが足にピタピタで離れることがない(技術)
②相手との角度・距離を正確に測る(コツ)
③緩急をつけて置き去るための細かいアウト多めのインタッチ(センス)
ボールばかりを見てクネクネしたドリブルをするのではない。
相手の動きを目で見て状態を把握している上でのドリブルアクションは、
どうしてもボールが足元から離れがちとなる。
ドリブルのうまい選手は共通して相手を見るが、
その相手の状況を見ながら足元の技術をここまで発揮できる三苫薫のピッチ上での視点が、
ネイマールとかぶるように思えたのだ。
森保監督が三苫薫を東京オリンピックで起用していなかった理由は本人しかわからないが、
監督の好き嫌いやチーム全体を見た時の他選手との相性や使い方によっても変わる。
しかし、三苫薫は既に世界レベルに達した技術と得点力、
そして世界レベルとも言えるピッチ上の視野と視点を持っていることは、
これから海外でも結果として証明されるであろう。
こんな選手になりたいと思ったあなたへ
ドリブルを仕掛ければ、次々に相手を置き去りにしていく。
そんな三苫薫のプレースタイルに憧れを抱く育成年代の選手は多いだろう。
これまでには、宇佐美貴史、柿谷曜一朗、大久保嘉人、本山雅志といった最強のドリブラーがいたが、
久々に現れた超絶ドリブラー三苫薫。
狭いスペースでも、相手がいても、
ボールをトップスピードで前へ運べる選手はそう多くはない。
決まってこのような選手の特徴として圧倒的な1対1の練習量を少年時代からこなしていて、
ボールの運び方や相手を抜くタイミング、距離、角度、コツを体に染み込ませている。
1対1の練習で怖い(ボールを奪われる怖さ)と感じる選手が多いが、
圧倒的な数をこなせば、そのミスの仕方やパターン、自分の苦手な箇所を把握するだけでなく、
それ以上に自分のスタイルを確立することができる。
圧倒的な量が質に変わる量質転化の法則である。
ドリブラーにも複数のタイプがあるが、
共通しているのは、相手との距離と角度とタイミング(緩急)である。
それに加え、もう1段階上のレベルに到達するには、
視野と視点である。
三苫薫はこの視野と視点が既に世界レベルまで成熟しており、
これからもっと経験(海外選手との1対1)を積むことで、
さらに進化していくことは間違いない。
日本代表の中心選手となるかどうかはその時の監督次第でもあるが、
三苫薫がプレミアリーグで得点を量産する日が来ることが待ち遠しい。