世界の名だたるサッカークラブと、Jリーグクラブが提携することがいつしか普通になってきています。
Jリーグクラブと海外クラブ、双方の目的はそれぞれ何を持って提携するに至るのでしょうか。
提携と言っても、様々な契約形態があります。
資本提携
パートナーシップ提携
業務提携など
契約なので、基本はその契約内容に従って物事を進めていく必要があります。
流石に極秘情報でもあるクラブ間の契約書を入手することはできませんが、
おそらく海を跨いだ契約書ということで、英語による契約書を締結しているのではないかと考えられるでしょう。
クラブとして契約書を作成するとなると、
さすがに法的に効力を持ち、かつ優勢を保てる契約書の内容を作成することは難しいでしょう。
一般的には、法に詳しい士業が作成したりしますが、
今回の件で言うと国際弁護士等、英語で契約書が作成できるところに依頼するのが妥当かと思われます。
建前上は自身のクラブを恒久的に繁栄させるための方策として、
かつ世の中に対しても見栄えの良い内容で締結したことを発表します。
- クラブ間の人材交流事業
- クラブ間のアカデミー選手の相互派遣
- スカウティングノウハウの共有、
- スカウティングデータベースへの相互アクセス
- 各クラブにおけるブランド力向上
- 親会社のグローバルパートナーシップ締結
- 経営参画による改革の推進
- 育成アカデミーのシステム、指導者、選手のレベルアップ
- トップチームの選手育成・強化
- 選手・指導者の人的交流
- クラブ運営やファンサービスなど幅広いノウハウの提供
- ユース年代の向上
- 指導者並びにタレント養成
- サイトの集客力向上
- 世界進出拡大
良くも悪くも契約なので、相手型に求めることを明確にし、その責任の範囲を記し、
ビジネス上(金銭面)の内容が盛り込まれているでしょう。
海外クラブにとってのメリットを考える
Jリーグは現在、世界のサッカーリーグの中で、どのような位置付け(ランキング)なのでしょうか。
とある海外のランキングサイトに掲載されており、2021年8月時点のランキングは以下の通り。
Jリーグはどうやらこのサイトによると、30位に位置しています。
ランキングの指標や基準は調査していませんが、概ね合ってそうな気もしなくはないランキングとなっています。
これまでJリーグクラブは、上記でも上位に位置しているプレミアリーグ、スペインリーグ、オランダリーグなどのクラブと提携しています。
全てのJリーグクラブではありませんが、世界のビッグクラブと提携を行っている中、
海外クラブの立場に立った場合のメリットを考察してみたいと思います。
- Jリーグクラブの親会社からのスポンサー支援の可能性
- 日本市場の開拓(ファン・サポーター・スポンサーの獲得)
- 日本人育成年代の選手発掘
- クラブを活用したテクノロジー化
Jリーグクラブであるヴィッセル神戸とスペインリーグの世界的王者であるFCバルセロナの提携は、
一番大きく話題性のある提携だったことは記憶に新しく、
今も尚4年契約の真っ只中、提携期間中となっています。
ヴィッセル神戸は株式会社としての正式名称は楽天ヴィッセル神戸株式会社で、
その親会社は楽天で有名ですが、
その楽天がバルセロナのスポンサーとして支援をしている状況です。
バルセロナからすると楽天は海外企業で、ヴィッセル神戸は海外クラブの位置付けです。
ただ、この提携に関してはヴィッセル神戸からの強いラブコールを受けたバルセロナが、
年間約65億×4年(1年オプション)にてスポンサー契約を機にクラブ間の連携が実現することとなりました。
今回は事業ではないのですが、ブランディングという意味で本当に新しいアプローチでした。フットボールの世界では、今までは自動車メーカーや航空会社など、伝統的な大企業がスポンサーになるというのが通例でした。そこに楽天のようなIT企業、しかも新興のベンチャー企業が、バルサのような歴史あるクラブのスポンサーになるというのは、昔は想像できなかったことです。
参照:https://number.bunshun.jp/
楽天の会長三木谷浩史氏が豪語しているように、今回は楽天側のブランディング目的にスポンサー契約に至り、さらに保有するクラブのヴィッセル神戸とバルセロナの連携を果たすことができています。
さて、ヴィッセル神戸は楽天のブランディング目的を通じて世界の強豪クラブと提携しましたが、バルセロナ側は楽天(スポンサー)の鶴の一声で従わざるを得なかったことは用意に考えられます。
契約期間中は完全にお互いがパートナーとして活動するわけですが、楽天のスポンサー契約が解除された時に、パートナー関係をどこまで維持できるのか(バルセロナ側のメリットは何か)、三木谷氏個人との付き合い以外の、クラブ間の関係で真意が問われるのではないでしょうか。
では、他のJリーグクラブが提携している海外クラブはどのような目的で提携をするのでしょうか。
格下クラブの立場からは格上クラブから得られるメリットが大きいことは予想がつきますが、格上クラブが格下クラブと提携となると、その真意は少なからずビジネス面での効果を期待する以外、考えられることがありません。
フィールド上では文化の垣根を越えた何かしらのシナジーが生み出されることもあるかと思いますが、フィールドを一歩外にでたら、そこはビジネス社会。
利益を少しでも増やすための仕掛けや目論みがプンプン臭って後を絶ちません。
サッカーは歴としたビジネスであることがわかります。
よって、格上クラブが格下クラブとの提携する真の目的は、ビジネス面での期待や効果が大きいと考えられます。