指導者になりたい人、指導者を求めているクラブは数多く存在しています。何度かNEWJIでも指導者の求人や転職についての内容を取り上げましたが、こんな記事をエントリーしたことを思い出しました。
自分でエントリーした内容をいちいち覚えていませんが、そこにはこんなことが記載されていました。
サラリーマンなど一般的な企業間を仲介する民間サービスは、採用した企業から採用者の給与の1割や、その情報を掲載する広告費などで賄っていることが多いのですが、指導者を仲介したところで、上記の例で言うと1回の仕事が2万円で、広告費を取るとしても73,555人向けとなり、仕事量の割りに合わないことが容易に考えられます。ですので、指導者の転職や求人を大々的にサービス展開する企業はほぼなく、未だ指導者の転職に関するインフラ自体が整っていないことが現実です。
こんな記事をエントリーしてから間もなく、指導者の転職に追い風が吹き始めたかもしれません。
本日は、そんなサッカーのクラブにとって朗報である、サッカー指導者の求人・転職を完全無料で使えるサービスをご紹介させていただきます。
まさかの完全無料!サッカー界の求人情報を載せまくれるかも
様々な情報を収集している人にとっては、すでにご存じのサービスかもしれませんが、ハイクラスの転職を支援しているビズリーチが新たに社運をかけて新規参入した、求人情報の検索に特化した専門検索エンジン(バーティカルサーチ)である「スタンバイ」をリリースしました。
出典:https://jp.stanby.com/
そのサービスは求人広告出稿側も応募側も利用は完全無料だということ。
勿論、サッカーに特化しているわけではありませんが、要するにサッカー界に置き換えた時、完全無料で指導者やクラブの優秀なスタッフ候補を募集するための広告を出稿できるということです。
クラブにとってはかなりの朗報だと思っています。これまで、無料で掲載できるサイトもありましたが、スタンバイでは採用をしても手数料が無料だということ、そして広告出稿するのにも、特に専門知識は不要であり、アルバイトも正社員も募集できるところがミソとなります。
広告出稿をするのに、利用者登録は必要となりますが、おそらくクラブ単位でも登録できるのではないでしょうか。
※NEWJIで登録作業や広告出稿はしていないのでご自身でご確認ください。
例えば、法人格を有していないクラブで登録もできなければ、NEWJIがスタンバイと同じく完全無料で登録代理をさせていただきます。
また、登録できたとしても広告出稿の手順やインターネットには疎いという代表(またはフロント)の方は、NEWJIが完全無料でサポートさせていただきます。
注意:NEWJIは法人格を有していますが、トライして登録できなかった場合はお許しください…
ということなので、どんなサッカークラブも指導者やフロントの求人・転職広告を出稿できるサポート体制ができたことに違いありません。ご用命の方はお気軽にお問い合わせからご連絡をいただければと思います。
しかし、何年続くかは不明である
実は、こうした専門検索エンジン(バーティカルサーチといいます)の完全無料で運営することに至っては、勿論、運営側の負担がかなり大きいと言えます。
マネタイズに関してですが、完全無料を武器にサービス展開をしていますが、それ以上のコストは必ず必要となります。
そして、そのコストは「トトより稼げるか、今すぐサッカーサービスをリリースしよう」では、オンラインサービスの投資負担が比較的少ないことを述べていましたが、スタンバイではリリース直後から多大なる情報量を取り扱うことになり、かなりのサーバー費用が必要となるので、そこそこのコストがかかることが予想されます。そんな状況で、どのようにお金に変えていくか。
おそらくマネタイズの手法として採用されるのが、検索結果ページに掲載される広告(こちらは有料)でしょう。このような情報提供型のビジネスモデルでマネタイズを図ることは、国内でも大手が以前からトライしている経緯があります。
スタンバイと最も類似したサービスで言えば、リクルートが買収した子会社の「Indeed」という求人情報の検索エンジンがあります。
他にも
「仁王(SBHC社)」
「ジョブダイレクト(リクルート社)」
など、サービスを継続するにはかなり苦戦している感が否めません。
中でも「転職jp(マネタイズ社)」に至っては、サービスを既に停止している経緯があります。
ですので、完全無料のスタンバイがいつまで続くかは不明ですが、使える時に使う、無料なら無料で使い倒すまで使い続ける、という大阪人的な発想でいいかもしれません。
兎に角サッカー界にとっていいサービスがリリースされたのには違いありません。
アマチュアクラブにおける指導者間の移籍を活性化しよう
アマチュアクラブに属する指導者の移籍市場を活性化するには、かなり環境を整えなければいけません。日本にとどまらず、世界でもプロフェッショナル(ここではプロクラブを指す)でない指導者の移籍は容易いことではないでしょう。
しかし、考えようによっては、クラブ側の要求として「実は指導者の募集をしたかった!けど、募集するのにも費用が…」と嘆いていたかもしれません。
上記のサービスのように、無料でクラブが指導者を誘致できるような環境が整えば、指導者の求人が増える可能性があります。
日本で一つのクラブに留まる指導者は意外と少ないと思いますが、それでもまだまだ移籍したくても移籍できない、そもそも自分の条件にあった求人情報がないなど、キャリアアップの一環として動きたくても動けなくて、結局クラブに留まっている指導者もいるのは確かです。
クラブが積極的にこうしたサービスを利用することで、指導者の移籍を活性化させることは、日本サッカー界にとっては、かなりいい方向に向かうだろうと考えています。
Jリーグや日本サッカー協会は、こうしたサービスを見習い、独自に類似サービスを創ること、求人情報の発信の仕方についてもう一度考えること、そして何より日本全体で指導者の移籍を容易にするシステムを構築する必要があります。
間違っても名古屋グランパスエイトが募集している「WEBマーケティング担当者採用要項」のような求人情報では、おそらく日本サッカー界の発展スピードは、ウサギとカメのカメ以下(ゴールできない可能性あり)と評されるかもしれません。
まずは、クラブの代表、もしくはフロントの担当者が、自クラブを強化するため、そして日本サッカー界の指導者環境をよくするために、スタンバイを利用してみてはいかがでしょうか。