月謝、という言葉がどこにも出てこない。水戸ホーリーホックが中学生に向けて開いているゴールキーパーのスクールの中身を、上から順に読んでいって引っかかったのはそこでした。
並んでいるのは、中学1年生から3年生まで、木曜の18時30分から20時まで、全8回、9月17日から12月17日まで。費用は1回2,000円で、参加するときに現金で渡す。しかも各回ごとに申し込める。8回ぶんをまとめて買う必要がない。持ち物は、プレーのできる服装、ゴールキーパーグローブ、スパイク、飲料水。
モロッコのラバトで、ナイジェリアの17歳以下の女子がポーランドに1-2で敗れています。33分のPKで先に失点し、2点を追う展開になったところで、アケーム・ブサリ監督は68分に二人を同時に替え、さらにその10分後にもう二人を送り出した。入ったばかりのカニンソラ・ユスフが79分に1点を返している。
79分のあの1点が、交代してからの数分で作られたとは誰も思わない。ユスフがその日までに積んできた時間のどこかに、ああいう場面で足が出る理由がある。日本でその「どこか」を、ゴールキーパーに限って探しにいくと、木曜の夜に行き着く。
一回ずつ買える、ということ
1回2,000円の回数払いは、家庭から見ればありがたい形です。定期テストの週は飛ばせる、公式戦と重なった木曜は外せる、合わなければ途中でやめられる。入会金を払って一年ぶんの予定を先に埋める形と比べれば、入口はずっと低い。
ただ、裏側も同じ形をしている。回ごとに扱う内容が決まっていて、前の回でやったことの上に次の回が乗る作りなら、飛ばした回はそのまま空く。途中の何回かを買わなかった子と、8回とも来た子が、12月17日に同じゴールの前に並ぶ。どちらがどれだけ買ったかは、ピッチの上からは見えない。
効いてくるのは、2,000円を誰が出すかという話。小学2年生の選考会で参加費が二つに割れていた話と同じで、育成年代の金額は一つ一つが小さい。2,000円は親の判断の射程に完全に入る額。だから年に一度の入会の判断ではなく、木曜のたびに、買うか買わないかが家の中で問われることになる。
もう一つ、現金という点。事前のカード決済ではなく、参加するときに払う。毎週、中学生が2,000円を握って家を出るということ。口座から引き落とされる形なら子どもは金額を知らないまま通えるけれど、この形だと、自分が今日いくらぶんを受け取りに行くのかを本人が知っている。良いか悪いかは分からない。ただ、それを知った状態でゴールの前に立つ子がいる、ということではないかと。
18時30分が決めてしまっていること
木曜18時30分開始は、中学生が学校から帰って、着替えて、ぎりぎり間に合う時刻。同時に、送る側の大人が仕事を途中で切り上げるか、誰かに頼むかを決める時刻でもある。終わりが20時。そこから帰って、飯を食って、宿題。週に一度でも、家の一日の形が変わる。
教わる中身が専門になるほど、その負担は家の側へ寄っていく。チームの練習なら、キーパーの子も同じグラウンドの同じ時間の中にいる。専門のことをやろうとした瞬間に、別の曜日、別の会場、別の支払いが発生する。
教える側でも分かれ方は同じ。JFAの指導者資格はGKライセンス レベル1のようにゴールキーパー向けが別建てで置かれていて、アカデミーのダイレクターがProライセンスとGKライセンスを並べて持っている例もある。上のほうにはJFAナショナルGKキャンプがあって、選ばれた子はそこへ行く。ただ、中学生の大多数にとっての専門の時間は、キャンプでも代表でもなく、木曜の夜のあの8回。
中学生年代を「大人のサッカーの入り口」と説明しているのはクラブ自身です。クラブユース選手権U-15が終わった9月17日から、12月17日まで。その入り口でキーパーに用意されているのは、1回2,000円で買える夜が8本。多いとも少ないとも言う前に、これが実際に配られている量。
9月17日に来た子が12月17日にも同じゴールの前に立っているかどうか、木曜ごとに数えるつもりでいる。
出典: thenff.com(2026-10-17)