柴崎岳が日本代表の定位置争いにイマイチ食いこめていない状態が続いている。
少し前までサッカーを知らないメディアはこう記していた。長年代表のボランチを務めていた歴代代表キャップ最多を誇る遠藤保仁の後継者であると。
アントラーズで背番号10番を背負い、甘いマスクでゴールを演出する柴崎岳の、今後2026年までの10年間を考えてみよう。
日本代表として出場するワールドカップ
1992年5月18日生まれの柴崎岳は、青森県で育っている。青森山田高校時代から選手権でも常に注目を浴びる存在として活躍してきた。
当然、高校卒業時には数多くのJリーグクラブが争奪戦をする中、Jリーグチャンピオン最多を誇る鹿島アントラーズの一員としてプロフェッショナルのキャリアをスタートさせた。
そして、2016年は24歳。2018年ロシアワールドカップでは、26歳となる。26歳といえば、キングカズが名言を残していたことを思い出す。
サッカー選手として26歳が一番よく身体が動いてくれた。選手としてはピークを迎える年齢かもしれない。
柴崎岳はすでに24歳。今は一番サッカー選手として旬な年齢である。そして迎えるロシアワールドカップは、這いつくばってもメンバーインしなければならない。
柴崎岳のサッカーキャリアを考えると、2018年(26歳)、2022年(30歳)、2026年(34歳)、間違いなくこの3回のワールドカップを最期に日本代表に呼ばれることもなくなるだろう。
柴崎岳のライバルたち
柴崎岳が定位置としているボランチやアンカー、トップ下は非常に激戦区である。
特に最近では川崎フロンターレで活躍するリオオリンピック世代の大島僚太が評価されているようだ。
他にも、プレースタイルは異なるが、ロンドン世代のセレッソ大阪山口螢、東京オリンピック世代のガンバ大阪井手口陽介が柴崎岳を苦しめることになるだろう。
国内組だけで見ても若くて有望な選手が複数いる中で、決して海外組も忘れることはできない存在である。ただ、海外組に関しては、ロシアワールドカップで30歳オーバーとなり、最後の挑戦となる選手が多いだろう。
長谷部誠、細貝萌、などがそうだ。実際、日本代表の定位置を確保している選手はどのポジションを見ても海外クラブで活躍している選手が多い。
そんな中、遠藤保仁は海外に身を置くことはなかったが、なぜこれまでの歴代日本代表監督から厚い信頼を得て長年定位置を確保できていたのか。しかも圧倒的に他を寄せ付けないほどであった。
ポジションが同じ他の選手と、単純に比較していい悪いを決めるのは非常にナンセンスだが、柴崎岳を定位置で使いたい理由も今の所見当たらなく、遠藤保仁のように他を圧倒する絶対的な「何か」が正直ないような気がしてならない。
もっと言えば、もし監督の立場であれば、鹿島アントラーズでともにプレーしている小笠原満男を優先して使いたいと感じてしまうほどだ。
柴崎岳の日本代表での定位置確保には、もう少し時間が必要なのだろうか。そして、そもそも時間の問題なのだろうか。
柴崎岳に求められること
今すぐ動けと言っても、明日リュックサックを背負って海外に行けと言うことではない。
もちろん、普段から世界の規格外の選手たちと一緒にプレーをすることで、ワールドカップと言う世界舞台では、最大限の力を発揮できるメンタルを持てるようになるかもしれない。ただ、柴崎岳に関しては海外でプレーすることで飛躍的に伸びるとは思わない。
柴崎岳はすでにアントラーズでその地位を確立しているが、日本代表ではその定位置を獲得できていない。柴崎岳が日本代表で求められることはなんだろうか。
プレースタイルを見てもスマートなプレーが多すぎるので、稲本潤一や青山敏弘のように局面を一発で変えることができるロングキック(サイドチェンジ)を身につけてはどうかとここで一つ提案したい。要するに大胆さが足りないのではないかと考えている。
遠藤保仁はチームの中心でボールを数多く触り、チームとゲームをコントロールしていた。柴崎岳も同じことはできるが、遠藤保仁のような絶対的な信頼感はない。
遠藤保仁と柴崎岳の差は、絶対的なフリーキックやキャプテンシーを持っているからではない。そしてパスセンスや前線への飛び出しが無いわけでもない。かと言って、経験や結果が足りないわけでもない。
どうした柴崎岳。ロシアワールドカップに行くには顔に泥を塗ってでも這いつくばってメンバーインしなければ行けない戦いが目の前にあることを忘れるべからず。