U-12とU-15。愛知の指導者セミナーが二本に割られているということ

中学生の頃、土のグラウンドで自分たちを見ていた大人が、どこで何を習ってきた人なのかを、一度も考えたことがなかった。

練習のメニューは毎週上から降ってくるもので、それを作る側にも教わる場所があるとは思っていなかった。コーチはコーチとして最初からそこに立っている人。選手の側から見える景色はだいたいこれで、いまの中学生もそれほど変わらないはずです。

ガーナサッカー協会のページに、U-17代表の監督の話が載っていました。10月10日のトーゴ戦を初戦に控えて、カシム・オカンシー監督が、準備はよくできた、モロッコへ行って親善試合を2つやったことが選手の自信を上げた、キャンプの雰囲気もいい、と話しています。

モロッコでの2試合を日程に入れたのは、選手ではない。監督と、その周りにいる大人が決めて、連れて行っている。準備がよかったという言い方は選手の状態の話であると同時に、組んだ側の仕事の話でもある。ただ、その組んだ側がどこで誰に教わってきた人なのかは、こういう話にはまず出てきません。日本で同じものを探すと、どこに置いてあるのか。

二本に割ってある

愛知県サッカー協会のページに、名古屋グランパスアカデミーと連携したコーチングセミナーを開くという知らせが出ていました。2026 AIFA・名古屋グランパスコーチングセミナーU-15と、2026 AIFA・名古屋グランパスコーチングセミナーU-12。二本。

目が止まったのは、年代で割ってあるところ。U-12とU-15で別々に開くというのは、小学生年代に話すことと中学生年代に話すことは別物だと、開く前にもう決めているということ。子どもの側は小6から中1に上がるときに所属するチームの名前も出る大会も変わるけれど、教える側に渡される時間も、同じところで切られている。

そしてこれを開いているのはJFAではなく県の協会で、中身を出しているのはJクラブのアカデミー。指導者の学びというとJFAのライセンス講習の階段をまず思い浮かべますが、その階段とは別に、県とクラブが組んだもう一本が通っている。ライセンスは全国のどこで取っても同じ名前が付く。こちらには県の名前とクラブの名前が付く。

ここが面白いところで、愛知でこのセミナーに出た人は、週が明ければ自分のチームの前に立つ。少年団でも街クラブでも、立つ場所は同じピッチ。だから愛知の子どもが受け取るサッカーは、名古屋グランパスアカデミーのやり方のほうへ少しずつ寄っていく。別の県で別のクラブの名前が入れば、その県の子どもは別のやり方に寄る。日本の育成を一枚の地図で語りたくなるけれど、実際には県の数だけ接続先がある、ということではないかと。

数えられるのは、何本立っているか

選手の話なら、選ばれた人数も、試合数も、得点も数えられる。大人の学びの側で同じように数えられるものは、年に何本の回が立っていて、それがどの年代に割られているか。これくらい。

愛知は二本で、U-15とU-12の両方に立っている。U-15だけが立っていて、その下が無い県もあるかもしれない。あるかどうかは、各県の協会のページを順に開かないと分からない。

小学生年代は、はじめてボールを蹴る日に最初の大人と出会う年代。その人の前に県の中でもう一本の学びが置かれているかどうかは、何人がトレセンに選ばれたという話よりずっと静かに、しかも長く効いてくる。選手の選考は毎年やり直せるけれど、小学生のときに教わった蹴り方は、やり直しがききません。

代表の監督が準備はよかったと言えるのは、その人が準備の組み方を習ってきた場所があるから。日本の育成年代で、同じ場所に当たるのが県協会とJクラブの連携したセミナーだとすれば、そこは選手のニュースの何分の一も読まれていない。

他の県のページに同じ案内が出たときに最初に見るのは、U-15だけで終わっているのか、その下にU-12の回も並んでいるのか、二行目があるかどうか。

出典: www.ghanafa.org(2026-10-09)

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