第30回、第50回、北信越予選会。松本山雅FCのサイトに上がっていた一本のお知らせに、この三つが並んでいます。
正式な名前のほうを写すと、「第30回北信越クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 兼 第50回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 北信越予選会」。10月17日の土曜から富山県で始まり、松本山雅FC U-18が出る。長い名前ですが、真ん中の「兼」の一字で前と後ろにきれいに割れている。前が地域の選手権で、後ろが全国大会の予選。同じピッチ、同じ組み合わせ、同じ一試合に、二つの大会名が同時にかかっている。
回数だけ抜き出すと、30と50。差が20ある。全国のほうが20回ぶん先に始まっていて、地域の選手権は後から積まれたということ。はじめに全国があり、そこへ誰を送るかを決める試合が必要になり、その試合にあとから北信越クラブユースサッカー選手権という名前が付いた。順番がこうなっているのは、日本の育成年代の大会がたいてい全国から先に生まれているからではないかと。
ガーナサッカー協会のサイトに、U-17代表ブラックスターレッツを率いるカシム・オカンセイ監督の、試合前の会見をまとめた記事が出ていました。2026年のWAFUゾーンB U-17選手権で、土曜にワガドゥグでトーゴと対戦する。記事は、前年にコートジボワールで行われた同じ大会で準優勝したこと、その成績が2026年のU-17アフリカネーションズカップ(モロッコ)への出場権につながったことに触れている。
準優勝という地域大会の順位が、そのまま次の大陸大会の出場資格になる。これも「兼」です。ゾーンの大会に出ながら、同時にその上の大会の予選を走っている。構えとしては、富山で始まる北信越の秋とよく似ている。違うのは、日本の場合その二つが一つの大会名の中に並記されていて、出る側がどちらの名前で呼ぶかを選べることのほう。
負けた日に残るのは、どちらの名前か
予選とだけ呼ばれる日程は、負けた時点で何も残らない。出場枠を決めるための試合だから、通らなければ記録はただの未通過になる。ところがこの日程には第30回北信越クラブユースサッカー選手権という名前も付いているので、負けても地域の大会の順位としては残ります。三位でも四位でも、その回の成績としてクラブの年の記録に一行が書ける。
後から付いた名前のほうが、負けた側の受け皿になっている、とまでは言えないかもしれません。ただ、全国に行けるのは地域から数チームで、そこに入らなかったクラブのほうが毎年ずっと多い。多いほうに何か書けるものを渡しているのが、20回ぶん遅れて積まれたこの名前だと思う。
大会名から段が読めない例は、ほかにもあります。以前リーグの名前から全国の何段目かが読めないという話を書いたときは、地域ごとの愛称が付くことで位置が見えなくなるほうを見ていました。U-18のクラブユース選手権は逆で、第30回と第50回という二つの回数が同じ行に並んでいるおかげで、その試合が何の一段目なのかが名前だけで分かる。読み手に親切な書き方をしているのは、こちらのほう。
二つ目の名前は、選手の10月にも効く
高校生年代のクラブのチームは、同じ時期にプリンスリーグの日程も持っています。10月の週末に富山まで出るというのは、リーグの勝ち点を積む日とは別に、二つの名前が付いた一日を入れるということ。移動と回復を考えれば、クラブにとっては一日で二つぶんの意味を取りにいける日程でもある。
大会名を読むときに回数を先に見る癖がついたのは、この並記を見てからです。第何回かは、その大会が誰のために、いつ作られたのかをだいたい教えてくれる。50は全国の歴史で、30は地域が自分の名前を持とうとした年数。
10月17日からの結果が出た週に、出場したクラブのページがその日程を第30回と第50回のどちらから書き始めているかを一つずつ並べて、後から積まれたほうの名前が誰に使われているのかを確かめる。
出典: www.ghanafa.org(2026-10-09)