あなたのその日々の練習は、おそらく週末の試合のため、将来のプロサッカー選手となるためでしょう。
最近、海外から国内、国内から海外への案件と接する機会があったので、そのサッカー選手事情について記したいと思います。
要するに、どこで誰に見られているのか分からないのがサッカー選手です。あなたもそろそろ国内だけでなく、海外も視野に入れて自分の可能性と選択肢を増やしてみてはいかがでしょうか。
国内から海外へ挑戦する選手
彼は24歳、1993年生まれ。身長は170cmとそこまで高くはないが、全体的な印象として家長昭博をベースに首を少し細くした体型である。パッと見た目は線が細そうにも見えるが、フィジカルの強さをどことなく感じさせる。
ガンバ大阪ユースから明治大学に進学し、U-18日本代表候補にも選出された経歴を持つ。以前から彼について何回か取り上げていたのだが、一般企業の社会人を経て、2017年、本格的にサッカー選手として復帰し、海外はドイツに舞台を移し挑戦を始めたのだ。
ガンバユース時代に先輩としてプレーしており、今ドイツでも公私ともに彼をサポートしてくれているのが宇佐美貴史だ。
詳しくは聞いていないが、ドイツへ渡ったきっかけもきっと、宇佐美貴史との関連で得たチャンスだろう。
プロか引退か、大学生選手の決断でも記したが、一般の社会人として企業に勤め、その後すぐにドイツへ渡りサッカー選手としてクラブと契約する選手は滅多にいない。
ただ、彼はチャンスを掴み実際に行動へ移し、そしてクラブとの契約を結ぶことに成功した。
どんなきっかけであろうと自分がそうなりたい、そうしたいことに向かって行動へすれば、いつかそのことは成就するだろう。
有名な言葉があるのでここに記しておこう。
心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる
海外から国内へ挑戦する選手
レアルマドリード大学院に通う友人から一通のLINEが来た。
こちらで出会ったFIFAエージェントと仲良くしていて、日本か中国のサッカークラブに、選手かコーチをトランスファーしたいんだよね。
要するに、海外で活躍するサッカー選手をJリーグに売り込みたいと言う話だ。
Jリーグで活躍する外国人選手で若い選手やベテラン選手など、日本人が全く馴染みのない選手が突如Jリーグクラブと契約して活躍することがある。
その裏にはこのようにヨーロッパを中心とした海外からFIFAエージェントを通じてクラブへ直接売り込みが来るか、エージェントが日本のエージェントを介してJリーグクラブとの交渉を始めることになる。
サッカー選手の立場で言うと、これまで全く興味も示さなかった日本という国とJリーグの紹介をエージェントから受け、自身のキャリアを積み、上に登るための選択肢の中でJリーグを選ぶことになる。
その選手がJリーグに合う合わないは別として、海外からの挑戦もどんな形で実るかは分からない。
誰がどのような形でチャンスやきっかけを与えてくれるかなんて予想は不可能だ。だが、選手の立場としては、どんな時でもチャンスを掴む準備をしておきたい。
誰がどこでみているか分からない
世界の裏側で活躍する選手をJリーグクラブは評価する。その逆もしかり、国内で活躍する選手を世界の裏側のクラブへ売り込み評価してもらう。
国内外問わず、実際に選手を評価するとなると、評価する側にもそれなりの時間とコストがかかるのは当然だ。だからこそ、数あるリストの中でも自然と選手の振分が行われ、実際に目にとまるのはほんの一握りの選手である。
そのリストに入ることは勿論であるが、その先の一握りの選手として目に止まらなければ、実際にプレーする環境はない。要するに、これまでのあなたのサッカーにおける実績だけが未来を切り開く手土産となる。
世界の裏側で日本で育ったサッカー選手を熱望するクラブやエージェントがいることはまず皆無に等しい。中田英寿や小野伸二、中村俊輔級の選手であれば可能性はあるかもしれないが、それら前人もまたエージェントを介して世界へ挑戦していたのだ。
とにかくどこで誰かがどんな風にあなたをみているのかは分からない。だからこそ、いつでもどこでも誰にでも自分を売り込める準備と実績を積むしかない。
21歳でJリーグに来るサッカー選手がいるが、あなたはその逆で21歳で海外のクラブと契約することもできなくはない。
自分のサッカー人生をどのようにストーリー化させ、ステップを踏むために、今の今とどう向き合うかが重要になるのではないだろうか。