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サイドバックの攻撃参加をさせるべきか否か


あなたはコツコツ努力をするタイプでしょうか。それとも、一気に成果を求めて駆け出せるタイプでしょうか。もしくは、流れに身をまかせるタイプでしょうか。


どれがいいかなんてわかりません。ただ、どうせやるならトコトンやった方がいいと思います。


サッカー指導者の言葉や選手を取り巻くサッカー環境によって、選手の考え方が変わることは間違いありません。


10万円か1億円か

あるサッカー指導者は言いました。


泥棒はダメなことだけど、もし泥棒をするなら10万円のモノを盗むんじゃない、1億円のモノを盗もう。どうせ同じ犯罪なんだから、より大きなことにチャレンジしよう。


当時の私には妙に納得させられた言葉ですが、大人になって考えてみると、非常に奥が深い話だなと。


要するに、10万円のモノを1000回泥棒して1億円を得るリスクと、1億円のモノを1回だけ泥棒して1億円を得るリスクを考えると、リスクの回数だけでは後者の方が圧倒的に少ない。


サッカーでも、サイドバックが攻撃に参加すると言うリスクは非常に大きい。本来サイドバックの役割の一つである守備を、一旦放棄して攻撃に参加するからだ。


もちろん、ボランチの選手やセンターバックのサポートがなければ、そもそも攻撃になんて参加できるわけがないのだが、どんなフォーメーションでも、相手の攻め残りがあってもなくても、サイドバックの選手が攻撃を仕掛けるリスクは非常に高いことが言える。


先ほどの泥棒の話で出たリスクのことを考えてみると、サイドバックが攻撃に参加することの意味は、決して「回数」だけではないことがわかるだろう。


10回攻撃参加したとしても、全部がシュートで終われるわけではない。


自分がボールを保持していなくても、味方がボールをとられた瞬間から守備に転じなくてはならない。


と言うことは、サイドバックの攻撃参加は成功率を高めなくてはならないことになる。サイドバックが攻撃参加した結果、その攻撃はどう言う結末(結果)を迎えたのかを振り返る必要がある。


サイドバックが攻撃参加したことで、シュートで終わった、もしくはゴール(アシストなどの直接的なことや第三の動きによる間接的なこと)につながったのであれば、攻撃参加は成功だったと言える。


リスクの非常に高いサイドバックの攻撃参加は、機を見極める必要があることが言える。


攻撃参加の成功率

試合中、もしくは観戦中、攻撃参加しているサイドバックをよく見かけるだろう。ブラジル代表のサイドバックはもはやサイドバックというよりも、ウイングバックと言えよう。


それほど攻撃参加をしているからだ。


最終ラインでビルドアップしている時に、サイドバックがサイドいっぱいまで開いて前線で相手ディフェンスの裏を狙っていることがよくあるが、ビルドアップの起点となるはずのサイドバックが高い位置で一発の裏を狙っているのであれば、本来のポジションの役割を果たしていないかもしれない。


一発を狙った結果、裏を取れてクロスを上げる、中に切れ込みシュートまで持っていく、第三の動きでゴールに貢献するなど、攻撃参加が成功したのであれば狙うべきかもしれない。


しかし、その成功には失敗要因が多く含まれている。要するにサイドバックの攻撃参加はハイリスクローリターンだ。


まずは単純に裏への一発は相手のディフェンスに読まれやすい。そして、味方ディフェンスのロングボールの精度は大抵悪い。さらに、そもそもサイドバックにゴールは求められていない(FWからすると狙っていたスペースをサイドバックの攻撃参加によって消されたと思われるかもしれない)。


シンプルにダイレクトプレーでゴールに直結するような攻撃は悪くはないが、その結果を出すためにサイドバックの攻撃参加が本当に必要なのかどうかは別問題である。


一度、何かの試合でサイドバックだけに注目して見て欲しい。攻撃参加の回数と、その結果を集計してみれば、サイドバックの攻撃参加の成功率が導き出せる。


タイミングが良ければ得点王になれる

サイドバックだからといって、本来の役割ではないゴールをしてはダメかというと、決してそうではない。


むしろ、攻撃参加のタイミングが最適であれば、チーム内での得点王やアシスト王を得ることができる。


当然、得点能力の高いサイドバックに限定されるが、なぜ得点王やアシスト王になれる可能性があるのだろうか。


そもそもサイドバックは、フィールドプレーヤーの中で最も全体を見渡せるポジションであり、状況把握をすることが容易い。


攻撃参加をするときは、味方と相手の状況がどう言う状態であるかをしっかり把握した上で攻撃参加の判断ができる。


かつ、サイドであるがゆえに常にゴールに向かってプレーすることが考えられる。


もっとも、サイドバックから攻撃参加するときは、相手ディフェンスが非常に守りにくい。相手からすると、常に飛び出してくる選手に対してのディフェンスをせざるを得なくなる。


だからこそ、サイドバックが攻撃参加をすることは、チャンスを見極めゴールにつながるプレーをベストタイミングで選択(判断)できることにつながる。


ただし、ハイリスクローリターンで成功率が低ことは否めない。サイドバックの攻撃参加は回数ではなくタイミングが重要だ。


状況を見て攻撃に参加すると決断したならば、その結果がゴールにつながるプレーをすることができなければ、それは失敗である。

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