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サッカー推薦で大学へ行く前に本気でサッカー人生について考えてみよう


大学へサッカー推薦をした筆者が、大学を選んで良かった点、今となっては分かる悪かった点を綴ります。

読者が高校のサッカー部に所属している、もしくはクラブユースのチームに所属している高校生で、スポーツ推薦を活用した大学進学を狙っているなら、少しは参考にしてみてもいいかもしれません。

しかし、自分の人生なので、あくまでも参考程度に留めていただいて、最後は自分がどうしたいかを考えなければなりません。

Jリーグクラブのユースから地元の大学へスポーツ推薦入学

まずは筆者のサッカープロフィールと、大学へ入るまでの流れを簡単にご紹介します。※実話でノンフィクションです。

筆者はJリーグクラブのアカデミー(ガンバ大阪ユース)から大学(関西大学)へサッカー推薦で入学することができました。当時は筆者の先輩でガンバユースから、関西大学へ入学した人はいなかったので、その進学ルートを開拓したパイオニアになりました。

スポーツ推薦入学に必要な条件として、今も仕組みが変わっていなければ、以下のような出願資格条件が必須となります。

①通学中の高校で評定平均が◯.◯以上
②全国大会でベスト8の成績かつ正選手としての出場

他にも諸条件はありますが、大きく抑えておかなければいけないことは、①の学校の成績と②のサッカーの成績の2つとなります。

①の学校の成績に関しては、入学を希望する大学によって評定平均の数字が異なりますが、とにかく3.5以上は持っておきたいところです。そして②のサッカーの成績に関しては、代表候補に選ばれていたり、何かしら他にも個かクラブかで、良成績を残していたりすれば問題ありません。

筆者の場合は家から1番近かった地元のヤンキー高校に通っていたおかげで、評定平均は3.8〜4.2の間だった記憶があります。そして、ユースでは全国優勝を2回ほど果たしましたが、1回目は正選手ではなく、2回目は入学が決まってからのことでした。

評定平均は満たしていましたが、サッカー成績の方は満たしていなかったように思います。さらに、出願期限を大幅に過ぎていたのに、なぜか出願は受理されました。

なぜ、筆者は受理されたのか。

①出願が遅れたにも関わらず受理されたのは、学部長へ直談判、そのためにサッカー部監督と部長への根回しをした。
②サッカー成績が満たなかったことに関しては、当時国体選抜に選ばれていたことが幸いした。

とにかく、出願資格の条件は満たしていなかったとしても、近しい成績を残しているならば大学側に直接話してみることも一つの手段かもしれません。

大学に入って良かったメリットとは

メリット①

高校時代の友人は一生続くと言われたりしますが、大学の友人はその数がグッと増えることになります。そして高校生とは違う範囲で自由な時間も大幅に増えるのです。

メリット②

大学卒業の資格とそれなりの専門的な知識が身につきます。高い学費を払って大学卒業の資格を得ますので、サラリーマンとして大企業と呼ばれる会社に入社するためには、まだまだ現実は学歴が物を言う時代が抜け切れていないので、言葉以上に武装できる手段でもあります。

メリット③

思いつきません。意外とメリットは少ないかもしれませんが、Jリーグクラブのスカウトからの注目度は高くなっているのは間違いありません。

大学に入ってどうかと思ったデメリットとは

デメリット①

自分次第で、そのサッカー人生を大きく変えることができる一方、20歳を過ぎた時点で世の誘惑事が嵐のように訪れます。特に恐れられる誘惑毎として、お酒・お金(ギャンブルとバイト)・女です。自分次第ではありますが、この誘惑に毎回勝てるほど人間は強くありません。友人と時間が増える一方、自分を解放する機会が劇的に増えるのです。

デメリット②

サッカーをする環境は良くなっている大学は多いが、実際はそれほど良くはない。ほとんどの大学で人工芝のグラウンドが整備されています。人を誘致するためです。一方、そのグラウンドは他の部活動も使用することがあり、専用でない大学は多いです。大学によりけりですが、決まった限られた時間の中で、陸上部が周りで走っている環境でサッカーをしなければなりません。自主トレの時間を取るのは困難です。

デメリット③

最近でこそプロの指導者を誘致する大学が増えましたが、まだまだ指導力にかける指導者が多く、一つ一つの練習に意図が感じられません。言葉にすることは難しいですが、選手は与えられた練習メニューをこなすようになる環境が揃っています。

スポーツ推薦で大学を選ぶか、違う道を行くか

ここからは、筆者が今だからこそ提言できる、もう一度高校生に戻れた場合、大学を選択せずに進む道を示します。あくまでも参考程度の一つの選択肢として受け取ってください。誰かに押し付けているわけでもなく、不可能ですが18歳の時の筆者自身にアドバイスしている感覚です。

それはスポーツ推薦で大学進学を選択しないと言う道です。サッカー選手として、早いうちからサッカー中心の世界へ挑戦します。なぜなら、大学の卒業資格は後からでも取得することが可能であり、必要になった時に取得すればいいだけの話だからです。

大学卒業の資格は、サラリーマンとして企業に就職する場合に少なからず必要となります。もちろんそんな必要もなく高卒で企業に就職することは可能です。

1回目に必要になる時は、大手企業に就職したいと思った時です。大手企業の人事談では、今年は顕著に就職率が回復したようですが、就職難や少子高齢化と言われる時代でも、大手企業の募集に対し応募の数は数え切れません。本当のところ、一人一人を面接に呼び、学歴は関係ない人材を面接で採用したいと言いたくても、物理的に全員を見る余裕と時間はありません。となると、自然と大卒、学歴を判断材料にせざるを得ない状況となります。それが大手の採用人事の鉄則です。

2回目に必要となる時は、転職の時です。大卒の社会人が3年以内に会社を辞める確率は20年前から3割と変わっていない数字です。中小企業、大企業を問わず、自分がその3割に入ったらどうするか。おそらく次の仕事を探すでしょう。そうなった時、既に第二新卒枠、中途採用枠を争うことになります。

そのような転職では圧倒的に前職の経験がものを言いますが、3年以内であると社会人としては半人前にもなっていない人がほとんどです。そうなると、企業の人事はまだ社会人の経験値よりも学歴にも注目していることが現実です。職を選ばなければ、はっきり言って就職先などいくらでもあります。しかし、より高い給与を得るため、自分が行きたいような企業と言うのは、毎年何千人という人を見てきたプロがあなたを査定します。その査定の一つに学歴があるのは間違いありません。

だからそもそもサッカーでプロになるには大学の卒業資格は必要がないかもしれません。要するに、大卒の他の人より多くの経験値と知見を高めればいいだけの話です。そこに大学卒業の資格は必要ありません。

次に大学へ進学するのではなく、海外のサッカークラブへ挑戦します。若さゆえに挑戦できることもあるのです。家族を持ってから、40歳になってから挑戦するのも悪くないと思いますが、若い時こそ失敗しても取り戻せる可能性も高く、そもそも挑戦しようという気にならないかもしれません。

ではなぜ日本ではなく海外なのか。若い時ほど語学を習得し易いと言うのは間違いありません。語学を学ぶためではないですが、他言語を使えるようになると、何かと世界が広がります。

筆者は中国語が話せます。1年7ヶ月現地で生活し習得しました。23歳から25歳までです。日本人を周りに置かない環境を作り、中国人と積極的に話すことで、挨拶から始めた語学学習は5ヶ月間で日常会話を話せるようになりました。今は1人で現地人とビシネス交渉を中国語ですることができます。

ここで間違ってはいけないことは、語学は単なるツールであり、スキルではないことを知ることです。語学が話せるからといって交渉がまとまるかといえば、全く別の話です。しかし、その語学と言う道具を使いこなせた場合、それは後々のサッカー人生だけでなく、1人の人間としての器はでかくなるとと思います。

例えば現役の場合、ガンバ大阪の宇佐美貴史がドイツで英語の指示を完全に理解することができなかったことを反省点とし、今はJリーガーで語学習得に励んでいます。

例えばもし引退後に日本サッカー協会で日本のために働きたいと思ったならば、英語のレジュメが基本となります。協会でなくとも、今後は英語を社内公用語として使用するグローバル企業が増える可能性は否めません。

だからこそ語学の習得は自身のサッカー人生だけでなく、何かと使える道具であり、それは現地で生活しなければ習得する自体のハードルが上がります。サッカーをしながら語学を習得することは、長い人生を考えると決して損はありません。

そうは言ってもどうやって海外クラブを探すのか、どうやってプロになるのか、結局はお金を払ってサッカー留学しているようなことだと言われてしまえばそれまでですが、自分への投資と考えるか、それともお金をかけずに挑戦する方法はいくらでもあります。

その人自身の絶対にサッカー選手として成功すると言う熱い想いを周りの人に伝えることができれば熱意は伝染します。そして、お金を援助してくれる人は必ず現れるでしょう。でなければ、クラウドファンディングのようなサービス自体が成り立つことはありません。現地でホストファミリーを探すことも容易な時代です。

大学へ進学すると高校卒業の18歳から22歳までの4年間を過ごすことになります。その4年間を海外で死ぬ気で挑戦することは絶対に今後の人生において自分のためになるでしょう。

オークランド・シティFCで毎回クラブワールドカップに出場している日本人をご存知でしょう。岩田卓也は世界3位のクラブに属しています。決して上手い選手とは言えませんし、サッカーだけで飯を食べていくには、まだ足りていないような発言もしていますが、単身海外へ挑戦した選手として、一つの成功を得た選手でもあります。

今はJリーグからタイリーグを始めとした海外移籍も頻繁に行われています。海外へ移籍すること、所属すること、サッカーをすることのハードルは年々低くなっています。

ただ、海外クラブを選ぶ時に、より高いパフォーマンスを出すためには、以下のようなことも考えなくてはいけません。

①身の丈にあったクラブを選ぶこと
試合に出ることが先決です。
②日本人が少ないクラブを選ぶこと
日本の環境と変わらなくなる。
③お金をかけるのではなくもらうこと
年棒1円でもプロです。
④サッカーと人生の勉強を怠らないこと
メッシ級の契約ができれば別だが、常に(何歳であっても)1人の人間としてサッカー以外のスキルも高める。
⑤NEWJIを頭の片隅にいれておくこと
サッカーもサッカー以外のサポートも任せてください

まとめ

サッカー推薦、いわゆるスポーツ推薦で大学進学を選ぶことは非常にいいことです。日本の大学は入ることが難しく、卒業することは簡単です。

ただ、その4年間をどう過ごすかは自分自身に100%責任があり、既に大人としてのキャリアがスタートしているわけです。その4年間を海外で生活することをイメージしてみてください。そして、その後の自分をイメージしてみてください。

おそらく先のことはイメージできないでしょう。なぜならこれまでは何かに守られていたり、誰かが常に見てくれていたからです。そのような環境を味わったことがないので想像すらできるか分かりません。

そういう時は既にそのような経験をした人に話を聞くことが一番手っ取り早いです。自分で全てイメージできるのなら、それを信じて突っ走るだけでいいと思いますが、大抵の人は海外へ行ったとして、その4年後のイメージができ無いと思います。

人生の先輩が全て正しいわけではないので、複数人に聞くことをオススメします。そして、何より自分がどういうサッカーキャリアを積みたいか、どういう人生を歩みたいか、しっかりと自分自身を把握することが大事だと思います。

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