坂元達裕に注目した第93回全国高校サッカー選手権


かつて本田圭佑が所属した星稜(石川)の初優勝で幕を閉じた第93回全国高校サッカー選手権。決勝だけをテレビで観戦しましたが、その試合を観て日本の18歳(高校生)のサッカーは、昔と比較した場合に成長していると言えるのだろうかと疑問を抱きました。

スターたちの進路は? J入りは7人、増える進学という選択。

大学へ進む選手たちの本音は?

決勝では両チームアンダーを経験している選手もいる中、皆が揃って大学進学を選んだようです。筑波大学、早稲田大学など、一般入試で入学するには、かなり敷居が高い大学ばかりです。

大学進学を選んだ選手の殆どは「スポーツ推薦」と言う枠や「AO入試」、「特待生制度」を活用して入学することでしょう。今の日本の大学は入ってしまえば、一般入学もスポーツ推薦入学も学歴上は何ら変わることはありません。

なぜ、こんなにも大学へ進む選手が増えたのでしょうか。かつて高校サッカー選手権で活躍した選手は、それこそ高校ナンバーワン○○の異名を掲げ、Jリーグクラブのスカウトマンによる争奪戦が繰り広げられていました。

<J1>
小川諒也
(DF/千葉・流通経済大柏→FC東京)
笹原脩平
(DF/熊本・秀岳館→鳥栖)
中島賢星
(MF/福岡・東福岡→横浜FM)
増山朝陽
(MF/福岡・東福岡→神戸)

<J2>
岩元颯オリビエ
(FW/鹿児島・鹿児島城西→磐田)
大岩亮太
(FW/熊本・秀岳館→群馬)
小川雄大
(MF/山梨・山梨学院大附→岐阜)

引用:http://number.bunshun.jp/

今大会では上記7名が新たにJリーガーとして活躍の場を掴み取ったわけですが、その中には決勝まで残った選手が1人もいません。そして、全校合わせて数百名の内、たった7名だけがJリーガーとなるのです。

選手たちの本音としては、サッカー選手は大学を経てからでも遅くはない。むしろ、大学卒業の学歴があれば、怪我をした時やサッカー人生を終えた時、何かと役に立つかもしれないと言う、将来への不安や心配を取り除くための選択である。そう考える選手も少なくはないかもしれません。

全国放送すべきは高校選手権ではなく、Jユースカップではないか

大学を選択する選手が多い背景には、もう一つの理由があるかもしれません。Jリーグクラブのアカデミーへ、選手が集約されていることが要因として挙げられます。

実力がある選手は、これまで主流であった高体連(選手権)での活躍よりも、ユースからの猛烈なラブコールを受けて、Jリーグクラブを選択するように変わってきています。

本当の意味で実力主義のユースでは、所属するだけでも、周りのレベルが高いが故に、能力が自然と無意識のうちに成長していることがあります。逆も然り、当然ながら追いつけ追い越せない選手に至っては、例えユースに入る選手であっても、自らプレーすることを放棄し、苦労して入ったアカデミーを辞めてしまうケースもあります。

各地域のエース級を一同に集めたJリーグアカデミーは、当然ながらプロ選手の原石の集まりであり、サッカー自体も変に大人びているクラブが多いのです。

がむしゃらに、ひたむきにボールを追いかけ、最後の最後まで諦めない姿勢が目立つ高体連のサッカーに、感動する人は多いでしょう。

そして、ユースのように、華麗で綺麗なサッカーをしてそうなイメージがあるサッカーを好む人もいるでしょう。

どちらを観たいかなんて人によりますが、選手権でJリーガーになる選手が少なければ少ないほど、Jユースカップを観たいと思う人が多くなって行くのではないでしょうか。

坂元達裕しか可能性を感じなかった

大会を通して観ていなかったので、もしかしたら彼以外でも、他にいい選手がゴロゴロいたのかもしれません。

決勝戦は前橋育英と星陵で、厳しい予選と本大会を勝ち上がってきた両チームは、どちらが勝っても初優勝。快晴の中、埼玉スタジアム2002で行われた選手権決勝は、得点がそこそこ入ったので試合自体は面白かったかもしれません。

しかし、事前に入ってきた選手権の情報と、実際にテレビで観た選手への「期待と落胆」の差は非常に大きかったと言えます。18歳の大会では、少なくとも全国で1番を争う戦いであり、その選手の能力も1番に相応しいと期待していました。

その中でもたった一人だけ輝きを見せた選手がいました。両チーム22人がフィールドでプレーしている中、その彼が黙々とゴールへ向かうプレーをしていたのです。その選手が坂元達裕選手。

▼背番号: 11
▼ポジション: FW
▼誕生日: 1996-10-22
▼身長: 167 cm
▼体重: 58 kg
▼学年: 3年

出身はFC東京のアカデミーとのことで、彼の今後はどうなるのか凄く気になりました。大学でしょうか、引退でしょうか、それとも土壇場で2015シーズンのJリーグクラブに新加入として発表されるのでしょうか。

これまで選手権で活躍した小柄でドリブラーの選手が、どこかのJリーグクラブへ入団することは非常に数多く見られました。

しかし、その多くが選手は、身体の大きい相手がいるJリーグでは通用せず、早々にクラブを去ることが多かったように思えます。今でも目立って活躍しているのは、フランクフルトで日本代表、野洲高校出身の乾貴士、清水エスパルスで流通経済大学付属柏高等学校出身の大前元紀でしょうか。

坂元達裕が今後のサッカー人生でJリーグに進むかどうか分かりませんが、小柄で相手の懐に入り込めるゴールゲッター
に期待をしてみてはいかがでしょうか。

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生田(榊)隆司
生田(榊)隆司NEWJI Founder
Soccer Owned Media「NEWJI」Founder。100万PVを目指して、日々妄想と執筆をしている。
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