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2015年のサッカー界、ロシアW杯までにやるべきこと3つ

新年、明けましておめでとうございます。
本年も「進化系サッカーメディアNEWJI」をよろしくお願い申し上げます。

2014年は日本サッカー界にとって、改めて自分たちの立ち位置を再確認できた年となりました。

今一度振り返る必要がある2014年。日本サッカー協会は「アギーレ八百長疑惑」と言う、目の前の問題ばかりに気を取られ、本来しなくてはならない2014年の総括、ブラジルW杯の総括に改めて時間を取るべきであると感じます。

本当に日本サッカーを考えている人の中で、誰も「コンディションの調整不足」なんて言う総括は納得していません。

 

視聴率を振り返る

ブラジルW杯、アギーレ監督八百長疑惑、ガンバ大阪三冠と、色んなニュースが飛び交った2014年ですが、テレビ視聴率はやはり「ブラジルW杯」が、どの番組の放送も抑えて一番だったようです。

近年のテレビ番組はどの番組も面白くないので、どうしても「感動」や「勇気」を与えてくれるスポーツ番組を人は好むわけです。そして、その中でもサッカー「W杯」は特別に注目を浴びることになります。

ちなみに各局視聴率過去最高記録は以下の通り。

▼NHK総合
第14回NHK紅白歌合戦
1963年(昭和38年)12月31日
21:05 – 23:45
81.4 %

▼NHK Eテレ
第61回全国高等学校野球選手権大会 箕島×星稜(箕島対星稜延長18回)
1979年(昭和54年)8月16日
18:00 – 20:00
29.4 %

▼日本テレビ
日本プロレス中継「WWA世界選手権・ザ・デストロイヤー×力道山」
1963年(昭和38年)5月24日
20:00 – 21:15
64.0 %

▼テレビ朝日
2006 FIFAワールドカップ 日本×クロアチア
2006年(平成18年)6月18日
21:35 – 翌0:30
52.7 %

▼TBSテレビ
2010 FIFAワールドカップ 日本×パラグアイ
2010年(平成22年)6月29日
22:40 – 翌1:10
57.3 %

▼テレビ東京
1994 FIFAワールドカップアジア地区最終予選 日本×イラク(ドーハの悲劇)
1993年(平成5年)10月28日
22:00 – 翌0:15
48.1 %

▼フジテレビ
2002 FIFAワールドカップ 日本×ロシア 2002年(平成14年)6月9日
20:00 – 22:54
66.1 %

参考:http://ja.m.wikipedia.org/

紅白を除くと、どれもがスポーツ番組となります。その中でも特にサッカーが持つ力は数字が示すように、サッカー素人を巻き込む計り知れない力があることが分かります。

この状況を上手く国内リーグに落とし込む施策を、日本サッカー協会は考えて欲しいと切に願います。

2018年ロシアW杯までにやるべきこと3つ

 

育成年代の指導の見直し

2010年W杯から2014年W杯までに採用したサッカーが「スペインサッカー(パスサッカー)」でした。

協会から発信されるサッカー指導の指標はスペインサッカーをモデルとし、各指導者達はスペインのサッカーを目指して一斉にボールポゼッションだけを重視するようになりました。そして、本来の目的であるゴールを追求することを忘れてしまっていました。

W杯優勝国に右向け右で毎回方針や指導方法を変えていると、必ずどこかでシワ寄せがやってくるのです。

それが証明された2014年のブラジルW杯。日本サッカーはボールポゼッションでは優位に立つものの、一発に強いコートジボワールに敗退、1人少ないギリシャと引き分け、個人技で勝るコロンビアに大敗。

追い討ちをかけるように各年代のユース大会では、世界への切符を手にすることができませんでした。それぞれのカテゴリでアジアさえも突破することが出来なかったのです。

そして、今回ブラジルW杯で優勝したドイツに学べと言わんばかりに、指導方法やサッカーの環境のモデルを「ドイツ代表を目指している」と、日本サッカー協会とJリーグのトップが公言しています。

2018年ロシアW杯までは、それなりに時間があります。改めて育成年代からのサッカー指導の行く先を見つめ直し、日本サッカーが目指すべきビジョンを長期視点で設定して欲しいところです。

サッカーは御茶ノ水の会議室で起きているのではありません。サッカーは常に進化していますが、各国は当然ながら自国のスタイルがベースにある上で流行りを取り入れ進化しているのです。

日本のサッカーは一言で言うとなんでしょうか?

 

Jリーグの運営方式の見直し

サポーターの声を聞き入れることなく、余儀なく決断されたJリーグセカンドステージ制。

巷では「お金」だけを考えた運営方式を採用したとして、その多くの人が納得いっていません。そして、今まで支えてくれたサポーターに説明責任が未だ全くされていない状況です。

Jリーグ秋春開催の案もいつの間にかペンディングされ、欧州主要リーグの世界基準を度返しした「ガラパゴスサッカー」を貫いて、間違った方向に進化していると言えます。

勿論、メリットデメリットはかなりの時間をかけて議論されていますが、時間軸を世界と合わさない限り、いつまでも時差ボケが生じたままで、本当の意味でのステップアップが出来ない環境を作り出していると感じます。

また、各メディアでは、Jリーグの外資参入の制度に対し、不安の声が上がっていたりします。そしてマンチェスターシティ所属のランパード移籍問題など浮き彫りになりました。

外資参入を決定したのも、結局はクラブとリーグに「お金」を落とす仕組みを作り出したに過ぎません。Jリーグで長年かけて築き上げた「地域密着」は外資の参入により、いとも簡単に崩壊する可能性があります。

しかし、そもそも世界に通用するクラブを作るには、その「地域密着」が足枷となっていたので、今回の決断は前向きに捉えてもいいのではないかと感じています。

 

協会人事の見直し

日本サッカー協会では、通常トップ(会長)の任期は2年と定められています。そして、理事は理事会の通常決議で決定されることになり、その中から協会幹部が選んだ会長候補を理事会が承認し、評議員会が追認する形をとってきました。

要するに現職の幹部らが非公開で新理事・役員の候補リストを作って信任を求める仕組みで、選考過程に不透明な部分があったと言われています。

これまでの会長は下記の通り。

▼初代会長:今村次吉
東京帝国大学
在任期間:1921 ~ 1933年
▼第2代会長:深尾隆太郎
一橋大学
在任期間:1935 ~ 1945年
▼第3代会長:高橋龍太郎
京都大学
在任期間:1947 ~ 1954年
▼第4代会長:野津謙
東京帝国大学
在任期間:1955 ~ 1976年
▼第5代会長:平井富三郎
東京帝国大学
在任期間:1976 ~ 1987年
▼第6代会長:藤田静夫
京都教育大学
在任期間:1987 ~ 1992年
▼第7代会長:島田秀夫
東北帝国大学
在任期間:1992 ~ 1994年
▼第8代会長:長沼健
関西学院大学
在任期間:1994 ~ 1998年
▼第9代会長:岡野俊一郎
東京大学
在任期間:1998 ~ 2002年
▼第10代会長:川淵三郎
早稲田大学
在任期間:2002~2008年
▼第11代会長:犬飼基昭
慶応義塾大学
在任期間:2008~2010年
▼第12代会長:小倉純二
早稲田大学
在任期間:2010~2012年
▼第13代会長:大仁邦彌
慶応義塾大学
在任期間:2012年〜現在

古河電工と三菱重工ホットラインが垣間見れますが、これまでの協会内派閥も新制度により改善されることになります。

日本サッカー協会は、2年後に行われる会長や理事の改選で、立候補を募って選挙をする制度を導入する方針を固めています。

これは国際サッカー連盟(FIFA)の指導をきっかけにした改革で、協会運営の担い手を選ぶ手続きを国際基準に合わせ、透明性や民主性も高めることを期待しています。

2年の準備期間を経て、本当にこの新制度が導入されるか否かは不明ですが、ロシアW杯を考えると、最も妥当な人選をするためにも、早急に新制度を取り入れるべきであります。

基本的には立候補からの選挙による選任となるようですが、本格的に中田英寿や宮本恒靖の最強ツートップが日本サッカー界のトップになれる制度として、取り入れるべきであると思います。

 

まとめると

日本サッカーの未来を考えると決して悪くない方向には進んでいると思いますが、とにかく今の体制や制度に改革を投じるのであれば、日本サッカー協会が変わらなくてはなりません。

単なる変更ではありません。改革です。ロシアW杯までの時間を有意義に過ごすためにも、協会人事を改めて見直し、中長期ビジョンを再設定し、日本サッカーの行く道を作っていく必要があります。

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