日本の女子の育成年代が国外に出るときの人数は、一度に四人。二年続けて同じ数字が並んでいる。
FIFA U-20女子ワールドカップ ポーランド2026の準決勝で、北朝鮮がコロンビアを3対0で下して決勝に進みました。アジアサッカー連盟のページを開くと、国名の前に前回王者という肩書きが置かれている。
前回王者という言い方が立つのは、同じ大会がもう一度回ってきて、同じ国がもう一度そこまで来たときだけ。一回目だけでは付かない肩書きです。それで、日本の女子の育成年代で二年続いているものを、人数で数えてみたくなった。
二年目も、同じ行き先で四人
JFAのお知らせのところに載っている育成年代応援プロジェクトの海外留学は、2023年度から動いている。DREAM ROADという名前で、最初のうちは男子が中心でした。女子を対象にした派遣が初めて入ったのが2025年度。行き先はバイエルン・ミュンヘン女子、期間は8月15日から30日まで、人数は4名。
2026年度も続きます。今度はU-17日本女子代表から4名、行き先はまたバイエルン・ミュンヘン。マイナビ仙台レディースユースの樋口らら選手(高校3年)、INAC神戸の北村礼選手といった名前が挙がっている。
行き先が同じで、人数も同じ。二年分を縦に並べると、女子の国外経験は「年に一度、四人」という形で立ち上がったところ、ということになります。
同じプロジェクトの男子側を横に置くと、差がはっきりする。2025年度だけでコモ1907のサマーキャンプに2名、FCバイエルンユースカップU16に10名、さらにリバープレート、バイエルン・ミュンヘン、アヤックス、オリンピック・リヨン、アイントラハト・フランクフルトへ各4名。年に五つも六つも動いている。女子は年に一回。歴史の長さの差がそのまま回数の差になっている。
四人と十人では、帰ってきた後が違う
人数の話をしたいのは、選考の公平さを言いたいからではない。帰ってきた後に何が起きるかが、人数で変わるからです。
四人だと、ニュースは「誰が選ばれたか」で終わる。所属に戻れば、向こうで見たものを共有できる相手はチームに自分ひとり。話しても、経験していない人に向かって説明することになる。同じ2025年度に10名がまとまって出たFCバイエルンユースカップU16のほうは、帰国した時点で同じ景色を見た相手が国内に九人いる。次に代表の合宿やナショナルトレセン女子U-14のような場で顔を合わせたとき、説明から始めなくていい。
二年で八人。この八人が同じ年代に固まっているわけでもない。2026年度の派遣はU-17日本女子代表からの4名で、2025年度の顔ぶれとは年代も所属も違う。持ち帰ったものが次の代に渡る道筋は、いまのところ人数の上では細い。
国内には、数えられるだけの大会名が積まれている
国内側が薄いという話ではまったくない。むしろ名前は揃っています。JFA U-15女子サッカーリーグ2026 関東のように地域リーグがJFA名義で置かれ、全日本U-18女子サッカー選手権は第30回を数え、県のレベルではU-13リーグや県選手権が関東大会の予選を兼ねる形で回っている。JFA・WEリーグ特別指定選手には大学生だけでなくJFAアカデミー福島の選手も認定されていて、小学生年代にはJFAガールズ・エイトU-12 トレセンプログラムがある。女子育成に何段あるかを県協会のページから数えたときにも、大会名と制度名の並びは男子とほとんど変わらなかった。
違うのは、そこから外へ出ていく口の細さのほう。国内の大会名は十指に余るのに、国外で二週間過ごす経験は年に一度、四人ぶん。しかもその四人ぶんは協会単独の予算ではなく、企業との協働プロジェクトとして名前に両者が並んでいる。増やすかどうかは、協会の方針だけで決まる話ではないということでもある。
女子の育成を語るときに出てくるのは、たいてい代表の成績か、選ばれた選手の名前。けれど二年分の告知を並べて見えたのは、成績以前に、外の空気に触れる回数が年に一回しか用意されていないという事実のほうでした。四人が悪いのではない。四人から始まったという順序が、いまの位置を示している。
次に数えるのは、行き先に並ぶクラブの名前ではなく、その横に書かれる人数のほう。
出典: www.the-afc.com(2026-09-24)