20分を2本。1試合は40分で終わる。
スペインサッカー連盟が10月に出していた、バクーへ行く選手の名前が並んだお知らせの中に、その大会の中身が書いてありました。10月24日から30日まで、190の選抜が集まって、6日間で950試合。参加者はおよそ3,000人。8対8で、縦68メートル横47メートルのピッチ。スローインは足で蹴る。オフサイドはゴールラインから14メートルのところに引いた線から先でしか取らない。そして、各選抜が最低9試合をやる、と書かれていて、その理由がそのまま添えてある。若い才能の成長を後押しするため、最大20試合を同時に行う、と。
9試合という数が先にあって、そこから1試合40分、8対8、ピッチの寸法、最大20試合の同時進行が決まっている。順番が逆なんです。普通は大会の形を決めてから、勝ち上がれば何試合、負ければ何試合、という話になる。ここでは一人が何試合やるかのほうが先に立っている。
10日あまりで、勝つほど連戦になる
日本の同じ年代の全国大会を、同じ物差しで数えてみます。日本クラブユースサッカー選手権(U-15)の第41回は、8月14日にグループステージが始まって、3日目が終わった時点でノックアウトステージに進む32チームと組み合わせが決まった。そこから18日にラウンド32、19日にラウンド16、21日に準々決勝、22日に準決勝、24日に決勝。決勝は横浜F・マリノスジュニアユースと川崎フロンターレU-15生田で、4-3でマリノスが6回目の優勝をしている。
日付だけを並べると、14日から24日までの10日あまり。この中に、グループステージの数試合と、勝ち進んだ場合のノックアウト6日ぶんが入っている。18日と19日は中1日もない連日で、21日から24日は中1日が二度続く。真夏の、いちばん暑い時期です。
ここで数えたいのは、優勝したチームの試合数ではない。グループステージで32に入らなかったチームのほうです。3日目に組み合わせが決まるということは、そこで終わる子たちがいる。夏の全国に出てきて、8月14日から3日ぶん。それがこの大会でその子に配られた試合の本数になる。
全国に出るまでに地域の予選を越えているので、その手前に試合はある。ただ、全国大会という一つの器の中で数えると、勝った側と最初に終わった側で、ピッチに立った回数が倍以上違う。そこを埋める仕組みは、この大会の形の中には置かれていない。トーナメントだから当たり前だ、と言ってしまえばそれまでなんですが、最低9試合と先に書いてから大会を組んだ例を横に置くと、当たり前のほうが選択の結果だったと分かる。
1試合の長さは、誰のために決まっているか
40分という長さにも引っかかっています。20分ハーフなら、中1日で2試合やっても身体への当たり方が変わる。8対8で縦68メートルなら、走る距離も11人制の公式戦とは別物になる。試合数を増やすために、1試合を軽くしている。増やす側と減らす側が同じ設計図の上で噛み合っている。
日本の中学生年代の夏は、そこが別々に決まっている。試合時間はその年代の競技規則で決まっていて、日程は会場と期間の都合で詰まる。暑熱の話が出るとき、議論は給水と開始時刻とキックオフの時間帯に向かいがちだけれど、1試合の長さと一人が出る本数を同じ机の上で決めているかというと、そういう順番にはなっていない。
U-13のところを見ると、別の形が見えます。以前長野のU-13リーグで節と節のあいだが三週間あいていた日程を数えたときは、逆に試合が散らばりすぎていた。中学1年生年代は県のリーグとして回っていて、第12節と第13節のあいだが3週間以上ある。同じ中学生でも、1年生は月に1本か2本、3年生の夏は10日で6連戦になりうる。一人の子が3年間で積む試合の本数は、学年ごとに全然違う配られ方をしている。
本数から逆算する机がどこかにあるか
最低9試合と書いた大会は、たぶん「勝敗を決める」ことを主目的にしていない。日本の夏の全国大会は、日本一を決める場として積み上がってきたもので、第41回まで続いている。目的が違うものを並べて、どちらが良いという話をしたいのではない。
気になっているのは、日本の育成年代に「一人が年間に何試合出たか」を先に置いて日程を組む机が、どこかにあるのかということ。クラブユース選手権は8月の10日あまり、高円宮杯の地域リーグは年間を通して、U-14にはJリーグが主催するブロック分けのリーグがあって、クラブはそこにBチームを充てている。器は増えている。けれど、その全部を足して一人の子に何本配られているかを数える場所は、たぶん各クラブの中にしかない。
だから、夏の大会の記事を読むときは、優勝の見出しではなく、グループステージ3日目で組み合わせが決まった日のほうを開く。その日に名前が消えた子たちが、9月にどのリーグの日程表へ戻っていくのかを、本数で数えたい。
出典: rfef.es(2026-10-13)