朝6時にサッカー観戦をするとサッカー人生が変わります。
そんな広告を見たらサッカー選手は朝活でサッカー観戦をし始めるのでしょうか。
早起きは三文の徳とはよく言いますが、朝6時に起きることが早起きかどうかはその人によります。なぜなら朝が早い人はもっと早い時間に起きて6時からは既に働いている人もいるからです。そして、中学生や高校生でも6時に起きて6時半から朝練をしている選手も少なくはありません。
朝運動することはとても気持ちよく、1日が非常に充実した日であるような気にさせてくれます。成功者が午前8時までに行っている5つの習慣として、下記も参考にしてください。
- 適度な運動をする
- その日のミッションを3つ立てる
- 朝食を食べまくる
- いいイメージを想像する
- やりたくないことを先にやる
朝起きて出来ることはいっぱいありますが、果たしてサッカー選手として朝早く起きてサッカーをするのがいいのか、観るのがいいのか、どちらがサッカー人生にとっていいのかを考えたいと思います。
1日2時間練習は多いのか少ないのか
サッカー選手は大体2時間前後が通常のトレーニングに費やす時間だと思います。チームで練習する時間です。
2時間の練習ではサッカーをした感が足りない人は、チームの練習前後に自主トレや筋トレ、クールダウンやストレッチといった自分が欲するトレーニングを取り入れると思います。
朝練や2部練、3部練を取り入れているクラブの選手にとっては、1日の練習時間が2時間をはるかに超えて、3時間〜4時間をトレーニングに費やしており、通常の2倍〜3倍のトレーニング量をこなすことになります。
トレーニングに費やす時間やボールに触れる時間が長ければ長いほど、その時間と比例して右肩上がりにサッカースキルも成長すると考えています。
しかし、過度なトレーニングはメンタルを鍛えることは出来そうですが、そもそもサッカーのスキル向上などに逆効果の作用が働くような気もします。
ランナーズハイを経験している人は分かるかもしれませんが、一定のトレーニング量を継続して行うと、時にランナーズハイに入り気分が高揚します。
マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用。エンドルフィンの項を参照のこと。
出典:http://ja.wikipedia.org/
どれだけトレーニングをしても疲れると言うより、そのトレーニング自体が楽しみで満ち溢れてしまうので、自分が思うより実際は疲れているはずなのに疲れていないような気になります。
過度なトレーニングを行うことが自分の身体を必要以上に戒めているようにも思いますが、それがロスタイム(アディッショナルタイム)に活きるから必要だと言われればそれもまた納得せざるを得ません。
サッカーの練習は1日2時間では不十分でしょうか、それとも十分でしょうか、あなたは1日どれくらい練習していますか?
1試合90分間で15km走ることができればいい
最近のトレーニングは「素走り」という言葉が少なくなってきているのではないでしょうか。なぜなら、近年Jリーグクラブのアカデミーを中心に、サッカーのトレーニング方法がより理論的かつ効率的に変化してきていることが言えるからです。
そもそもサッカーは交代を考えない場合、前後半合せて90分間を闘わなければなりません。
選手は与えられた90分間でどれだけ走ることができるのでしょうか。
例えばマラソンであれば90分間でどれぐらい走れるをみてみましょう。
ケニア人のデニス・キプルト・キメット選手は2014年9月28日のベルリンマラソンで脅威の2時間02分57秒を叩き出しました。この世界記録から見ると、90分あれば30.88695km走ることができる計算です。
ではサッカーはどうでしょう。90分間闘う必要があると言いましたが、90分間走り続ける必要があるかと言うとそうではありません。サッカー自体が無酸素運動と有酸素運動の連続で、ピッチを歩くことも珍しくないからです。
Jリーグで90分間あれば選手はどれぐらい走るのかみてみましょう。
2015シーズンJリーグ第3節の走力ランキングをみてみましょう。
- ヴィッセル神戸FW小川慶治朗13.02km
- FC東京FW武藤嘉紀 12.78km
- FC東京MF米本拓司
12.37km
ちなみに2014年ブラジルW杯で最も走る距離が長かったとされるアメリカ代表のマイケル・ブラッドリーは、1試合平均で12.7kmを走っています。ですので、Jリーグの走行距離が決して少ないわけではありません。
これらの数字をみてサッカー選手は1試合15kmを走れば十分90分間を闘うことができるということが言えます。勿論距離が長ければ長い程、チームにより貢献することができることは言うまでもありませんが。
逆に考えると、15km走り続けることができるのであれば、そもそも「素走り」なんて必要ないのではないと考えられるのではないでしょうか。
1日2時間弱の練習で15kmを走ることはなかなか現実的に難しいと考えられます。練習では試合よりも止まった状態や休憩が多いからです。
だからといって朝練や夜練または自主練を追加して、1日15km走ることをミッションにするのはナンセンスで何が目的か分かりません。
そこで、1日2時間のトレーニングをより効果的にするためにも、朝早く起きてサッカー観戦をすることをオススメします。
朝練で必要なことはいいイメージをたくさん持つこと
最近は「考えるサッカー」が育成年代の練習で重要視されるようになりました。自分で考える能力をつける、そういった指導をしているサッカーコーチや監督は多いことでしょう。
そもそも考えるとはどういうことでしょうか。
メッシのドリブルはどうしているのかについて考えること、将来サッカー選手になりたいと考えること、今日は身体のために何を食べようかと考えること、皆さんは1日で色んなことを考えています。
しかし、それは考えるというよりも「思う」「感じる」と言ったほうが適当でしょうか。
そもそも「考える」とは、メッシのドリブルをみて真似をすることではなく、メッシのドリブルを自分流に変えた場合、どういうドリブルが出来るかと言うことです。
もう一つレベルを上げた思考をするならば、メッシとクリロナのドリブルを組み合わせ、自分流にするとどうなるかと言うことです。 それが武藤と宇佐美でも構いません。
答えがでるかは別として、メッシのドリブルは見たことはあるが、クリロナのドリブルを見たことがなければ、そもそも自分で考えられるドリブルが何かすら思い浮かびません。
サッカー素人にクライフターンをしてみてと言ってもできないこととおなじです。そもそも「クライフターン」が何かを知らないからです。
大事なポイントとしては、自分が知っていることについては「考える」ことができるわけですが、自分が知らないことについては「考える」ことがほとんどできないのです。
サッカーのプレーに関する情報が揃ったところで、ようやく自分で「考える」ことができるということです。
まずは知ることが大事で、知らなければ調べること。「考える」ことの第一歩は知ることから始まるのです。
1日のトレーニングで15km走ることも十分必要なことではありますが、15km以上はオーバートレーニングかもしれません。
ならば朝練にかけていた時間をサッカー観戦に変えてみてはいかがでしょうか。
朝にサッカーを観戦していいイメージを持ち、自分で考えたことを通常2時間のトレーニングの中でトライする。
もしくは、走るペースは自分で調整し、90分間で15kmをボールを持った状態で走りきるトレーニングを行う。
毎日の積み重ねでしょうが、どちらが成長するでしょうか。