8月の特別指定の所属欄に、大学の名前が十二あって高校は二つだった

先に目についたのはゴール数ではなく、名前の横に置かれた所属の欄だった。ヨーロッパやブラジルのクラブ名が続いたあとに、ひとつだけ大学の名前が混ざっている。

ポーランドで行われているU-20女子ワールドカップから、目を引いた選手を挙げた記事です。カナダの19歳の所属は Notre Dame Fighting Irish と書かれていました。カナダの年代別代表では34試合で28得点という記録を持ち、6月にA代表でデビューしている選手。大学に在学しながら、プロクラブの選手と同じ一覧に横並びで載っている。

大学に在学したままA代表まで行く。この形を珍しいと思わないのは、日本の育成年代を毎日見ているからで、日本は同じ線をもっと前から、もっと太く持っている。しかも例外の話ではなく、ひと月分を数えると、こちらが主流のほうに見えてくる。

8月ひと月分の所属欄を、名前だけ抜いて並べる

JFAとJクラブが8月に公表した特別指定の認定・承認から、所属先の欄だけを取り出すと、国士舘大、慶應義塾大、立命館大、東京学芸大、日本体育大、明治学院大、東洋大、日本大、桃山学院大、青山学院大、九州産業大、専修大。ここまで十二が大学。高校の名前は豊川高と帝京高校の二つ。

高校生が少ないという話ではない。大学が主で、高校が従という比率になっているということ。

並んだ大学名は関東だけでもありません。立命館大、桃山学院大、九州産業大と、地域も散っている。つまり特定の一校が窓口になっているのではなく、大学サッカー全体がその線の入口として使われている。

慶應義塾大はWEリーグ向けの認定で、女子も同じ列に入っています。ポーランドで大学の名前を背負って戦っていたのが女子の19歳だったことと、日本の女子側も大学名で認定が出ていることは、たまたま重なった話ではないのではないかと。

十四の名前が意味しているのは、学籍を動かしていないこと

日本のプロ入りは、ユースや高校からそのまま上がる線だけではない。大学に在学したままJの公式戦に出る線を、もう一本、制度として持っている。8月の十四という数は、その二本のうちどちらが太いかを、名前の数でそのまま出している。

高校の名前が入っているときは、高校に在学したまま外のJクラブの試合に出るということで、自分のクラブのユースからトップに上がるのとは別の線。8月はそれが二つ。

この比率は、進路の記事の読み方を変えます。高校3年の選手の昇格は一本の記事になるのに、8月にひと月で十二の大学名が所属欄に並んだことは記事にならない。数えないと見えないほうに、人数は乗っている。

年代別代表の国内合宿で相手に大学が並ぶのも、たどると同じところに行き着きます。大学が高体連とクラブユースの合流点だという話と、8月の所属欄の比率は、同じ紙の裏と表。

家庭が数える順番

中学生や高校生の子どもがクラブに所属している家庭にとって、意味があるのは十四という総数よりも、その内訳の並び方。ユースからトップに上がる道だけを一本道として見ていると、大学に在学しながらJの公式戦に出る四年間が視界から落ちる。落ちたまま高校3年の秋に進路を決めると、選べる道が実際より一本少なくなる。大学は、行き止まりではなくもう一つの入口として運用されている。

そして育成年代の記録は、選ばれた日付だけが残って、そのあとに何が積み上がったかが残りにくい。だからNEWDIHでは、選手一人ぶんの経歴と出場を続きで持てるものを作っている。

来年の8月に同じひと月分を並べて、高校の名前が三つ以上になっていたら、そのとき初めて入口が増えたと言える。二つのままなら、日本のプロ入りの本流は今年と同じ場所を通っている。

出典: www.theguardian.com(2026-09-15)

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