サッカー指導者とは
サッカーの指導者とは、読んで字の如く「サッカーを指導する者」だ。Jリーグのクラブに所属しているプロサッカー選手を指導している指導者や、その下部組織であるアカデミーの選手を指導している人。また、プロクラブではないアマチュアのカテゴリーでサッカーを指導している人など、サッカーを指導している立場にいる人は、全て「サッカー指導者」と分類することができる。
また、その指導者でも更に二分することができ、サッカーの指導者として生計を立てているプロフェッショナルの指導者と、本業は別にあるが、空いている時間を活用してサッカーの指導を行い、実質ボランティアや副業の立場でサッカーと関わるアマチュア指導者もいるのが現状だ。サッカーを指導することで得られる報酬の有無(報酬が1円でもプロフェッショナル)がプロとアマの境目だと言える。
どちらも括りでは「サッカー指導者」には間違いないが、サッカー指導者たる者、その立場を名乗るには絶対的に必要なスキルが2つある。
その1つとは「指導力」
指導力と聞いて、あなたはどのようなイメージを持っているだろうか。その言葉の本質的な意味は、決して一言では語りきれはしないが、「指導する力」の「指導」とはどのようなことかを最低限知る必要がある。
ある目的・方向に向かって教え導くこと。
出典:https://kotobank.jp/word/%E6%8C%87%E5%B0%8E-522020
上記の言葉をより深く考察すると、指導者たる者、ゴール(目的・方向)が何かが分かっていない者は、そもそも「指導」ができるわけがないと言うことが分かる。
逆に、自分の中でゴールが何かという答えを持っている人であれば、そのゴールが何かを知らない人に対し教え導くことができれば「指導」していることになる。勿論、そのゴールが正解かどうかは別としてだが、要するに、指導する(目的・方向を教え導く)力がサッカー指導者に必要な1つ目のスキルとなる。
ではもう1つのスキルとはなにか。それは「サッカー力」だ。
サッカー指導者である以上、「サッカー」を知らなければ話にならない。そもそもサッカーの目的や方向を知っていなければサッカーを教え導くことができない。
世界中で行われているサッカーの試合で、前後半90分の内容が全く同じ試合などサッカーには存在しないことを考えると、サッカーに答えは存在しない。しかし、サッカーには明確な目的や方向は存在する。それは「ゴール」することである。
そのゴールをするために、チームとして個人としてどのようなプレーを選択するべきか。メンタル、技術、体力を中心とした「心技体」の他、3対3や2対2といった攻守の局面でどうするべきかというチームプレー戦術、ゴールに結びつくためのトラップやオフザボールの動きはどうするべきかという個人プレー戦術など、答えは決して1つではないが、場面場面でどのようにすべきか、どうするべきかという目的や方向はある。
それはサッカー選手としての経験であったり、サッカー観戦で得られるサッカー感、その人が生まれ持ったサッカーセンスや誰かに教え導かれたサッカー論など、サッカー力とは一概に誰かと比較できるものではないが、その人がサッカーをどの程度理解しているかは、指導を受ける立場の選手には黙っていても伝わるものだ。
よって、サッカー指導者たる者、サッカーを理解し指導する力が無ければ務まらない。
現在のサッカー指導者とは
サッカーでプロフェッショナルを目指すことだけを目的としているクラブは、実はそれほど多くはない。むしろ、大半のクラブがプロ養成クラブと言うよりも、サッカーで人間力を高めることを目的としているケースが多い。
プロフェッショナルになるには、JリーグクラブのアカデミーかJFAの管轄である「JFAアカデミー」に入ることができれば、露骨にプロフェッショナルを目指すようになる。
出典:http://www.jfa.jp/youth_development/jfa_academy/about.html
もちろん、色んなサッカークラブがあり、色んな指導者がいてもいいと思う。しかし、日本サッカーの未来のことを考えると、チーム・個人としてサッカーが今よりうまく強くなるなければ世界との差は広がるばかりだ。その差を埋めるためには、サッカー選手としてプロフェッショナルで通用するを育成するクラブの出現が増加することが必須であり、少なくとも以下のようなサッカー指導者を募集しているクラブが乱立するようでは差は埋まらない。
サッカー指導者募集の例①
出典:https://townwork.net/
サッカー指導者募集の例②
出典:https://www.hellowork.go.jp/
日本のサッカー界では、サッカー指導者のためにサッカー指導スキルの向上や選手の育成を図るために、指導者へJFA公認ライセンスを付与している。
出典:http://www.jfa.jp/coach/official/training.html
選手にサッカーを指導するサッカークラブ運営者は、サッカー指導者の募集案件を出す場合、最低でも指導者ライセンスの保持者、もしくはサッカー経験のある指導者志望の人材を採用条件にすることが必要ではないか。
サッカー指導者になりたいなら
サッカーの指導者ライセンスを保持しているからといって、指導できるクラブがあるわけではない。それはどんな世界でも言えることだが、需要と供給がなければあなたにサッカー指導者の仕事は回ってこない。
今はJリーグが開幕して20年が過ぎ、日本のトップリーグであるJリーグの最前線で活躍したサッカー経験豊富な元Jリーガーが、次々とサッカー指導者への道を歩み始めている。
これまで選手登録されていた人が次々と指導者登録されるようになり、サッカー指導者の数は今後も増えることが予想されており、当然ながらサッカー指導者を募集しているクラブ側も、未経験者よりもサッカー経験者を採用する確率の方が高く、後者が競争優位性を保っていることは誰がどう見ても間違いない。
そうなると、未経験者にとっての「サッカー指導者」への道は険しくなる一方で、指導者としての「指導力」を高めながら、同時に本質的な「サッカー力」を深めなければならないことがわかる。
ただ、先ほども述べたように一概に指導者のサッカー力を比較することはできない。試合に勝つか負けるかというプロフェッショナルの世界で活躍していれば話は別だが、アマチュアの指導では「育成力」や「インプット力(指導力)」が求められるようになり、そもそもプロとアマの戦う土俵や対象となる選手の質が異なるからだ。
ただ、あなたのサッカー指導にどの程度の「価値」があるのかは、ある程度査定ができる。それはプロやアマといった垣根を越えて、あなたの「サッカー指導力」が、そもそもどの程度の需要があるかを調べれば明確になるからだ。
ただ単に毎日の練習でサッカー指導をこなすというよりも、日々のサッカー指導がどの程度の「価値」を生み出しているのかを見える化することで、サッカー指導者としての意識の向上や、サッカー指導力のレベルアップを図れることは間違いない。
まずは意識を変えて本格的で本質的なサッカーの指導に取り組むことがサッカー指導者として大事なことになる。もし仮にサッカー未経験で指導者を熱望するのであるならば、あなたに与えられた選択肢は「やるか」「絶対にやるか」の2つしかない。
サッカー指導者に関する相談は「NEWJI公式@LINEサポート」からどうぞ!
・何から始めればいいか分からない指導者未経験の方
・既にサッカー指導者で毎日の指導に磨きをかけたい方
・自分のサッカー指導がどの程度の「価値」を生み出しているかを知りたい方