【対談コラム】サッカー × それぞれの視点
サッカーを軸に異なるフィールドで活躍する3名が集い、それぞれの視点から語り合う対談コラム。
育成年代の指導に最前線で携わる元プロサッカー選手・遠藤。
IT企業を経営しながら、年に一度だけピッチに立つ現役サッカー選手・生田。
サッカーに関心を持ち、サッカーを語ることを楽しむ女優・櫻井。
サッカーという共通のテーマを持ちながら、それぞれの立場や経験が異なる3人。
指導者の目線、経営者の視点、そしてサッカーを楽しむ側の感性。
交わることで生まれる新たな気づきや発見を、ぜひお楽しみください!
生田:ラニエリがローマを蘇らせた話、すごいですね。クラブの状態を直すのってまるでソフトウェアのバグを修正するようなものですよね。彼の経験が活きたんでしょうね。
遠藤:確かに。彼の異名が“修理工”ってのも面白い表現だね。彼は選手の適材適所を見極めて配置して、持っているポテンシャルを引き出した。若い監督には得られない、長年の経験がそこで活きているよ。
櫻井:でも、ラニエリ監督ってもう73歳なんですよね?サッカー界ってどんどん若手監督が出てきているのに、どうしてラニエリさんがこうして成功できるんですか?
生田:歳を重ねても、その経験が活きる局面って必ずある。彼なりのチームマネジメントのやり方があったのかな。IT業界でもベテランエンジニアが最後のひと押しをしてくれることがあるんだ。
遠藤:その通りだね。若手監督の目新しい戦術は素晴らしいけど、選手たちの力を最大限に引き出し能力を伸ばすのには、ラニエリのような監督の指導が重要だ。彼がしっかりした戦術と選手間の連携を再構築したのが大きな要因だろう。
櫻井:それにしても、ラニエリ監督が選手たちに与えた自由ってのはどういうことですか?自由なときこそ、選手たちって責任感じたりしないんですかね。
遠藤:ラニエリは攻撃面でディバラに多くの自由を与えたみたいで、その自由さがディバラの想像力を引き出したんだろうね。サッカー選手は、自分の考えでプレーできると、自信もついてくるし、モチベーションも上がるんだ。
生田:まるでクリエイティブなプロジェクトでメンバーに自由を与える状況に似ているね。枠にとらわれず、生み出されるアイデアは時に革新的なものになる。
櫻井:なるほど、ディバラ選手が輝きを増したのもラニエリ監督のおかげなんですね。監督の自由さの与え方次第で、選手の輝きも変わるんですね。
遠藤:そうだね。そしてラニエリの戦術のフレキシビリティも見逃せない。必要に応じてフォーメーションを変え、選手の特性を活かせるようにした。これは経験豊富だからこそできることだよ。
生田:これはまさにプロジェクトマネジメントにも通じる。誰がどこでどんな役割を果たせば最大の成果が出るのか、適切に見極める力が大切ってことだ。
櫻井:それがラニエリ監督の強みなんですね。団結して一つの目標に向かうことができるようにしていたということなんでしょうね。他に試合を通じて印象的だった選手っていますか?
遠藤:ショムロドフが特に光ったね。レスター時代の岡崎慎司を思い出させるような、前線からの守備や献身的な動きがあった。
生田:まるで攻撃型のディフェンダーみたいな感じですね。守備面においても選手が相手と戦う方法を変えるなんて、ラニエリの指導が伺えますね。
櫻井:それって、どうしてショムロドフ選手に直接的な影響があったんですか?